11/01/24 22:37:56 ezYhovUR
陰謀結社の奴等がどれだけ頭が良く、ある種の権力機構を掌握できていたとしても、
結局は世の中の大勢というものは大河の流れのように制御するに能わないものであり、
それゆえ最後は常に名もない愚かな民衆の想いに従って変化していくしかないものなのだ。
幾世代にもわたってそのことを実地の歴史的教訓として味わってきた組織であるならば、
シナリオの導入部を用意することが可能であっても、その結果は決して期待通りに
行かないものだということを嫌というほど理解しているし、だから上から強引にではなく、
下から共に動くように、そのため世代を超えて長い時間をかけるしかないことも知っている。
ただそういう組織もまた異なる思惑を抱える人間の集合体に過ぎぬこともあり、
計画の世代間継受に失敗してほとんどは淘汰されていく。
結果、ある組織は規模を縮小するのを覚悟で血縁によって続いていくことを選び、
あるいはまた別の組織は組織本来の目的が曖昧化するのをあえて覚悟し信仰集団とする
ことで世代間の意志統率を図る。
前者は比較的本来の目的遂行を維持し易いが、数が増えないので時間だけが延々と費やされる。
後者は長い歳月の中、信仰集団としての性質だけが強まり本来の目的遂行の意志が喪失される。
このような欠陥があるため、陰謀結社は、世代ごとに選ばれた斎王を必要とする。
斎王の役目は、組織本来の目的の具象化である。つまり生きたシンボルなのだ。