11/08/10 15:30:21.47 2U1L6bOf
喪失と記憶(記憶喪失ではない)については、とっかかりだけ書いておこうか。
自分にとって他者(肉親も含む)とは、自分の記憶の中にあるその人の像である。
(像とは言ってももちろんいわゆる画像的なものだけではない。)
実際に会ったり通信したりすれば記憶(された情報)は更新され、以前の記憶情報
に基づいて自分勝手に想像していたその人の近い過去・現在・近い未来の姿も修整
される。
しかし、死別や絶縁によってその道が閉ざされれば、その人は自分の記憶の中にある
固定された像としてとどまってしまう。
喪失とは、記憶の中にある像に対応する実体がすでに無い、あるいは有ることは
たしかであっても確かめようがない、つまり更新できない状態に陥ることなのでは
ないだろうか。記憶の像と実体との取り返しのつかないインバランスとでも言おうか。
記憶の中の像がはじめから無ければ、この喪失はあり得ない。
喪失を避けたいならば、記憶の中に像を持たなければよいということになる。
レスをいただいても対応できないかもしれない。あらかじめ詫びておきます。