10/05/21 11:08:36
一条の光さえ差さない、闇に彩られた牢の中で、無意味に生きる私という存在は、畜生にも劣る卑劣で矮小な人間だ。私が人間であるならば。
人生とは、なんと儚いものなんだろう。私の前に突然現れ、ただ通ることを余儀なくさせた茨の道。
一度轍を踏んでしまった以上、引き返すこともできず、風のように流されるまま、私は歩んだ。
黄昏に染まっていたあの道は、進むにつれ、暗い陰湿な道へと変わり、所々突き出た茨が、私を容赦なく痛めつける。
道が暗くなるにつれ、私の心に闇が巣食い、要所要所で私を痛めつける茨の棘が、徐々に精神を侵食し、狂気へと駆り立てていく。
いつからだろう。それまでは感じられるだけでよかった私の憧れが、欲しくなったのは。
私にとって、カナはお星様だった。遠巻きに眺めている事しかできないこの孤独に歪んだめには、
とても美しく眩いて見え、けっして手の届かない綺麗な星に、私は胸を騒がせる。
最初は、ただ見ているだけでよかった。あの出来事が私に禁断の果実を味わわせ、徐々に私を支配するまでは。
それは突然やってきて、私に驚きと喜びをもたらした。私たちを結ぶ過去のトラウマが、カナを陰にし、私を陽に立たせた。