11/04/23 21:44:09.34
>>201
>そんな実態がどこにあるだろうか?
貸し画廊と美術館の問題が出たのは、国立新美術館を例として出されました
私は美術館の役割の重要な機能の一つは、「作品の体系的収集・研究・保存」と考えます
そうすると、学芸員を置かない館は、その機能を果たすことが難しいことになります
これを前提とすると、A館で開催する展覧会は、「A館が所蔵する作品・画家と関連する展覧会」ということになる筈です
自館で所蔵する作品やその画家の研究成果として、展覧会が位置付けられねばなりません
しかし、実態はどうでしょう?
ゴッホや葛飾北斎を所蔵しない名古屋市美術館で、なぜ「北斎展(2007年度)」「ゴッホ展(2010年度)」を開催するのでしょう?
自館で所蔵もしない画家や絵師の展覧会を開催するのは、もはや「貸し画廊」でしかない
むしろ、借用に際して賃料を支払っている分、貸し画廊以下です
このように、所蔵作品と展覧会を繋ぐストーリーが乏しい展覧会を開催している以上、
実態として、美術館は「貸し画廊と大差ない」ということです
ただし、以上は、あなた方のように、「貸し画廊と美術館の相違」にこだわる立場からの考察であって、
私は、このような展覧会であっても、意義があると考えます
すべて者が、海外にある美術作品にアクセスできる訳ではありません
経済的事情から海外旅行などできない方もいるでしょう
家族の介護のために自宅を数週間も空けることなどできない方もいます
そういった方々とて、海外の名画を見聞する機会が保障されて良い
ならば、たとえ「貸し画廊」と批判されようとも、
未知なる物への知識欲や見聞欲を充足する機会として、
所蔵作品とのストーリー性など度外視した展覧会を提供するのが、
“公”の役割と考えます
このようなあり方を「今が良ければ良い政策」と>>188において批判したのが、
RAIDEN氏であることも付け加えます