11/01/17 20:44:24
他作品については点数の低い順に討議が行われた。
まず、穂田川洋山さんの『あぶらびれ』について、
釣りに関心のある人については面白い読み物だが、
そこから外の読者に対して広がらないことが物足りないと評され、選外に。
次に、小谷野敦さんの『母子寮前』は非常にベタな私小説のスタイルで、
末期がんの母親の看病という切実なテーマながら、
自己批評が欠落しているのではないかと指摘があり、選に漏れた。
田中慎弥さんの『第三紀層の魚』は、
これまでの作品と比べて非常にウェルメイド(そつのない良作)で読みやすいが、
逆に低く設定したハードルをうまく飛んだのでは、
といった疑問もあり、過半数の支持を集められなかった。