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林原には、中国地方の地場銀行や都市銀行など計28金融機関が融資していた。
主力行の中国銀行(岡山市北区)や準主力行の住友信託銀行(大阪市)は、林原の経営破綻が表面化する前に同社所有の土地に債権を優先的に回収できる抵当権を設定した。
これに対し異議を唱える金融機関があり、足並みはそろっていない。
私的整理の｢事業再生ADR｣手続きによる再建が頓挫したのも、一部の金融機関が林原の長年の不正経理に加え、中国銀行などの抵当権設定を問題視したためだった。
問題の土地はJR岡山駅近くの約3万8千平方㍍の土地。
中国銀行は2005年、林原と担保契約を結び、昨年12月に400億円の抵当権を設定した。
中国銀行の泉史博副頭取は｢ADR手続きを進めるには当面の運転資金が必要だった。確実に担保を確保しなくてはならない。以前の担保契約を強化したにすぎない｣と説明する。
一方、ある地場銀行の幹部は｢他の債権者の権利を侵害している恐れもある。金融機関の姿勢としてどうか｣と疑問を投げ掛ける。