この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十五ヶ条at BUN
この三語で書け! 即興文ものスレ 第二十五ヶ条 - 暇つぶし2ch15:「星座」「鴎」「相撲」
11/01/18 22:39:23
 仕事や人付き合いに失敗した俺は何となく旅にでた。
寒いのは嫌だったから南に向かったつもりなのに、さっきまで雪に降られていた。
「沖縄にでも行けばよかったなぁ……」
 日も沈み、騒々しかった鴎(かもめ)もいつの間にか何処かに行ってしまった。何となく、余計寂しく、心細く、寒くなった気がする。

 つい先日振られた相手は、誰が何言おうと自慢の彼女で、メールよりも手紙が好きだといった古臭い趣味を持っていたが、それさえも好きだった。だから自覚のある無しにかかわらず、いろいろとしてきたつもりだった。いや、間違いない、してきた。

だけど
「あなたががんばってくれたのは知ってる、私が好きなものを理解してくれようと
してたのもわかってる。でも、なんていうのかな?梅の花が好きと言ったら、梅酒をもらった……そんな感じ?多分これからも、私の好きなものをあなたは理解したつもりで、わかってくれないだから、もう分かれましょう」

 それが答えだった。
俺のしていた事は一人相撲だったって事だ。
「酒飲んで寝よう」
 防波堤から立ち上がり、気持ちを回りに向けると何故か明るくなった気がする
何となく雪を降らせていた雲が薄くななっていく様を眺めていると、雲の裂け目からプラネタリウムでしか見たことがない量の星が集まっていた。
「天の川……」
 ミルキーウェイを「乳道」と約して彼女に怒られたことや、彼女に合わせるために星座を覚えたこと、いろいろなことを思い出す。だけど、いつのまにか雲は流れていった満天の空の様に全て忘れて見入ってしまった。

 あまりにも圧倒的で、強く、今にも降って来そうな空
星の光が囁いている……聞こえないけれど、星が歌っている、そんな空だった
 何となくだけど初めて彼女がわかった気がする。

「へっくしょん!さむ……宿に戻るか」
僕は無性に手紙が書きたくなった。

次は「安宿」「迷子」「崖」でお願いします


16:名無し物書き@推敲中?
11/01/19 00:38:12
火星の安宿でエウロパ鍋を食べながら、
その鄙びた部屋の一角に目を留めた。
床の端になんだか嫌な、原始的な警戒感を抱かせる染みが付いているのである。
血の跡…ガソリン…?
よくはわからない。パラジロマイトのようにも見えた。
そして遠目に見ている私を包む様に部屋全体が歪んで行く感覚を覚えた。
鍋にアレルギー物質でも入っていただろうか?
よろめきながら足を出すと床は思わぬ角度で払いのけ、
頭を打ち据えられた。
部屋全体が染みに包まれていた。
身動きできぬまま、私は世界と切り離され迷子になった。
窓は曇り、部屋は揺れていた。
やがて第13宇宙速度を突破したとのアナウンスが入った。
連邦条約で禁じられていた機能だ。
非常にまずい。
法で罰せられるのではない。
その速度に僅かでも達すると宇宙の端まで行ってしまい、崖から落っこちるのだと言う。
無論、本当に崖の様になっているはずはないが、誰も到達した事がないのでわからないのだ。
正確には宇宙の崖から落ちた者は帰って来た試しが無いのでどうなっているのか誰も知らない。
宇宙物理学でも解明されて居ない。
あれはあくまでも宇宙の内部の法則しかわからないのだ。

やがて部屋の揺れは収まった。
私はもう何年もフードプリンタから出力されるエウロパ鍋を食べながら、「今日は外に出てみようかな?」などと考えて居る。

「カナリヤ」「激突集会」「中華料理」

17:「安宿」「迷子」「崖」
11/01/19 00:53:10
「いらっしゃいっ……、と」玄関の引き戸の開く音に顔を上げた番頭は言葉をつまらせた。
どうにもこの安宿に一人で泊まりに来るはずのない姿が立っていたからだ。
「お嬢ちゃんどうしたの?なんかあったの?」それでも受付から出て少女の前に立つ。
ランドセルを背負った姿から近所の小学校からの下校途中だろうと判断したのだ。
「あの、すみません。ここに大野木さんって人泊まってますか?」少女は顔を上げて尋ねた。
「お客さんかい?いやー、今はそういう名前の人はいないねぇ。どんな人だい?」番頭は後頭部に手をやりながら答えた。
「髪の毛が薄くて、ちょっとお腹が出てます。あとメガネかけてて、チェックのシャツ着てリュックしょってると思います。」少女は淀みなく答えた。
番頭はそのオタクっぽい男の風貌に少し心配になって屈み込んで声をひそめて尋ねた。
「……お嬢ちゃん。その男になんかされたのかい?」
「何かって何ですか?」その反応に被害者ではないようだと安堵する番頭だが答えに困ってしまう。
「うーん。先生とかいうだろ。気をつけなさいって。ほら、そのー、な?」子ども相手に直接的なことを言うのは憚られ言いよどむ。
「この前の常田の方の事件ですか?」隣町でおきた事件のことだ。低学年の子が変質者に襲われ、崖の上で落とすぞと脅されて悪戯されたのだ。
「そう、そういうことだ」やっと話が伝わり一息つく。頭頂部が薄くなった頭をがっくりと落とす。
「違いますよ。」少女はくすり、と笑った。「昨日、迷子になった時助けてもらったんです。九州から自転車で来たって言ってたからこの辺に泊まってるんじゃないかなって思って」
少女は別段不審を感じた様子もなく言った。もう一度お礼を言いたかったのだという。
「うーん自転車ねぇ。残念ながらうちには来てないな」「そうでしたか……。ありがとうございました。」少女は頭をぺこりと下げた。
その瞬間、のっそりとした人影が宿に入ってきた。
「あの~ゔ。ぎょうごごにどめでぼじいんでずげどぉ~。へやあいでまずかぁ~」
番頭がぎょっと目を見開いた、その時少女が笑顔で振り向いた。
「あ!大野木さん!やっぱりいたんだ」だが番頭はどうやって気づかれずに警察に通報するかを考えていた。
胡散臭さからではない。男の顔は常田の事件の人相書きそのものだった。
次は「硝子」「九つ」「灯」

18:17
11/01/19 00:54:00
すみませんリロードしてませんでした。次は「カナリヤ」「激突集会」「中華料理」で


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