11/05/27 23:12:20.94
その日もぼくは特にこれといってすることもなく、近所のおばさんにお昼ご飯を作ってもらって食休めを兼ねて日向ぼっこしていた。
春の日差しの柔らかさは、風の中に居残った刺すような冬を溶かしていくようで気持ちがいい。この辺りはこの村の中でも物静かで、人通りも少ない。道端に腰を下ろし、呑気にも四度目のあくびをして、ふと彼女のことを考えた。
風が吹く度に傾き、嵐が来たらばらばらに崩れそうな、ほとんど誰も寄りつかないおんぼろな小屋。マミが住んでいたその小屋にある日、マミのお母さんがおっきな奴を連れてきた。
そのおっきな奴はなんていうかもう本当に大きい。ぼくよりもよっぽど大きいマミの倍くらいあるんじゃないかと思うほどなのだ。