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コラム:リビア革命と欧米の偽善 2011年02月27日付 al-Quds al-Arabi紙
URLリンク(www.el.tufs.ac.jp)
日産160万バレルのリビアの石油輸出が半減し価格が1バレル110ドルを超えるまで、欧米各国は、
リビア国民の革命に真の同情を示さなかった。ヒラリー・クリントンは、バハレーン国民の蜂起にはしかるべく
同情を示さず、イラク各地で続いている国民蜂起、あるいはスライマニーヤでジャラール・タラバーニーの
政府と彼の政党の汚職に反対する人々について、ひと言もない。
クリントン氏がイラク、バハレーンでの蜂起に同情的でないのは、まず第一に石油に起因する。
欧米はイラクからの石油供給が途切れることに耐えられない。そして、それより割合は少ないがバハレーン
からの供給も、リビアを巡る情勢が不透明な現在、途切れさせるわけにはいかない。リビア情勢によって
石油価格は1バレル300ドルを超えるかもしれない。もしそうなったら、欧米経済を現在の低迷状態から
脱出させるべく兆単位を費やして行われている努力が水泡に帰す事態である。
欧米世界は、リビア政権が汚職まみれであり、人権侵害について悪しき記録を保持し、自由と尊厳ある
生活を送る権利を奪って国民を迫害していたことをよく承知していた。しかし、ほんの2年前イタリアの
ラクイラで行われたG8サミットでは、賓客として赤いじゅうたんをひいてカダフィ大佐を歓迎することを
全くためらわなかった。大佐は、米英、イタリア、フランス、日本、ドイツ、中国、ロシアの首脳と肩を並べ、
ブレアと仲良しになり、ライス国務長官はトリポリの彼のテントを訪問した。ベルルスコーニー首相も
サルコジ大統領も同様のことをやっており、お仲間は大勢いる。
リビアの大佐を二年ばかりで犯罪的テロリストから親友へ変えた魔法の言葉が石油であった。それに加え、
2千億ドルを超えるリビアの資産と商取引、その元首が自分の破たんした理論の実験場にした国、つまり
インフラも上部構造も何もない国の再建という巨大なビジネスチャンス。