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鳥インフル、営巣地にウイルス定着? 新パターンに警戒感強まる
産経新聞 12月20日(月)1時37分配信
今年10月以降、野鳥や養鶏場などでの高病原性鳥インフルエンザの感染確認が各地で相次いでいる。
鳥取県は19日、米子市で見つかったコハクチョウから強毒性のウイルス「H5N1型」が検出されたのを受けて見回り調査を行い、衰弱状態や死骸の野鳥計31羽を回収した。
死後長期間が経過し検査できないものなどを除く23羽の死骸を鳥取大で調べる。
また、富山県は19日、高岡市で死んだコブハクチョウを検査した結果、強毒性の高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。
島根県や北海道で感染が判明したウイルスと「極めて近縁」としている。
農林水産省などの調査では、シベリアなど北方の営巣地から渡り鳥がウイルスを国内に運んだ可能性があるという。
伊藤寿(とし)啓(ひろ)鳥取大教授(獣医公衆衛生学)は「今までとは違うパターンだ」と指摘する。
北方の営巣地を飛び立つ渡り鳥には2種類のパターンがある。
10~11月ごろ、営巣地から直接日本に飛来するパターンと、中国や韓国を経て12月~翌年1月に飛来するパターンだ。
伊藤教授によると、過去に北方の営巣地でH5N1型は確認されていない。
そのため、これまでは中国や韓国のH5N1型発生地を経由して感染した渡り鳥が、ウイルスを日本に持ち込んでいると考えられてきた。
だが、今年は渡り鳥が北方から日本に直接飛来する10~11月に初めてH5N1型の発生が確認された。
韓国や中国では今秋、この型の発生報告はない。
農水省は前年に発生地から営巣地に持ち込まれたウイルスが定着し、日本に運ばれた可能性もあるとみている。
伊藤教授は「もし営巣地にウイルスが定着しているなら、渡り鳥は毎年ウイルスを運ぶと警戒しなければならない」と懸念する。
農水省は「乾燥した冬場はウイルスが広がりやすい。養鶏場が家畜を野鳥と接触しないように注意するのはもちろん、一般の人も死んだ野鳥を見つけたら触らないで通報してほしい」と呼び掛けている。