10/12/13 20:45:45 QHAT/caT
前に、「感情も大事だ」というような事を書きました。
漏れはどっちかというと「理屈」のほうが大事だと思ってるんですが、人は他人と関わって生きているので、
「人間関係」という関係性が生じてきます。この「関係」というのは何で繋がっているのかというと、
つまるところ「感情」で繋がっているんですわ。
ここに理屈っぽい二人の男がいたとして、彼らは事ある毎に議論をします。顔を合わせている間はずっと議論
しているような状態です。これだけ見ると「論理の整合のための関係」に見えますが、実は「話したいことを
話しているだけ」という事もできます。議論のテーマを選ぶのは感情で、相手を選んでいるのも感情で、相手の
反応や反論を予測しながら持論を組み立てる原動力も感情なんです。まず、まったく関心を持てないテーマで
議論はしません。相手と自分の論理プロコトルが違いすぎると議論にならないので、気の合った人を選びます。
「あいつだったらこう反論するだろう、そしたらこっちはこうだ」というシミュレーションは、デートの予定
を立てるワクワクな行為に似ています。
この男二人にあるのは、「理屈」というもので媒介された「友情」です。そしてそれは「感情」です。
我々は「日本国民」という共同体に所属しています。昔ゲゼルシャフトとかゲマインシャフトという言葉
を習ったことがあると思いますが、その両方で結ばれているのが日本国民です。
左翼も右翼も、日本人であるならば歴史や先祖や伝統を共有しており、日本という国に所属するという利益を
共有しているわけです。ところが「国際社会」というものが出てきてから、利益共同体の受益者が日本国民
とは限らなくなってきました。そして歴史や先祖や伝統を共有しない人が日本に入り込んできました。
これではゲゼルもゲマインも両方、共同体としての根源を失いかねません。そこで生まれたのが「愛国心」
です。明治になってから、日本人に「日本国」への愛国心が生まれたのは、国際化が共同体を壊す事への
予防措置だったと考えられるでしょう。