11/07/18 00:18:46.81
語りつぐ戦争体験記―母の霊に守られ
父母が保安隊に
突然、朝鮮の保安隊(警察)の人たちが、ドカドカとやって来て、父と母と姉を連れて行った。
道子と信子の姉妹だけが残された。
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始まった日本人狩り
夜なかになると、ソ連兵がやってくる。まるで、鬼のような恐ろしい大男たちだ。姉さんの靖子と道子は、
三つ目の部屋の押し入れに隠れていた。こわくて、ガタガタふるえる。すると、カラのビール瓶もガタガタ
鳴るので、困った。
「ヤポンスキー、マダム(日本の婦人)」「ハラショ(すばらしい)」という。
「イナイ、イナイ」と、応対の父が首を振る。「イヤ、イル」と、ソ連兵はなかへ入ってくるが、酔っぱらって
いるので、道子たちの部屋まで来ずに帰っていった。
「こいつだ、こいつは警察官だ」
「この男は軍属で、軍隊の手先だ」
朝鮮の人たちがやって来て、日本の植民地時代に、威張っていた日本人や、意地悪なことをした日本人を、
群集のなかから、引っぱり出して連れ去った。
どこへ行ったのか、それっきり帰ってこなかったので、悲劇がおこった。
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