10/12/18 03:48:30
実売がどの程度あるのかわからないけれど、
この本がもし本当に売れているのならば、
やはり読者の「見る目」が失われているということだろう。
著者の知名度【だけ】にすがって、ろくでもない本を出版社が出す、
というのは昔からよくあったが、さすがにあまりにもひどい本は、版元が
予期したほどは売れない、という現象がかつてはあった。
今はそうではない。
「教養主義の消滅」が生んだ弊害。
昔は、本に関心ある人なら、読まなくても一応『○○名作文学全集』
のたぐいを書棚に揃えたし、またそういう層をねらって文学全集が
よく出版された。全員が全冊を読む訳じゃなくても、いわゆる「読書層」が
名作によって「見る目」を養われた。
今はそういうのが全くない。
広漠とした「本を見る目なき大衆」の砂漠が拡がっているだけ。
本のレベルも落ちるわけだよ。