10/08/19 20:05:46
何故蜘蛛と蛾なのか、といえば説明はできない。理由がないからだ。
そもそも俺は小説を書くとき感覚だけを信用して書く。
そうしなければならないのは、俺個人の小説観に因るんだが、
「どうしてか面白い小説」が俺は好きだ。
普段の読書でも「意味」を考えることはないし、推理小説を読んでも犯人を推理しながらは読まない。
小説内で起きていることをそのまま受け入れる姿勢が俺のもっとも自然な読書なんだな。
結末に関しても特別な興味はなく、いくら興奮しててもその時点で満足がいけば、躊躇せず本を閉じる。
仮にベスト10を挙げるとして、もしかしたら半分くらいは読了してない本かもってくらい。
部屋が暗いから暗い色が似合う蜘蛛と蛾を登場させた。多分そんな無意識的な思考が働いたんだろう。
俺が好きな小説にそういう仕掛けがないかといえば決してそんな筈はないだろうし、
俺が気付いてないだけなんだろうが、
俺がそれを実践出来なかったのは仕掛けをどうしようかと考えなかったためではなく、
その前段階、普段の思索が未熟であるからだと考える。
それがつまり「下手」だと言われれば、全くその通りで、つまりつまり下手だと思う。
だけど同時に、感覚に任せた書き方が作者の予想しない解釈を生むことも当然有り得ることで、
漠然と作中にただよう作者の思考を読み手が感じる作品が書けるなら、というところを俺は目指している。
逆に、それを書かないと意味がない。