11/07/30 17:48:55.59 iowvYoFD
逆転無罪:強姦被告に 最高裁「被害者供述信用できず」
千葉市内で06年、通行人の女性に性的暴行を加えたとして、強姦(ごうかん)罪に問われた配送業の男性(53)に対し、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は25日、懲役4年とした1、2審判決を破棄し、無罪を言い渡した。
小法廷は「被害女性の供述を全面的に信用した1、2審の判断は是認できない」と述べた。
男性の逆転無罪が確定する。
判決は裁判官4人中3人の多数意見。
最高裁が1、2審で実刑判決を受けた被告に対し、逆転無罪を言い渡したのは、09年4月の電車内痴漢事件以来。
男性は06年12月、千葉市中央区の路上で当時18歳の飲食店勤務の女性に声をかけ、「ついてこないと殺す」と脅迫して近くのビルの外階段まで連れて行き、無理やり乱暴したとして起訴された。
男性は一貫して否認し、脅迫や性的暴行の客観的証拠はなく、被害女性の供述の信用性が争点だった。
小法廷は、被害者が▽逃げずについていき、周囲に助けを求めていない▽性的暴行を受けたとする体勢は不自然で、下腹部に傷もない▽破れたので捨てたと言うストッキングも見つかっていない--などから「強姦行為が行われたこと自体、疑わしい」と結論づけた。
【伊藤一郎】
■解説
◇証拠「供述のみ」、慎重判断念押し
25日の最高裁の逆転無罪判決は、犯罪行為を裏付ける唯一の証拠が被害者の供述だった場合に「信用性の判断は特に慎重に行う必要がある」と念を押す内容だ。物的証拠や証言が乏しく、被告と被害者の言い分が対立することが多い性犯罪の審理などに影響を与えそうだ。
最高裁は09年4月、電車内で痴漢をしたとして強制わいせつ罪に問われた大学教授を無罪とした際も、「特に慎重な判断」を下級審に求めた。
今回の事件は、被告となった男性が被害女性に性的行為を求めて声をかけるなど落ち度はあるものの、1、2審が有罪認定した根拠はやはり「被害者供述のみ」だった。
最高裁判決は、双方の供述を吟味するという刑事裁判の判断手法の徹底を改めて呼びかけるものとなった。
【伊藤一郎】
毎日新聞 2011年7月26日 東京朝刊
URLリンク(mainichi.jp)