10/05/25 13:32:55
―気づくと、私は海の中にいた。目の前にはあの女性がいる。
腰まで届きそうな長い黒髪を漂わせ、美しい裸体を惜し気もなく披露し、
エメラルドグリーンに輝く鱗に縁取られた優雅な鰭。彼女はとても美しく、
満面の笑みを浮かべて私を手招きしている様は、まるで一幅の絵のようだった。
私は彼女触れたさに歩み寄ろうとするが、一向に前へ進めない。
そんな私を冷やかすように、彼女は妖艶な微笑を浮かべながら私の手を取り、海の底へと導いていく。
まるで風が吹いているかのように後ろへと靡く長い髪から
覗く美しい横顔に見取れていると、いつの間にか海底にたどり着いていた。
周りを漆黒の闇が彩る海底で、まるで灯台の常夜灯のように、
仄かに光る彼女の姿は、抗いようのない魅力に溢れていた。
彼女は艶かしい表情を浮かべながら、ゆっくりと私に近寄ってくる。
彼女が欲しくて堪らないのに、私の体は石のように動かず、
亀のようにゆっくりゆっくり近づいて来る彼女を見ているうちに、
燃え上がる情欲は押さえようもないほどに高まり、もどかしさに気が狂いそうだった。
彼女はゆっくりゆっくり近づいて来る。後少し、もう少し。彼女の唇、彼女の胸、彼女の―
―あーあ、まだ次の獲物は来ないの?私もう死にそう・・・・・・。
―おやおや、しょうがない子だねえ、もう少し辛抱強さを身につけてほしいよ、まったく。
―あら、私はお婆ちゃんと違って育ち盛りなのよ、辛抱強くしてたら干からびちゃうわよ。
―そう思うなら、今度からはゆっくり味わいな馬鹿娘。
―言われなくてもそうするわよ、このくそば―あ、見て見て、獲物よ、獲物が来たわ!
―おや、ほんとだね。そらそら、準備だよ馬鹿娘。今度はゆっくり味わいな。
―分かってるわよ、お婆ちゃん♪