ワイが文章をちょっと詳しく評価する![3]at BUN
ワイが文章をちょっと詳しく評価する![3] - 暇つぶし2ch457:名無し物書き@推敲中?
10/08/07 04:01:28
 街頭に照らされ、暗闇から降りてくる冬雨がキラキラと光りながら
アスファルトに落ちて静寂を掻き消す。男は深く息を吐き、その白い息を無言で眺める。
人気の無い路地裏で壁を背にして、黒いベストの内から取り出した弾を拳銃に装填すると、
辺りを注意深く伺いながら意を決したように勢い良く壁から離れ、歩を進めた。
しばらく行くと高架橋があり、男はその高架下で雨宿りをして一息ついた。
ポケットから取り出した煙草に火を点け一服していると、男はたまらない虚しさを感じたが、
それを塗り潰すように煙草の煙を大袈裟な程勢い良く吐いた。
 
 男の脳裏に、にっこりとこちらに笑いかけ、首を傾げる女性の姿が過ぎった。
その途端、血が凍り、腹の底に凍傷を起こすような憎悪が湧き上がり、
叫び出したくなる衝動が渦巻いたが、歯を食いしばりそれを必死に押し殺した。
男が煙草を捨て、顔を上げると高架の向こうから、コツン、コツン…と足音が聞こえてきた。
アゴを上げ、見下ろすようにこちらを睨めつけながら闇の向こうから黒尽くめの男が現れた。
全身から威嚇する獣のような危険な臭いを発していたが、そのこちらを睨めつける視線の奥からは
まるで道端のゴミを見るように、なんの感情も感じられなかった。

 黒尽くめの男は鼻で笑うように笑みを浮かべ、「僕ちゃん、復讐ごっこはもうお終いだ」と言い、同時に
何のためらいもなく狂気めいた笑い声を上げながら発砲してきた。男も叫び、黒尽くめの男に向けて撃ち返した。
互いの叫び声は雨の音に掻き消され、高架下の外に銃撃音だけが鳴り響いた。

 高架下の闇の中から氷雨の中へ出てきた男は、重い足取りで闇の中に消えて行った。
高架下には黒尽くめの男が倒れていた。


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