11/09/18 19:54:14.74 C+U7oCKV0
>218
>欧州ではその戦争を梃に軍事技術の進化や行政、財政の合理化効率化が進みましたから
>戦乱の有無は一長一短ですね。
それは戦争に勝って自国が壊滅的な被害を被ることを免れた側にのみ言えることで、
実際に蹂躙されて国土を踏み荒らされた国の住人にとっては、あまり聞き入れられる
内容のことではないと思います。
戦後の高度成長期には戦争中に軍の機構に携わっていた人々が民間に移ってきて
その技術を活用したおかげで発展した産業などもありましたが、だからといって
「あの戦争」をやって良かったと考える人がほとんどいないという事例もありますし。
欧州での軍事技術や行政・財政の合理化効率化をちゃっかりと身につけて強大な国家を
作り上げた大日本帝国という事例もありますので、「200年間の平和な時代は、
全くの無為な時間だった」という意見対して、私は首肯できません。
江戸期の日本が、相応に合理化や効率化を推し進めて国民に豊かな生活をさせられる
国家であったという様々な例証は数多く上がっていますし、進歩したという欧州諸国が
自国民に幸福な生活を約束し得ていたかというと必ずしもそうでない部分もありますから。
また、軍事技術を身につけた彼等がアジア・アフリカ・南米で行った数々の非道を
考えるにつけ、欧州での「進歩」というのが無条件に賛美されるべきものなのかどうか
という視点も必要とされるものなのでないでしょうか。
>幕府に於いても天保改革が失敗し慶応改革がそれなりに成功したのは、長州征討があったから
これに関しては、同意します。
明治維新にしても、戊辰戦争という形での流血の事態がなかったならばあそこまで上手く改革が
進むことはなかっただろうとも思っていますから。
日本は近代を成し遂げた国家としては例外的なくらいに「流した国民の血」が少ない国ですが、
そういう利口な立ち回りが可能だったのも、江戸期が相応の時間をかけて育んだ優秀な国民と
指導者とに恵まれたからだと考えています。
>文化面においてもルネサンスや東山文化のように戦乱の時代でも花開く事もありますから。
「戦乱の時代に文化が花開いた」というのと、「文化が花開くには戦乱が必要」というのとは
イコールではないですよね。
江戸期にも元禄文化や化政文化といった文化が花開いておりますので、戦乱が必要という
ことではないのではないでしょうか。
戦乱に巻き込まれていつ殺されるか分からないような国にいるよりも、殺されるような
事態がそうそう起きない国に住む方がおそらくは幸せであろうという考えのもとに、
「軍配を上げる」と申し述べました。