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「パープルダイヤル」
那智 文江(民衆法廷陪審員 61歳 東京都)
来る2月8日から3月下旬まで、内閣府が無料電話相談のホットライン「パープルダイヤル」を
開設する。これは、性暴力やDVの被害者である女性からの相談に、市民団体の女性相談員たち
が対応し、医療や法律の情報も含めた助言をするというサービスだ。どれだけ女性の地位向上が
進もうと、男からの暴力に苦しむ女性たちは後を絶たない。女性の社会進出が目立つこんな時代
だからこそ、嫉妬心に駆られた男どもの攻撃性が増し、それだけ女性が受ける被害も大きくなる
のかも知れない。何にせよ、男の暴力に苦しむ女性に救済の手を差し伸べることは、国としての
急務である。このような取り組みは、本来なら期間を設けたりせず、年中無休で行うべきなのだ
が、国の都合で民間の女性相談員たちを無期限に拘束するわけにもいかない。難しいところだ。
ところで一つ、腑に落ちない点がある。「パープルダイヤル」では男からの相談も受け付けると
している。被害者である当の女性が声を出せない時に、家族や友人の男が代わりに相談してくる
ことはあるだろう。だが、内閣府の目的はそれだけではないらしい。どうやら、男の性暴力被害
者やDV被害者からの相談を想定しているようなのだ。これはおかしな話である。時代や社会は
異なろうとも、暴力の被害者はいつも女性であり、加害者は常に男である。その本質だけは変化
しないのだ。近頃は、異性間で何か不都合が生じると、自分の非を棚に上げて「男差別」を主張
する男が増えていると聞く。内閣府がそのような戯言に影響されたのだとしたら、実に愚かしい
ことである。男からの不当な相談にも対応しなければならない、女性相談員の方々が気の毒だ。
これは、相談員の女性に対する一種の暴力に他ならない。男自身からの相談は受け付けないと、
内閣府はしっかりと明言するべきである。男の性暴力被害やDV被害などは、妄想の産物でしか
ないのだから、そのような相談をしてくる男は放置して、女性被害者の救済に専念するべきだ。