10/10/14 03:44:34 0
>其れは当時の官制による國語審議會が纏めた漢字表を漢和辞典の
>編者が独自に判断して盛込んだものと俺は判断する。
>当時の非公式な「常用漢字表」を見つけた編者が付録に参考として掲載しただけかと。
無限に複雜化し氾濫する状態にある漢字を整理して平易に簡易明瞭な標準を樹てようと
文部省で企圖した標準漢字表の制定は、去る六月十七日國語審議會の答申が發表されるや
賛否兩論が重々として起つたが文部當局は飽まで愼重にこの答申を土臺として檢討をかさね
制定を急いでゐたが四日の閣議で諒解事項として決定を見た。從つて今後は國民學校、
青年學校の教科書もこの表の範圍内で編纂され、官廳使用の公文書も全部これにより
漢字使用上の煩雜さから脱して能率増進を圖り一般に率先して範を示すことになつた。
決定した標準漢字表を國語審議會の答申と比較すると答申では常用漢字千百卅四字、
準常用漢字千三百廿字、特別漢字七十四字計二千五百廿八字となつてをり
同時に常用は國民一般が誰でも讀み書き出來るもの、準常用は書けなくとも
讀めなくてはならないもの、特別漢字は勅語や詔書に用ひられる特別のものなどゝ
三段に分けられてあつたが、今日決定になつたものはこれらの一切の區別を廢して
答申より百四十一字を増加略字を含めて二千六百六十九字とし、使用の標準も
義務教育で習得させるものとなつてゐることは注目される。答申よりも減じた漢字は
叱、邑の二字で、増加したものは塚、庵、串、鋤、濤、碧、蠻、嵐などのやうに
一般に親しまれてゐるものと、メートル法に使用される粁、糎、粍、瓩、竏などである
(「讀賣報知」朝刊、第23668號、昭和17年12月5日)