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春秋 2010/11/11付
URLリンク(www.nikkei.com)
チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世に国家元首や首相が会うと、その国の翌年の対中輸出は
平均8.1%落ち込む。こんな調査結果をドイツのゲッティンゲン大学の研究者たちが発表した。
「ダライ・ラマ効果」と名づけて。
▼自然科学の法則めいた呼び方はいかがなものかと思うが、調査そのものは有無を言わせない迫力がある。
世界159カ国の貿易統計を1991年から2008年まで調べたうえでの結論。とりわけ興味をそそるのは、
02年に胡錦濤国家主席が最高指導者になってからダライ・ラマ効果が始まった、との指摘だろう。
▼それ以前、こんな現象はなかったそうだ。指導者の意向なのか、はたまた中国の国力が高まったことの
反映にすぎないのか。いろんな憶測のなかでも、01年に中国が世界貿易機関(WTO)に入った結果、
との見方には説得力がある。WTO加盟までは通商政策に疑念を招くような行為を控えていた、との分析だ。
▼明日から広島には、世界のノーベル平和賞受賞者が集まる。ダライ・ラマもその一人だが、
今のところ菅直人首相が会う予定はない。これは日本の歴代首相が踏襲してきた政策でもある。
日本政府はダライ・ラマ効果を先刻ご承知なのかもしれない。中国とのあつれきを避けたいだけだとすれば、
情けない話だが。