10/10/15 22:32:25
宇宙航空研究開発機構が、日本人飛行士を米国から順次撤退させ、訓練拠点を日本に移すことを決めた。これを受け、まず今春飛行した山崎直子さん(39)が今月、家族と帰国した。
来年、米スペースシャトルが退役し、乗組員訓練が不要になるためで、他の飛行士も予定の飛行後、帰国させる。欧州宇宙機関(ESA)も拠点を欧州に戻しており、世界の有人宇宙活動の米国離れが進んでいる。
宇宙機構が14日発表した。すでに1日付で、山崎さんの拠点を国内に移す辞令を出した。山崎さんは今後、茨城県つくば市の筑波宇宙センターを拠点に宇宙飛行の経験を生かして、実験機器の開発や宇宙政策などの助言をする。
来年以降に国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する古川聡さん(46)や星出彰彦さん(41)らも飛行後に帰国させる。ただ、米航空宇宙局(NASA)の部門長に就いた若田光一さん(47)は米国にとどまる。
宇宙飛行士は、シャトルの訓練が不要になる一方、ロシアのソユーズ宇宙船の操縦や不時着時のサバイバル訓練などロシア滞在が増えていた。宇宙機構は2009年秋、ロシアに事務所を開設、米フロリダ州の事務所を今夏に閉鎖した。
シャトルの後継に、オバマ政権は民間が開発するロケットを使う方針。だが、信頼性確保や完成時期も不透明で、米国の有人宇宙船は空白が避けられなくなっている。
宇宙機構の立川敬二理事長は「今後は日本で訓練し、飛ぶ時にロシアへ行くことになる。飛行士が国内にいると知恵も借りやすい」と話した。
山崎さんは今年4月に初飛行。シャトルでISSへ実験機器などを輸送する責任者を務めた。山
崎さんは再び宇宙に行く意向を強く持っているものの、新しく採用された3人の飛行士候補もISSに長期滞在する予定で、次の飛行機会は当面ないとみられていた。