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替え玉殺人 尹被告２審も無期…大阪高裁判決
殺人１件のみ認定
資産を不正に相続しようと、夫とその「替え玉」の男性２人を殺害したなどとして殺人罪などに
問われた中国籍の元スナック経営・尹麗娜(インリナ)被告（５５）の控訴審判決が２０日、
大阪高裁であった。古川博裁判長は１審・大阪地裁が言い渡した無期懲役判決（求刑・死刑）を支持し、
検察、弁護側双方の控訴を棄却した。弁護側は「被告は３人の死亡とは無関係」として上告する方針。
尹被告は、２００１年１０月～０２年２月、夫の加藤善一郎さん（当時７７歳）を財産目当てに殺害し、
さらに、加藤さんが病死したように装うため、糖尿病を患っていた高木清さん（同７１歳）と近藤晃さん（同６９歳）
を替え玉に仕立てて相次ぎ殺害した―などとして起訴された。昨年１月の同地裁判決は
近藤さん事件についてのみ殺人罪を認定し、加藤さん事件は傷害致死罪、高木さん事件は無罪とした。
控訴審判決で古川裁判長は、近藤さん事件について、関係者証言などから被告が近藤さんを
糖尿病だと知りながら監禁、病状を悪化させて殺害したと判断。加藤さん事件については、
被告が加藤さん宅の血痕が付いた畳を替えていることなどから暴行を認定する一方、殺意までは認めなかった。
高木さん事件では、検察側は遺体の一部が入っていたリュックから被告の毛が見つかったことを
殺害の根拠と主張していたが、古川裁判長は「被告の毛と断定できない」として無罪の判断を維持した。
その上で別の詐欺罪などを併せ、「１審の量刑が重すぎて不当とは考えられない」と結論付けた。