10/05/05 19:36:07 tnDdipCb
原師の板を見ていると、ときどき、 「マクスウェルの微分方程式」 というのが出てくる。
これは実は 「フックばね」 と 「ニュートン粘性素子」 とを直列につないだ粘弾性模型の式である。
2010.02.28 (3655); 2009.10.03 (3524); 2005.05.18 (1622, 1624), 2005.05.19 (1628);
2003.12.24 (1216); 2002.02.21 (品質工学特集2002年版.pdf) p.24.
原師も言うように、この微分方程式はラプラス変換で解を求めるが、 「マクスウェルの微分方程式」 と聴いて、
この粘弾性模型の式を思い浮かべる者は、物理系の学生ではそんなに多くないかもしれない。
普通の物理系の学生、とくに素粒子などの理論専攻の学生が思い浮かべるのは、粘弾性模型の式とは少しも
関係のない、ある種類の連立偏微分方程式であり、時空間内での電磁波の伝播の基礎方程式である。
ラプラス変換で解を求める種類のものではない。しかし、素粒子などの理論専攻の学生だったら、この連立偏
微分方程式があたまを離れることはない。相対性原理とも直結しており、その重要さは特筆される。
物理専攻でも 「のっぽ」 のように物性系だと粘弾性模型が大切だが 「フィッシャーの実験計画法」 に関係が
あるのは、意外にも、粘弾性模型ではない。むしろ、素粒子系の数理手法に近い。原師や 「のっぽ」 を悪く言う
つもりはないが人間は誰も万能ではない。この数理の壁が基本的な理解を妨げている場合もある。
あわてて素粒子論を勉強は無意味だが、粘弾性模型とは 「別」 と割り切って真正面から取り組む必要はある。
ここをわかりやすくするのは、企業やコンサルではなく、当然、学問の側、数理科学の側の責任である。