梵_巴_蔵_e.t.c.at GOGAKU
梵_巴_蔵_e.t.c. - 暇つぶし2ch27:Agent Provocateur @ ◆H6vNbu2PFg
10/10/21 02:10:42
>>26の続き

俺はこの s'ikSitavyaH なる語を見た時、ギリシャ語の「カミソリ」を意味する ksyron (ξυρον)
を思い浮かべた。勿論サンスクリットの同義語 kSuraH と同じ語源。
同じ語根から派生したギリシャ語動詞 ksy:o: (ξυω)は「擦る、磨く」のような意味。

俺には s'ikS- という動詞も同根語に思える。
語根 s'a:- が現在形で s'is'a:ti 「彼は尖らせる、鋭くする」になるように、動詞
s'ikSate 「彼は学ぶ」(中動相)も語根 *kS- からの畳音による派生語ではないか? (s'ikS- < *k'ikS-)

つまり能動相 s'ikSati は「彼は磨く」が原義であり、その中動相形は「彼は自分自身を磨く」
から「彼は研鑽を積む、学ぶ」のような語義に変わっていったと思われる。

学問的に「磨く」は自分の立場から見れば「学ぶ」であり、先生の側から見れば「教える、授ける」である。
この原義を般若心経の文章にも当てはめれば、s'ikSitavyaH は「磨かれるべき」となり、
yaH kas'cit....kathaM s'ikSitavyaH なら「・・・する人は誰しもどう磨かれるべきか(= 学ぶべきか)」
evaM....s'ikSitavyaM bodhisattvena なら「菩薩によってこのように磨かれるべき (= 学ばれるべき、
実践されるべき)」となって、無理なく解釈できる。

但し、この s'ikS- の語源解釈は、例えば A. Thumb, R. Hauschild, Handbuch des Sanskrit,
Winter, 1958 では異なっている。(その第二巻349頁参照)
尚当方の手元に Mayrhofer の語源辞典はない。


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