11/06/05 01:45:22.21
作品だろ。体裁を整えてみた。
『クジラミア』
子供の頃、給食でクジラの肉が出ることがあった。格段おいしかったという記憶も残って
はない。が、それは給食だからだろうな。たぶんきちんとした料理屋で食べたらうまいに違
いない。
しかし今さらわざわざクジラ肉を食うために店をあちこち探すほどの情熱もない。近所に
クジラ料理屋がある人がうらやましい。おいしいクジラ、食ってみてぇ!
そういえば我が家の食卓にも真っ黒な焼きクジラが並んだことがあった。クジラは戦後の
食うもんが無かった時代に仕方なく食べた食糧。俺は小学生だったけれど、クジラだけは勘
弁、って母親によく言ったものだ。
終戦直後から昭和四十年までは冷凍技術を含めたロジスティック関連が悪くて、食味が劣
化していた。給食の時は飛び抜けておいしく感じなかった鯨竜田揚げも、店で、特に刺身で
食えるようになってからは、畜肉と魚の絶妙に混ざったようなうまさがあるという。元々沿
岸捕鯨してた地元では食えてたのかもしれんが、俺にとっては未だに幻の肉だ。(了)