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歴史上の朝鮮は、満州から半島へと廻る回廊の上に立つ、いわば回廊国家であった。
モンゴル人の放漫な紙幣濫発政策に対する反省から、明は当初は反商業的な国家として
誕生した。同時期成立の李朝はこれを真似し、明がそれを捨てて発展していたころ、
なおも反商業的であった。
商店も筆屋と鍮器(ちゅうき)屋くらいしかなく、人々は市場と行商人に頼っていた。
曲げ物の技術がなく、車輪も樽(たる)もない。物は背負子(しょいこ)に担いで人が運んだ。
染料も顔料もないので、民間人は白衣、陶磁器は白磁だった。
李朝は、いわば世界が中世期の頃に、古代国家として発生したインカ帝国に近い存在として
特筆される。
筑波大学大学院教授 古田博司