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431 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/05/10(火) 14:59:01.17 ID:lwWqQlFe0
何時なのかは良く分からなかったが、まどろんでいると、ふと、
布団の上をじわり、じわりと何かが移動しているのがわかる。
その特徴的な足運び、その重さ。俺はすぐに気づいた。
なんだ猫か。
そして俺はそのまま寝た。がっかりだ。
翌朝、宿の主人に結果を話す。ただの猫じゃないですかあれ。と。
それを聞いて主人は、やっぱりね、見たいな顔をしてこういった。
うちに猫はいません。それが怪奇現象なんです、と。
そして、続けてこういった。
お客さん、猫飼ってるか飼ってた事ありますよね。
主人が言う。
猫を知らない人だとたいそう怖いようなのですが、
猫を飼ってた人間からすると、なんだ猫か、で終わってしまうようで、もう反応が真っ二つです、と。
だから、実際のところいつごろ発生していたのか、
なんとも分からないのです、とのこと。
確かにそうだった。
あれは猫が甘えて人と一緒に寝るため、布団の上の
ベストポジションを探るときの動きそのままなのだから。
怖いはずも無い。いつもの事なのだ。
なんとも言えない肩透かし感を感じながら、俺は帰途についた。
甘えん坊な猫は、いまでもあの部屋で客に甘えているのだろうか。