アートのぎりぎりを探求したいスレat GALLERY
アートのぎりぎりを探求したいスレ - 暇つぶし2ch50:また始めちゃったんだね
11/07/31 12:29:09.27
専修大学文学部の伊吹克己教授って、松戸に詳しすぎ。

51:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/02 08:13:21.43
「ジャック・デリダ」
ワケわからないけど殺し文句として使われる著名な哲学者だと思うだろう。
実際に、戦後のフランスでは哲学の猛者が8人ぐらいいて、そのモンスターたちの
洗礼を受けているのがデリダなのだ。
彼は、人々が同じ出来事に同じリアクションをするのは「機械とどう違うのだろう」と
考えたり、以前経験したことの蓄積から今後が予測できるのはなぜだろうなどと
探求した。また、秘密を共有するというのは仲間の証であり、宇多田ヒカルの
"Can you keep a secret."もデリダの聞きかじりから作品ができている。
俺は、民主制は広がりをもつことを志向していて、情報の共有から始まり、
決定するのに時間がかかるが、君主制は、秘密裏に事が運び、判断が非常に速い
というデリダの指摘を受けて、俺の行動方針を決定したくらいだ。
君主ファクターがおのずと定まるのだ。

デリダについて日本のわけのわからん議論をスルーしたい人はスタンフォード哲学を読みましょう。
「ジャック・デリダ」スタンフォード哲学百科事典
URLリンク(plato.stanford.edu)


52:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/02 08:14:10.62
デリダにとって「最悪」とは、他人が自分の示した方向を見ている、自分の考え以上のことを
言わない、満足いく答えしか返ってこないことである、とする。
つまり、「大勢」であることを抹殺する「単一性」を「暴力」と呼んだのだ。
デリダの言う「最悪」とは「純粋な現実」であり、神であり、地球であり、とにかく「一つ」であることだった。
デリダは2004年に亡くなっているが、2001年の9・11テロは目撃していた。
彼は「グローバリゼーション」というものが「単一性」を志向していて、これ自体が
暴力であるとし、テロリズムはこの文脈で起こったものだと説明したのだ。
デリダは「グローバリゼーションには人々は、まるで機械のように、遺伝子が自動的に
拒絶するだろう」と言ったのだ。


53:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/02 08:14:54.34
彼は「自分自身」に大勢の他人をも含めてしまうことを「単なる自分だけの自殺にとどまらない
集団自殺」と呼んだのだ。
現在の国際情勢を最近まで注視していた哲学者だった。
デリダは、「忠誠心や知識」「宗教」といったものを、この「最悪」である単一性から
どのように解決したらいいのかを探求した。人はもっと他人と距離を置いて対話を
すべきであり、神とすら距離を適切に置くべきであるとしたのだ。
そのうえで、彼は他者とのかかわりは「手厚いもてなし」(ホスピタリティー)によって
行うべきではないかとした。
デリダは、プラトンを徹底攻撃することから「脱構築」の議論を始めている。
プラトンは「見えないものや記述されたもの」を「見えるものや感じるもの」よりも
すぐれたものとして「対になっている」としたのだが、同様に「本質と外見」「霊魂と魂」
「生き生きとした記憶とうすれゆく記憶」「声と文字」「究極の善と悪」などと「1対1」で
対置している。
一つのものに対して「一つのもの」しか対置できなかったプラトンを攻撃したのだ。
デリダは、法に正義を求めるうえでも、あくまでも「今」の正義か正義でないかしか
判断できないとした。その判断も批判にさらされて新たな正義を探求しなければならないとしたのだ。
人間は判断できないことを判断しなければならない。そもそも「地平」というものが
夜明けを待つものであり、まだ夜明けの来ない暗い中で限られた知識で判断をせかされている。
それが人間の「判断」であるとするのだ。
法律の世界にデリダはそれを見出している。
それはあらゆる分野に広がりをもつ考えだったのだ。

54:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/02 14:32:22.67
ブログにまとめておきました。
「ジャック・デリダ~フランス哲学のモンスター」
URLリンク(hougakukyoushitu.cocolog-nifty.com)


55:とある美術館の学芸員
11/08/04 17:37:10.53
 
ラピスくんの狂気がなにげにおそろしいわけですが、
あんなのとはとりあえずえんがちょして
しばらく放置していたこのスレに、ひっそりレスを残しておきます。

Martin Beckaという写真家がカロタイプで撮影した現代ドバイの写真です。
たいへんすばらしい。
レトロフューチャーというのはこういうものをいうのであります。

  Martin Becka photographies
  URLリンク(martin.becka.pagesperso-orange.fr)

カロタイプというのは、いまではほとんど忘れ去られた19世紀半ばの写真技術で、
ダゲレオタイプと湿版写真の過渡期に現れたものです。
よく炎熱のドバイで撮影できたな、とか思います。
薬剤的に問題はなかったんだろうか。

古いテクノロジーを用いることで、この特殊な美が生まれたということは示唆的ではありますね。
 

56:わたしはダリ?名無しさん?
11/08/04 21:14:36.97
>>55
かっこいいな。
ドバイがかっこいいのか、写真がかっこいいのかw

57:道化
11/08/04 22:57:51.34
>>55
ほわー
すごいねえ。
昔の写真みたいだ。
だけど、これ、現代のドバイなんでしょう?
すげえな。

58:わたしはダリ?名無しさん?
11/08/05 05:49:50.48
 
>>56-57
ある意味「昔の写真」です。
18世紀半ばのカロタイプというカメラの一種で撮影したものです。
フィルム(にあたるもの)も印画紙(にあたるもの)も、
Martin Becka氏の手作りだと思います。
(市販されてないし。)
 
まるで地球の光景に見えませんね、異星の街を撮った写真のような・・・
「目」を変えると、普段の光景が変わって見えてくる。
カメラというのはそういう技術でありますね。
 

59: 忍法帖【Lv=3,xxxP】
11/08/05 22:09:53.66
a

60: 忍法帖【Lv=3,xxxP】
11/08/06 14:46:17.41
uuu

61: 忍法帖【Lv=32,xxxPT】
11/08/07 07:17:38.34


62: 忍法帖【Lv=4,xxxP】
11/08/07 21:38:12.99
asd

63: 忍法帖【Lv=5,xxxP】
11/08/09 11:41:09.53
ty

64: 忍法帖【Lv=34,xxxPT】
11/08/10 15:11:58.50


65: 忍法帖【Lv=6,xxxP】
11/08/10 15:12:20.79


66: 忍法帖【Lv=7,xxxP】
11/08/12 17:46:38.99


67: 忍法帖【Lv=7,xxxP】
11/08/13 08:46:26.94


68: 忍法帖【Lv=8,xxxP】
11/08/14 14:16:14.74
s

69: 忍法帖【Lv=8,xxxP】
11/08/14 17:51:29.90
df

70: 忍法帖【Lv=9,xxxP】
11/08/16 12:51:04.09


71: 忍法帖【Lv=35,xxxPT】
11/08/20 13:08:50.93


72: 忍法帖【Lv=12,xxxPT】
11/08/20 13:09:34.53


73:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/21 09:58:58.02
>>36
姉さん。フランク・シブレイの洋書を注文しました。そもそも「美は言葉で説明可能か」
ということは、「言語学は心理学を基盤にしているのか」という議論ともかかわってきます。
フッサールは、人間の心は「言語学の三段論法のように明確ではない」として、
人間の心が抽象的である以上、言語学は心理学を基盤にはしていないとしています。
いろいろ議論のある論争ですが、「美をどこまで言語化できるのか」という評論集
みたいなものでしょうか。
とにかく、シブレイの本が届いたら読んでみようと思います。
あと、ギャラリーの方に「水彩画」に関する資料集を送らせていただきました。


74:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/23 14:46:00.66
シブレイの本が届きました。目次と序文だけ読みましたが、彼が残した論文集を
本にしたもののようです。「色について」「独創性と価値について」「形容詞の研究」
などが議論されていますが、シブレイの「モナリザ論」を簡単に書きたいと思う。
作品というのは、やはり誰が書いたか、いつの時代か、どういう背景があったか、
を論じなければならないという視点が重要だ。モナリザはいろんな意味で時代に
新しいものをもたらしている。
色の配置や奥行、形、ラインだけでなく、背景にはダヴィンチの修練や技術が
詰まっているのだ。たとえば、彼は、ブラシやパレットナイフというものをこの作品で
絵画の世界に持ち込んでいる。
そういう歴史的意義を研究するからこそ、模写とはエックス線を使ってまで
区別しなければならないとするのだ。


75:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/23 16:10:04.04
シブレイは「色」についても詳細に論じている。まず、「あれは緑色だ」という証言が
あるとする。多くの哺乳類は色を認識しないとされているが、人間は「色」という
パラダイムをもっており、これが重要な情報として扱われている。
自然に存在するものとしては「エメラルド」があるが、人間はあくまでも「色」という
パラダイムで「緑」という概念をもっているのだ。
これが彼の議論の出発点だ。


76:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/23 16:26:13.59
「色」に関しては、人類をさかのぼれば、最初はグレースケールで世界を認識していたと思われる。
明るい、暗いなどだ。しかし、人間は光が当たると色を認識する。他の人が同じ色を見ているかは
分からないだろう。しかし「赤」はルビー、「緑」はエメラルド、というように、いろんなものを
識別する必要性から「色」というパラダイムが生じたのだろう。
たとえば「グループAの経験」「グループBの経験」というものが「色」によってジャンル分け
されたとされる。こうやってパラダイムは生まれた。若い女性がピンク色を好むというのも、
そういう「グループ分けされた経験」で何らかの位置づけがなされるからだと思われる。


77:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/23 16:43:48.83
興味のある方は"Frank Sibley""Approach to Aesthetics"をアマゾンで注文すると
いいですよ。オックスフォードが出している本です。


78:わたしはダリ?名無しさん?
11/08/24 13:09:04.49




79:わたしはダリ?名無しさん?
11/08/24 21:25:10.19
(´・ω・)去年、東京都現代美術館でやったマシュー・バーニーのクレマスターシリーズがええな

80:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/26 13:17:10.24
カントは「ファインアートは天才がつくるものだ」としたが、「オリジナリティ(独創性)」に
関しては、シブレイは「今の時代においては価値の一つの判断要素となっているに過ぎない」
としているようだ。


81:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/26 14:17:33.16
絵画の評論に関しては、その感受性やたくみな表現力でその深度を深めたのは
モンロー・ビアズリー(Monroe Beardsley)だとされる。
評論の手法に関してはシブレイの本の第八章に書かれている。


82:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/27 11:44:39.71
ビアズリーは、評論をするうえで3つの観点の重要性を指摘した。
「作品の統一性」「複雑性」「その業界の価値が凝縮されていること」
この3つを常に頭に入れていたとされる。


83:糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y
11/08/27 11:53:23.62
シブレイはこれに対して「ドラマティックさの凝縮」も存在するのではないかとした。
たとえ単純なモチーフを描いたとしても、その業界での「誠実さ」「良心」「幅広い見識」
を示すことは「ドラマティックさの凝縮」であり、なにも歴史的瞬間などを
描くことのみを意味するのではないとしたのだ。


84: 忍法帖【Lv=6,xxxP】
11/08/30 21:25:32.40
.

85:わたしはダリ?名無しさん?
11/08/31 01:33:13.69
川田ギャラリーにいってみそ

86: 忍法帖【Lv=8,xxxP】
11/09/01 16:35:05.02
1

87: 忍法帖【Lv=9,xxxP】
11/09/03 13:35:04.57
p

88: 忍法帖【Lv=9,xxxP】
11/09/03 16:00:53.35


89: 忍法帖【Lv=10,xxxPT】
11/09/03 17:36:28.70


90:わたしはダリ?名無しさん?
11/09/05 02:54:26.29
>>83
はじめてこのスレッドに来ましたが、たいへん参考になります。
今日からあなたの書き込みを楽しみにしています。

91: 忍法帖【Lv=12,xxxPT】
11/09/08 19:33:36.23
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