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トゥイーティが大人になった頃シルベスタはもうこの世にいませんでした。
シルベスタは自分の命の終わりがすぐ傍まで来ているのを知ったとき、こっそりトゥイーティーの前から姿を消しました。
トゥイーティーの前で弱って涙もろくなった自分を見せたくなかったのです。
シルベスタはトゥイーティーの心の中ではずっと喧嘩相手として生きつづけたかったのです。
シルベスタがいなくなったのに気づいたときトゥイーティーは悲しみはしませんでしたが、退屈になるなと思いました。
シルベスタとの喧嘩は最高にスリルのあるゲームでしたから。
胸の奥が不思議にチクチクはするのですが、それが何なのか、 トゥイーティーにはよくはわかりませんでした。
シルベスタの願い通り、トゥイーティーの心の中でシルベスタはいつまでも仲の悪い喧嘩相手でした。
そんなある日トゥイーティーの前に一匹の猫が現れました。シルベスタよりのろまで体も小さい猫です。
喧嘩相手のシルベスタがいなくなって寂しかったトゥイーティーは、 今度はこの猫を喧嘩相手にしようと考えました。
そこでトゥイーティーは、穴のあいた三角チーズが仕掛けられたねずみ取りを利用して、
その猫に罠をかけることにしました。いつもシルベスタにしていたように。
トゥイーティーは物陰に隠れて、小鳥を求めて猫がねずみ取りの近くに来るのを待っていました。
そして思惑通り猫が罠に向かって近づいてきます。 トゥイーティーはしめしめと思いました。
いつものように、自分がねずみ取りにひっかかるふりをして、逆に猫をねずみ取りにかけてやるんだ。 うふふ。
手か尻尾を挟んだ猫の飛び上がる姿が頭に浮かび愉快です。
そしてトゥイーティーの企みどおりに間抜けなその猫はネズミ捕りに引っかかって悲鳴を上げました。
トゥイーティは自らを見せびらかすように猫の周りを飛び回っておびきよせました。
猫は必死で追いかけてきますがひらひら飛び回るトゥイーティを捕まえることはどうしても出来ません。
そしてそのうちその猫はヘクターに見つかりました。
へクターがものすごい勢いで猫に襲い掛かります。
血まみれの猫は薄れ行く意識の中で、「よく先代の猫は長い間レギュラーが務まったな…」と思いました。