11/05/30 10:33:56.03 0
でも夕飯が終わるまではいないとおかしいかと思い
みんなで居間に戻って食事のつづきを再開した。
彼女はあいかわらずにこやかで、十年も前に自殺した?らしい姉の話を
まるでまだ生きてるみたいに「おねえちゃんがね~」と話していた。
その合間合間に、母親が「死んだんだよ!」「とっくに死んだんだよ!」ってぶつぶつ言っている。
俺の正面にはずっと誰だか知らんおっさんがいて
にこにこしながら二人を眺めてメシ食ってる。
「あなたは誰なんですか?」と訊くわけにもいかず、無理やりメシを詰め込む俺。
誰も食わない五人目のメシはどうも陰膳のようなものらしかった。
死んだ人のうち誰のぶんなのかはわからずじまいだった。
食べ終わってお茶を一杯もらい
俺は「腹が急に痛くなった」とみえみえの嘘をついて帰らせてもらうことにした。
彼女を連れて帰るのはなんか怖かったからやめた。
知らんおっさんは
「おなかが痛いのはよくないですねえ」「重大な病気かもしれませんね」「よくないですねえ」
ってずーっと言ってた。
よっぽど重大な病気であって欲しいらしいな!と思ったが
不気味だったから何も言いかえさずにおいた。