ワイが文章をちょっと詳しく評価する![3]at BUN
ワイが文章をちょっと詳しく評価する![3] - 暇つぶし2ch467:評価をお願いします
10/08/18 10:49:41
ネットで発表している小説、『暗闇のカオルと閉ざされた記憶』の一部抜粋です。
もっと文章力をつけたいので、評価して頂きたく思います。

 カオルは大きく前傾すると、全身の力で地を蹴り、そこまで近づいているマリーに自ら突っ込んだ。
 それを見て、マリーは顔に一層の怒りを浮かべ、前傾姿勢で駆け出しながら叫んだ。
「ぶっ飛ばす!」
 直後、わずか数歩で全速まで加速した二人は、激しい疾風を身にまとって同時に踏み込むと、全ての力を込めた拳を放ち合う。
 極限まで高まったカオルの集中力は、影絵のような視界の中に、空間のゆがみとしか見えないその一撃を確かにとらえた。
 カオルは瞬時に顔をかたむけそれを眼前でやり過ごしざま、駆け抜けた烈風でぼやけた視界にかまわず、相手のみぞおちめがけ会心の拳を打ち込んだ。
 すると、かげろうのようにゆれるマリーの体を、カオルの拳があざやかに貫通したかに見えた瞬間、手応えのなさで体勢を崩したカオルが、驚き顔でそのままマリーに突っ込むと、なんと、マリーの体は霧散して消え失せた。
 ─バ、バカな!
 あせったカオルは即座に周囲を見渡す。だが、マリーはどこにもいない。
 だが、カオルを突き抜ける強烈な殺気。
 寒気のような敗北の予感がカオルの全身をぞくりと駆け抜けた。その時。
 それは直接心に響いたように感じた。
 男のものか、女のものかもわからない。もしかしら、自分の直感が発したものかもしれない。だが、確かに聞こえた。視覚以外の感覚が消失しているはずのカオルに、はっきりと聞こえたのだ。上にいる、と。
 とっさにカオルは上を見上げた。
 鎮守の森を背にした石の鳥居の上、うす暗い空の下、黒い影がはやぶさのごとく急降下して襲い迫る。
 カオルは、さっきのが残像だったと気づく間さえない。しかし、白黒の映像でマリーの動きを一瞬でとらえると、天を撃ち落とすかのごとく、全身を使って拳を打ち上げた。
 空気を震わせ打ち破るマリーのひざと、風を切り裂き貫くカオルの拳。その二つが交差した瞬間、体の中心を撃ち抜かれたマリーが、二つに折れ曲がって空中に弾むと、地上にどさりと落ちて、砂利を激しく飛び散らせた。


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