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>>覚せい剤中毒で脳の神経細胞を損傷させたサルにミノサイクリンを投与し、
抗生物質で神経細胞成長 損傷回復の仕組み解明
2010年11月20日 16時37分
にきびの治療などに使われる抗生物質ミノサイクリンに、神経細胞を長く伸ばし成長させる働きがあるとの研究結果を橋本謙二千葉大教授(神経科学)らが20日までにまとめた。
橋本教授らは、覚せい剤中毒で脳の神経細胞を損傷させたサルにミノサイクリンを投与し、神経の機能を回復させることに成功している。
パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患でも、動物実験で改善したとの報告もある。
橋本教授は「今回の研究で、なぜ効くかという仕組みの一端が分かった」としている。
橋本教授らは試験管内の実験で、ラットの神経前駆細胞にミノサイクリンを投与。
濃度の高さに応じて、軸索という細長い突起が伸びる細胞が増えた。
細胞の中で、遺伝子情報を読みとりタンパク質の合成を始めさせる働きがある分子が増えていた。
この分子がないと、ミノサイクリンを投与しても軸索が伸びる細胞は増えなかった。
ミノサイクリンはこの分子に働きかけて、神経細胞の成長を助けているらしい。
研究結果は米科学誌プロスワン電子版に発表した。
(共同)