10/12/06 14:05:07 usaJBPAF
レシプロエンジンは『燃焼したガスの圧力をピストンで受け止めて膨張させた分』を動力に変換
しています。低圧縮比(=低膨張比)にすると、膨張開始が同じ圧力でも膨張比が少ない分だけ
『まだピストンが押せるのに排気バルブを開いて捨ててしまう』んです。
『動力に変換し損なう分』が増える訳ですから、当然効率が落ちるんです。それで前と同じ出力を
出そうとすれば、効率が落ちている分だけ燃料消費が増えるので燃費が悪いと言う訳です。
しかも排気損失だけでなくS/Vの悪化で冷却損失も増えてます。二重に悪化するんですよ。
過給付きエンジンで圧縮比を下げたものは『熱効率を落としてでも燃料を増やして出力を増やす』
というものなのですよ。「効率が0.8倍でも混合気を押し込んで1.5倍なら、出力は1.2倍」とね。
「その排気量で、もっと出力を求めるためのもの」なのですよ。だから燃費が悪くなる。
そしてガス量の多さやタービンへの送りを考えて排気バルブの開きを早めたりすると、もっと悪化。
膨張比を落とさず、NAの吸気抵抗を打ち消す程度とか、低速では慣性吸気が期待できないからと
その分を補う程度の過給なら、燃費は良くなりますよ。
常用回転数の低下による損失の低下も期待出来ますし。
圧縮比を落とす必要のないディーゼルは言うまでも無く。むしろ大型エンジンでは必須アイテム。
え?なんで自動車メーカーがそれを作らないのかって?それは排ガス浄化『も』関係しています。
ターボがつくと触媒温度が上がりにくく、早く暖めようとすれば燃料を無駄にしてしまう。
そしてコストとかもあって、日本メーカーはハイブリッドへ舵を切った訳ですね。
海外メーカーでこちらを選択した所もあります。ま、メーカーの方針ってやつですね。