10/11/18 23:52:37
暇なので、感想を述べさせてもらうね。
過去に立ち帰って、人生をやり直すっていうのは、安易なんじゃないのかな。
今回の水嶋ヒロの作品を考えないでいえば、わたしだったら人生をやり直す
という設定にはしないな。それじゃあ、生と死の重みがなくなってしまうもの。
同じ過去に立ち帰るんでも、今まで歩んできた生き方と違う生き方をしている
自分の姿を見せつけられた方が衝撃は大きい気がするな。
違った生き方をしている自分を、他人の視点で見ているわけだ。もちろん、今ある
地点に立っての視点だけれどもね。
設定としては、違った生き方をしている自分を、見ている自分が気づかぬように
黒尽くめの男に繰られている方がいいね。読者にも最後まで教えない。
それで、今の地点まで歩んできた男の生き方の視点から、もう一つの可能性だった生き方を
批評させるわけだ。当然に人生における重要な分岐点がある。そこの葛藤を深く抉って
いく。徐々に、男はもうひとつの可能性としての生き方に目覚めていく。
そのときに、黒尽くめの男が、「あの生き方をおまえはできたんだ。それをしなかったのは
おまえだ。あれは、あるべきおまえの姿だったんだ」と言って姿を消す。
そこが冒頭の自殺のシーン。さて、そこから男はどうするか。そのまま自殺するのか
それとも……。
わたしなら、こんな風に書くけれどもね。どうだろう？