10/12/13 10:36:02
「勝ったな、しかも大勝だ!文学賞ビジネスの新しい形をつくった!」
新聞は「KAGEROU」の好調の売れ行きを各紙とも報じた。おめでとうございます!社長!と
部屋では一斉に拍手が鳴り響いた。うんうんと頷く社長は、心底満足そうに顔をほころばせた。
「ここまでは成功だ!大成功だ!しかし、勝負はここからだぞ!おい、アマゾン班、ぬかりなく
アマゾンの書評を出せよ!100個以上のの評価5を最初から出せよ!それからな、書評だ!
テリー伊藤には今度本を出させる約束をしてあるから、まずは良いことを言わせておいた。後は
大森、とよざきのぶった切りコンビは、今度の文学賞ぶった切りで70点以上の書評をつける
ように念を押しておいたから大丈夫だ!うちで文章を書いた奴らには、全員きっちり連絡を入れて
おけよ!恩は十分に売ってある!2chは適当に構っておけ!所詮奴らには何もできんからな」
ひひひ、と身近で聞いていた伊刈は笑った。
「あいつら、悔しがってますよ!本当に、もう哀れな奴らです。あいつら水嶋と同じ気持ちで
いやがるんだ!いまだにデビューもできないようなやつらがねえ?」
部屋は大爆笑に渦に包まれた。社長も楽しそうに笑っている。
「夢を見られただけでもありがたいと思えってんだ。なあ?くそ素人が本を出して金儲けを
しようとすること自体がずうずうしいってんだ!けっ!」
社員はみな一様にうなずいた。しかし、事態は必ずしも社長の思惑通りに進まなかった。(続く)