この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十五ヶ条at BUN
この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十五ヶ条 - 暇つぶし2ch60:「生物」「心」「教師」
11/02/06 22:23:51
時間が出来ると良く考えるがいまだに答えは得られない。

 恐怖や、喜びといった感情はどうなのだろうか?
親子の繋がりは?インプリンティングは心につながるのだろうか?

 知識や感情が心だというのであれば、サルや多くの生物がそれを有している。
しかし、人のそれとは違うと思う。

 言葉が心である、確かにそれは納得できる気がする。
日本語と英語で思考すると別の結果になりそうだ。いや、むしろそれは宗教か?
神の生贄になることが最高の名誉という事もあったそうだ。

 結局、心というのは、本能と生きるための方便なのかもしれない。
正義と悪も世界が変われば逆転する。

なんと移ろい易いものだろうか?
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 だから教師である堅い両親が俺に禁じた「してはいけない」いろいろな事が
「積極的におこなう」事になっても、それは人として当然のことであり
なんら心に引っ掛かりを覚えるべきことではないと思っていた。

 しかし、子供が出来てみると、俺が親と同じようなことを考えていた
俺にとって「積極的に行う」事は、子供にとっての「してはいけない」事になった

なんと移ろい易いものだろうか?

次は「廃墟」「ムササビ」「人工衛星」でお願いします



61:名無し物書き@推敲中?
11/02/06 23:39:12
「神の目ってなぁに?」商店街での夕飯の買い物途中に小学校三年生になる娘が突然尋ねてきた。
「さぁ?どこで聞いたの?」変な事を聞く物だなと思いさりげなく尋ね返してみた。
「悪いことをしても空から神の目が見てるぞって言われたの」娘の目は逸らされている。何か隠し事でもあるのだろうか。
「誰に?」気の無い振りして大根を手に取りそっけなく答える。
「……知らないおじさん」少しぶすくれたその表情が気にかかる。

人工衛星搭載のカメラはその唇を尖らせた表情を拡大し、男の下へと高画質で届けた。
「あー、やっぱり。言っちゃったか。駄目だよって口止めしたのになぁ」ニヤニヤと笑いながら男の人差し指は赤いボタンを押した。

「何か悪いことしたの?」私は少し心配になった。
「してないよー。別にー。」この頃自分に都合の悪いことは正直に話さなくなった。
ますます難しい年頃になるのだろうなと思うと気が重い。しかし家に帰ったら話をしなくてはならないと自分に言い聞かせる。
「他は何買うの?」「今日は、これでおしまい。」「ふーん……。あ、ねえ見てリス!」気の無い返事を返した娘の視線が頭上に向く。
釣られて見上げれば電線の上には茶色の小動物が居た。帰化が問題になっていた台湾リスだろうか。
そのリスと目が合ったような気がした瞬間、私達のほうに飛び降りてきた。
「きゃっ!」思わず顔の前を手でかばう私達の頭、すぐ近くをすべる様にして飛んでいった生き物は着地の際ニヤッと笑ったように見えた。
「もーやだー。何あれ」「リス、じゃなかったわねぇ」ため息をつきながらぶつからなかった事にほっと胸をなでおろす。
「モモンガ?」「ムササビかもねぇ。後で調べましょう」居間においた動物図鑑を思い出しながら言った。
「お母さん。私にお豆腐切らせてね」「あら珍しい」そんな他愛無い話をしているうちに私は娘の隠し事をすっかりと忘れてしまった。

「おかーえーりぃー」廃墟の中、モニター群の前に座る男が一人。ドアの隙間に向かって声をかける。
「ちゃーんと、脅かしてきてくれたねぇ。いい子いい子。」男は走りよってきたモモンガの背を愛おしそうに撫でた。
「じゃ、明日またあの子と話をしないとね」男はそうつぶやくと黄色い歯を剥き出しにして笑った。

次は「蜂蜜」「ふわふわ」「白衣」でお願いします。


62:名無し物書き@推敲中?
11/02/07 00:14:03
「どうだった?」
戻った僕に彼女が無線越しに聞いてきた。機械を通して届く彼女の声は、感情が抜き取られているように感じた。
「だめだった」
「そう……」バイザーの奥の瞳が翳った。
彼女はかろうじて一つだけ壊れていなかったデスクチェアから立ち上がって、今ではテラスと化した窓際に立った。
時刻は午後5時。地平線まで続く街のむこうに今しも太陽が沈もうとしていた。
いつもなら仕事を終えた人々の車でハイウェイは渋滞し、歓楽街のネオンが瞬きはじめて寄り道を誘う。
そんな一日の終わりにふさわしい賑わいに包まれる頃合。でも、今日の街は静かだ。
僕の横で街を眺めていた彼女が、柱に凭れてかすかに息をついた。その吐息も電気信号に変換されて僕の耳に届く。
もう二度と彼女のあたたかい息を直に感じる事はできないのだろうか。
ぼんやりとそんなことを考えていると、不意に彼女が、着ている放射線防護服の横脇をつまんで、
ごきげんいかがとスカートを広げるような仕草をして言った。
「ムササビ」その突飛な行動に僕は思わず笑い出す。
「何だよ、それ……」
「だって、似てるでしょ? 前からそう思ってたの」彼女も笑い出す。
無線のレシーヴァーに彼女と僕の笑い声がこだまして、消えた。戻ってきた静けさがふたたび僕たちを隔てていった。
彼女が突然ヘルメットのボタンに触れた。パシュ、と気密の破られる音。
「マリ!」
「いいの」彼女の髪が外界のかすかな風に躍る。
「もう、いいの」
「……」
「こんなことなら、お気に入りのドレスの一着でもロッカーに入れとけばよかった」
「……」
「そう思わない? この、ださい服」
夕日に満ちた廃墟の中でそう言って笑う彼女を僕は抱きしめた。頬に彼女のあたたかい息を感じた。
人工衛星が、すみれ色に染まっていく空にちかりと瞬いた。
彼はこの尽きていく特別な夜を眺めるただ一つの眼となり、また、いつも通りにやってくるであろう
あくる日の、すべてが静寂に包まれた新しい世界を見ることになるだろう。
凍った眼で。

かぶったけど書いちゃったから投下させてくれ
お題は前の人のを継続で


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