11/09/18 22:31:47.46 C+U7oCKV0
>228
>富など移りはしませんでした、ただ皆が貧しくなったのが江戸時代なのですよ。
>貴方の指摘した構造のとおりにみなが貧しくなっていったのです。
私は新撰組モノなどの小説から歴史の分野に興味を持った人間なのですが、
これらのいわゆる「幕末の志士」とやらが澎湃として日本中からわき出てくる
その母体は何だったのだろうかというのが興味の対象でした。
それまで教科書で習っていた「百姓は生かさず殺さず」という幕府の政策が
行われていたのであれば、あのように大量の人間があっちこっとに移動したり
農作業もせずに食えていけるというのはおかしいと考えたからです。
そしてあれこれと調べていくうちに、当時の農民は「食うや食わず」などという
過酷な状況に置かれていた訳ではなく、それなりに円満で穏やかな生活を
営みうる程度にはちゃんと食えていたし、そうした余裕を生み出しうるだけの
しっかりした基盤を持っていたことが分かってきました。
全員が貧しくなったというのは認識の仕方が間違っていると申し上げます。
より正確には、「支配階級側の富が民間に移った」というのが実情であり、
その中で豪農や豪商といった富裕層は存在したにしても、総体的には
富の再分配が着実に行われていた社会であったと考えます。
>丁稚奉公などでこき使われて、大半は子供も残せず死にます。
丁稚奉公で順調に出世してのれん分けをされたり番頭として商家の差配を
するまでになれるのはごく少数です。
ではそうなれなかった人々はどうしたかというと、奉公の年季が明ければ
実家に帰って農業に戻ったり、武家の雇いモノになったり、日雇いの労働などで
それなりに食っていける道を探せたのです。
丁稚奉公というのを過酷な奴隷労働か何かとお考えなのかもしれませんが、
わりと緩い勤務形態でしたし、それがイヤであればドロップアウトすることも
可能なくらいに柔構造の体制だったんですよ。
>疫病なども大流行ですし、衛生観念などろくにない時代ですから、ばたばたと死にます。
これは中世ヨーロッパなどでも同じ事です。
産業革命以前のヨーロッパは酷いモノだったんですよ。
>既得権益をもった一握りの特権階級は豊かだったでしょうが、そんなのごく一部ですよ。
いったいどこのマルクス歴史学を習ってきたのですか?
そういう前世紀の歴史理論は近年では退けられています。
>武士は重税という形でそれを回収します。よって庶民も苦しくなります。
この認識がそもそもの間違いです。
何度も言いますが、簡単に重税を課して農民を搾取することが可能なのであれば、
もっと手軽に出入りの商人たちに重税を課しますよ。
江戸時代にはそれまで取っていなかった税金を取るという行為は簡単には
認められませんでした。
だからこそ武士階級は貧乏になっていったのです。
重税を課すことが出来ていたのであれば、武士は貧乏にはなっていません。