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ビビンバは渾然一体だからおいしい
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日本料理は、美しい盛り付けと個々の素材の繊細な味わいを堪能することに重きを置く料理の
ように思う。それに対して韓国料理は渾然一体が持ち味だ(あくまで主観だが)。ビビンバはその
良い例。盛り付けの美しさは日本料理に引けを取らないが、そこに躊躇なくスッカラ(韓国風スプ
ーン)を入れ、これでもかというほどよく混ぜる。素材の持ち味を溶けあわせることで、極上のお
いしさを作り出すのである。
自分の場合は、この"渾然一体"に慣れるまでにずいぶんと時間がかかってしまった。混ぜる食
文化になじむ前は、ビビンバをまるでちらし寿司を食べるように、それぞれの具とご飯をそのまま
口に運んでいた。それはそれでおいしいのだが、やはりなんだかパンチに欠ける。転機となった
のは韓国を訪れた時だ。食堂で周りを見回せば、地元の人々は一心不乱に混ぜている。そこで
意を決して思い切り混ぜてみた。美しい盛り付けが跡形もなく崩れていく様子に、少しの罪悪感を
覚えながら。
そうして出来上がったものを口に運ぶと、おぉ!うまい!! 牛肉、ほうれん草やもやしなどのナムル、
コチュジャン、ごま油がご飯と混ざり合い、引き立て合い、単品では決して味わえない複雑なおい
しさを生み出していた。