11/04/23 00:42:51.51 YsFBUmNr
俺がそいつと眼を合わせているうちに後ろを自転車が軽快な音を奏でながら通り過ぎていった。そ
れに乗っていたおじさんは俺と段ボールに訝しげな視線を向けながら夕陽の中に消えていった。
「…………」
そいつと見詰め合ってるのに、おじさんの事がわかるのか
221:この名無しがすごい!
11/04/23 00:43:24.78 YFnAhocp
PS
妖精は小さいとあったが
それは人としてあり一応あり得るサイズなのか、明らか人ではないとわかるサイズなのか気になった。
222: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/23 00:44:23.93 YsFBUmNr
俺は無言で踵を返す。いつまでもここにいたら警察が来たっておかしくない。面倒な事になるのは御免だった。
「これこれそこのお兄さん。ちょっとお待ちなさい」
舌打ちを鳴らし、足を止める。やはりそうか、眼を合わせてしまったのがいけなかったのか。
このまま無理に帰ってしまっても後で何か面倒なことになりそうな気がする。仕方なく俺は振り返り、そいつと再び眼を合わせた。
「……何だよ」
「ほれ、ここ」
段ボールから身を乗り出し、そいつは貼り紙を指さしてきた。相変わらずの無表情が癇に障る。
「……そんなのは見りゃあ分かるんだよ」
体と声を震わせながら、俺は言う。いや、見ず知らずのやつにいきなり怒鳴り散らすのは不味いだろう。
何とか、何とか怒りを抑え込むんだ。
「私を拾って下さい」
「断る」
「理由は?」
「聞くまでもねえだろッ!」
もういい、こいつには怒鳴り散らさなきゃいけない。そう思ったのだ。
「何で俺がお前を拾わなきゃいけねんだよッ!」
「ほれ、ここ」
そしてそいつはまた貼り紙を指さした。
「だからそれが胡散くせえんだっつうのっ」
「安心して下さい。あなたは必ず幸せにします」
「ここに多分って書いてあるだろうがッ!」
「…………」
この辺は面白い
223: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/23 00:47:22.33 YsFBUmNr
俺に言われてそいつは貼り紙を今一度見直していた。そしてもう一度俺に向き直って、こう言った。
「ケアレスミスです」
「絶対に違うだろッ!」
叫び終わって踵を返す。もうここにいる理由はないのだ。
「じゃあなっ」
「これこれ、話は終わってませんよ」
「終わったんだよっ!」
「では、あなたの願いを叶えるという具体的な根拠を言いましょう」
「…………なんだよ、そりゃあ」
突然、そいつは神妙な面持ちになってそう言った。何だ、何かあるのか? 例えばそうだ、めちゃくちゃに金持ち、だとか? あり得ねえだろ。
「それは……」
「……それは?」
「……私が、妖精だからです」
「…………はあ……」
俺はそいつの言葉を聞くとため息をついて携帯を取り出した。ここであったのも何かの縁だろうしな。
「……分かった。ここで会ったのも何かの縁だ。救急車ぐらいは呼んでやる」
「その証拠として―あなたの名前を当てましょう」
「……何?」
何言ってやがんだ、こいつ。そんなの分かるわけねえ。俺はこいつのことは知らねえし、そんなの分かるわけが……。
「土方巽(たつみ)さん、ですね?」
「なっ……!」
確かに、そうだ。俺の名前は土方巽だ。だが、何故こいつがそれを知っている。まさか、こいつ本当に……。
「ここから歩いて五分ほどの赤い屋根の一軒家に住んでいます。家族は妹と自分を入れて四人」
「お、お前、本当に……?」
何で、俺の家族構成まで知ってやがるんだ。そんなの知ってるわけがねえ。
「……というのを、先ほど通りがかった女の子に聞きました」
「……は?」
ライトのベルっぽくて面白い。良い書き方だ
224: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/23 00:50:16.93 YsFBUmNr
「先ほど歩いていた女の子に拾って欲しかったのですが、絶対に拾ってくれる男がいるからそいつに頼めって言われました」
「……ああそう」
この訳の分からないやつの言葉を聞きながら俺はある確信を抱いた。俺をこんな訳の分からないやつに売ろうとするのはあいつしかいねえ。それしか考えられねえ。
「そいつの特徴は?」
「特徴ですか。茶髪で胸が大きくて鈴を首につけていましたね」
決まったわ。そんなやつで俺の知り合いといったら静(しずか)しかいねえ。それ以外あり得ねえ。あの野郎、余計な真似しやがって。
だが、そんなことは関係ない。
「そうか、ならそいつが通りかかるのを待つんだな」
そう言って踵を返そうとした俺に、そいつは一枚の写真をちらつかせてきた。まさか、あいつ、そこまでやるってのか?
「お、お前、それは……」
「何だか、その女の人がこれをちらつかせれば完璧だって言っていたので」
その写真は俺の黒歴史。つまりは消し去りたい過去だ。俺が子供のころ、好奇心で妹とお医者さんごっこをしていた時の写真だ。幼馴染である静は写真を撮りながら悪代官のような笑みを浮かべていた。
が、当時の俺には全くわけが分からなかったのだ。
あの時にネガを奪っていればと、今でも後悔している。
こうなったら、先手必勝しかない。俺はそいつが手に持っていた写真を奪い返すため飛びかかろうとした。
「それを渡しやがれッ!」
「きゃあッ!」
俺はそいつの叫び声を聞いて体を止めた。冷静に考えてみれば、俺がこいつを襲おうとしていると見られても不思議はない。
俺が豹変した自称妖精の態度に戸惑っていると後ろの方からひそひそとした小さな声が聞こえてきた。振り返ると買い物帰りであろう主婦の皆さま方が俺を蔑むような眼で見ながら井戸端会議を繰り広げていた。
当然話題は傍から見ればこいつを襲おうとしているように見えなくもない俺についてだろう。とにかく今はこの状況をすぐに打開しなければならなかった。気は進まないが。
「……分かった。分かったっての」
「初めからそう言えばいいのです。このウスノロ」
「……お前な……!」
そいつは段ボールの中から体を起こすと、そんなことを言ってきた。
キャラ安定していない
225:この名無しがすごい!
11/04/23 00:53:47.08 62AruH0s
>>216
プロローグの終わりまで読みました
後は流し読み
多分主人公のキャラクターに試行錯誤してるのだと思いますが
現状だと一人称の地の文がスベってる芸人のような感じがして魅力がなくなってしまってます
沈着冷静か優男で良かったんじゃないかなあと思いました
キャラクター、ニーアはオリジナリティが感じられて良いんですが、静と妹がテンプレすぎてちょっとつまらないですね
ひねりがほしいところ
構成は全体的にやはり淡々とした感じですかね
読者の目を引く要素を序盤からもっとたくさん配置しないと飽きられてしまうと思います
ただセリフの掛け合いはセンス良いと思いました
226: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/23 01:01:22.40 YsFBUmNr
とにかく、この自称妖精を俺はどうにかしなければならなかった。
俺の家はニーアが言った通り、俺とお父さんとお母さんと妹の四人家族だ。街の中の閑静な住宅街にある俺の家は、
その豪華というか立派さから嫌でも目立ってしまう。父さんの趣味であるが、和風な外観だ。
敷地の周囲に俺の背丈ぐらいの塀がある。さらにヒノキで出来た立派な門。その脇には雄々しく育った松の木があるくらいだ。
この辺りで一番目立ってしまうのは無理もない。俺は家に帰るのが正直に言って苦痛だった。なんていうか、父さんの凄さを玄関を潜るとき毎回思い知らされてしまうからだ。
医者の父親。
普通に考えれば立派な親、ということになるのだろう。こんな豪華な外観の家を建てるくらいだ、お金に困ったという記憶は少なくとも記憶の中にはない。
でも、俺と両親は結局別なのだ。俺は医者になりたいわけでもないし、弁護士になりたいわけでもない。何にも、なりたくない。
ここはライトのベルっぽいワンパターンさがマイナス
227: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/23 01:02:48.21 YsFBUmNr
俺はいつものように足取りの重い帰り道を、さらに重い足取りで歩いていた。もうなんか足に鉛が付いていてもおかしくない速度だろう。
「ここが巽の家ですか」
俺の後ろには自称妖精のニーアが付きまとっていた。
先ほど、俺に訳の分からない告白をしてきたニーアは茫然とする俺に、詳しいことを話したいから別の場所で、なんてまるで刑事ドラマのような口ぶりで俺の足を動かしていた。
俺は、言われるがままニーアをここまで連れてきてしまったが、本当によかったのだろうか。
だって、妖精とか言うんだぜ?
怪しすぎる。
そもそもこいつは何で段ボールの中なんかにいやがったんだ?
考えれば考えるほど怪しい。
「ん? どうしたんですか?」
ニーアは俺にそんなことを尋ねてきた。
俺は振り向かず、しばらく考えた。
いや、やっぱまずいんじゃ
連れて帰らなければならなかった理由をもっと工夫
228: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/23 01:08:18.09 YsFBUmNr
「げって何よ、げって」
不満げな表情を浮かべながら静はそう言った。
―青木 静。
俺の子供のころからの幼馴染だ。周りの男どもに聞けば十中八九が美少女と答える、そんな女。だが、そうだ、名前の通りに少し静かにしていれば可愛げもある。
俺以外には静は理想の姿を演じている。優等生で大人しくて、可憐な女の子。が、こいつの本性は、真正のドSなのだ。
「てめえ、何人の家に勝手に上がってやがんだよ」
「今更? 半分私の家みたいなもんじゃない」
「お前な、親しき仲にも礼儀ありって言葉を知らねえのか?」
「何であんたに礼儀を払わなくちゃいけないのよ、バカじゃないの?」
「くっ……!」
拳を握りしめ、静の暴言を何とか耐えしのぶ。先ほどニーアにも同じような暴言を吐かれたせいか怒りのボルテージが頂点に達しそうだ。
今は我慢の時間帯だ、俺。
どSとはいえないレベル
229:この名無しがすごい!
11/04/23 01:15:30.04 S5Q20aus
途中までしか読んでないけど、216は一人称なのに第三者の視界で物を見て書いてるから変な矛盾がおきてるね。
上でも指摘されてるけど
「銀髪の少女を見つめてるのに自転車で後ろを通り過ぎるおじさんの表情がわかってしまっている」
ここに一番よく表れてる。
230: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/23 01:19:24.75 YsFBUmNr
216は会話文は悪くない。
そこは褒めておこう
231:この名無しがすごい!
11/04/23 01:59:59.12 WtuWY3Y/
>>216
ではまず求められた2点から
・文章は下手ではないか
下手だとは思いません
・冒頭の段階で飽きはしないか。
幼なじみとの会話劇が始まったところで徐々に飽きてきました。
ここからは個人的な感想ですので必要無ければ飛ばしてください。
他の感想人とは逆の評価になってしまうのですが会話劇にセンスを感じませんでした。
同じく、一人称のキモである地の文も微妙で、これ本当に一人称の必要あるのかなと思いました。視点の矛盾も上で指摘されてましたし。
あの会話ラッシュさえ無ければ普通に読めていたと思います。
で、幼なじみですがテンプレートな設定の塊を見せつけられてる気分でした。他のキャラクターについては良かったと思います。
232:この名無しがすごい!
11/04/23 07:46:18.87 J5yf5D3e
【アドレス】URLリンク(www5.pf-x.net)
【ジャンル】?
【タイトル】G・S・GAMBLE
【評価基準】ジャンルは何になるか、文章の問題点、ルールが理解出来るかどうか、
面白そうかどうか、それと前に作った作品(迅轟伝、実験時間)を知っている方は
それらと比べてどうかもよろしくお願いします
【改稿】可 ガンガンして下さい
233:この名無しがすごい!
11/04/23 08:07:46.80 Eek8Tnfh
>>216
冒頭の展開はありがちだなあという印象
そして、文章は
>もう高校に通い出してから一年が経った。すっかり馴染んでしまった帰り道で俺はそれを見つけた。夕陽が俺を熱く染めていた。履きなれたプーマのスニーカーが足を止める
この一文を読む限り、全然こなれてない感じ
ってか、冒頭ぐらいちゃんと推敲してください
234:この名無しがすごい!
11/04/23 08:14:09.44 k1i+/7r8
>>216です。沢山の感想ありがとうございます。
えっと>>218の方などが言っていましたが、別にこれはハーレム物ではないんですよね。
晒している部分の最後の方まで見ていただいて展開的にどうなのか、主人公の心理描写は適切か、など教えてくれると助かります。
235:この名無しがすごい!
11/04/23 08:21:37.43 Eek8Tnfh
>>232
くどい くどすぎる
コインを拾うまで、そしてそれがきっかけで物語が動くのに
どんだけいらんことグダグダ書いてるの?
主人公の一人語りが面白ければそれも我慢できるけど
そうでもないし・・・
236:この名無しがすごい!
11/04/23 09:51:11.29 Eek8Tnfh
あと、小説の作法として、感嘆符の後には空白を入れたり
かぎかっこの最後の句読点は省略したほうが読みやすいでしょう
237:この名無しがすごい!
11/04/23 10:20:19.86 ugaV/h6L
>>216
前回の話のギミックを流用したものだね。
淡々とした雰囲気の、少し鬱屈した主人公の話を書くのが好きなのかな?
>・冒頭の段階で飽きはしないか。
飽きはしなかった。
ありがちといえばありがちだけれど、前半部分のずれた会話は好み。
>・文章は下手ではないか。
さほど下手とは感じないが、ときどき変な描写がある。
幸せの価値=幸せの重さが千差万別なんじゃなくて、何を幸せと感じるかが千差万別
なんだろ、とか。
自分で何もしていないのにドヤ顔じゃないだろうとか、外がオレンジ色に染まっていても、
それを布団代わりにはできないだろうとか。(机が染まっているならまだわかる)
荷物を持ってもらうのは戸惑うじゃなくて躊躇うだろう、とか。
買い物袋は抱えても食い込まないだろ、もしかして手に提げてるんでは、とか。
感覚だけで言葉を使わず、文章から直に情景を再現しておかしくないか確認した方がいい。
でも、全体的には描写は良いと思う、というか独特の淡々とした雰囲気に、文章が
あってるのか。
やや平坦になりがちだけれど、小ネタで何とかバランスを保っている感じ。
心理描写は、問題ないと思う。
淡々とした中で、これ以上心理描写を多くするとダレてしまうので、今の雰囲気ならこの
量が限界かと。
描写、イベントなどで、もう少し明るい雰囲気を入れて読者を引きつけ、それと対になる
ように心理描写を増やすのでればOKだと思う。(難しいけれど)
心配なのは、このあとの展開。
前作も、話の解決方法や、最後の展開に色々とケチがついたと記憶しているので、
読者にストレスを与えずに、きれいにまとめる方法を模索して欲しい。
238:この名無しがすごい!
11/04/23 11:49:02.96 4Qxc26LM
>>232
ジャンルはなんになるか
自分で決めろよwただ聞きたくなる気持ちもわかるってか、いろいろ話の軸がぶれてるな、とは思った
コメディなのか、それとも真剣にギャンブルゲームの駆け引きを書きたいのかがわからない。どっちも、っていう
考えなのかもしれないけど、そうだとした典型的な失敗パターンかな。どっちも中途半端で面白くない。
文章
読みにくくはなかった。ただあなたは一人称で書かかないほうが良いと思う
うわすべりしている主人公の一人語りほどつまらないものはないから
面白いかどうか
最初のコインの実験のくだりは地味だし、肝心のギャンブルゲームもぜんぜんギャンブルじゃない。
発想をもっと豊かに。あとコメディシーンは入れるべきところを考えよう。面白いやり取りを無理やり
突っ込んでいるように思える
239:この名無しがすごい!
11/04/23 11:52:26.07 /qacZLVw
>>216
・冒頭の段階で飽きはしないか。
ネット上で晒して満足するならこういう冒頭でもいいのかもしれないけど、新人賞応募なら致命的だな
あと、冒頭の章がプロローグ的な扱いになっているのにも違和感
プロローグを置くことの意味を考えたらもっとふさわしい場面、もしくは同様のシーンでも、もっとふさわしい演出の仕方があると分かる筈
・文章は下手ではないか。
上手ではないが意味が通じないほど下手ではない
だが新人賞の水準以下だろう
・感想
正直言えば退屈
だけどこういう作品は手を加えやすいし、特徴のあるキャラクターや奇抜なアイディアを置くことでガラっと変わる
ただし、いくら設定上で特徴があったとしても本編で生かされていなければ意味が無い
(おそらく、妖精以外の登場人物、幼なじみや生徒会長なども何らかの設定をしているとは思うが、まだ弱い)
240:この名無しがすごい!
11/04/23 12:12:47.16 ugaV/h6L
>>232
話が動き始めるまでが無駄に長い。
>それと前に作った作品(迅轟伝、実験時間)を知っている方は
迅轟伝と同じ人だということで納得。
色々考えて書いているけれど、それがごちゃごちゃとして上手くまとまっておらず、
読者を楽しませる要素として機能していないところとか、読者そっちのけのゴチャ
ゴチャした語りが多いところがそっくり。
一人語りが面白くなるようにひたすら磨きをかけるか、いっそのこと削ってしまうか、
どちらかにした方がいい。ただし、前者はかなり難しいと思うので覚悟を。上達すれば、
それなりの武器になるとは思うけれど、一人称ってだけで嫌がる人もいるので注意。
>文章の問題点、
文章は、結構おかしい。てにをはが変なところがあるので、もう一度全体的に見直しを。
おかしいと感じていないのであれば―数作品書いてその状態なら、ちょっと問題だ。
もっと文法、文章を意識して読書を重ねた方がいい。
>ルールが理解出来るかどうか、
>面白そうかどうか、
ルールは理解できた。が、面白そうだとは思わなかった。
コインの奇妙な性質とか、それを調べようとするところは、個人的には好き。でも、退屈かも。
せっかく実験をしているのだから、何か驚きが欲しい。
そういえば、コインの性質から考えて、なぜ、最初に拾ったときに自販機の下の地面に食い込んで
いなかったのかが謎。
コインは良かったけれど、それがキーになって始まるゲームの内容はイマイチ。コインの
不思議感とかが、つまらないゲームとその背景のせいで台無しになっている。もっと、読者を
引きつけるものが欲しい。
241:この名無しがすごい!
11/04/23 14:12:22.90 TItiW4ep
・ジャンルは何になるか、
コンゲーム、というジャンルがある。
でも、このおばか主人公ではそういう世界に連れてってくれそうには思えない。
・文章の問題点、
回りくどい、
>まずはその日の学校での出来事を説明してしんぜよう。それは、泣く子も黙ったり黙らなかったりする午後七時十八分。
なぜ上から目線なのか?
この「泣く子も~」とかも書く必要があったのか?
・ルールが理解出来るかどうか、
まずコインの方はルール必要ない。
あちこちに刺さるから、面白いからいろんな物に刺していたら偶然……で十分。
ゲームの方は、このルールだと妨害が簡単すぎるし、しかも主人公は延々妨害してるだけ。
勝つ気があると思えない。
・面白そうかどうか、
非常に面白くない。
主人公が終始ぼんやりしていて、何をしたいのかわからない。
より厳密に言うと、何をしたいとも思ってないようにしか見えない。
特殊な主人公にしたつもりなんだろうけど、これでは、脳が足りないだけにしかみえない。
そのせいで非常に緊迫感が無い。
謎のギャンブルをやるなら、負けたら死ぬとかぐらいはふっかけろ。
勝った時の条件も胡散臭いことこの上なくて、今一つ緊迫感が無い(しかも主人公には大した望みが無い)
コインも、不思議というより気味が悪いだけで、イマイチ興味を引かない。
改善点をまとめると
・一人称で、あんまりウダウダしない。
・コインの話はさっさと片付ける。
・主人公には全てと引き換えにしても適えたい望みがある事にする。
・ゲームで負けたら死ぬ、あるいはとてつもなく大きいペナルティーがある事にする。
・こういうので、主催者側がバカを見せるのはダメ(何かの理由でバカを装うのは可)。
・九兵衛はやめろ。
242:241
11/04/23 14:13:46.68 TItiW4ep
ごめん、付け忘れた
>>232 の評価です
243:この名無しがすごい!
11/04/23 14:38:46.67 J85p4LUH
>>232
・文章の問題点
くどい。別に一人称でも俺はいいと思ったけどさっさと本題に移って欲しい。
・ルール
理解出来る
・面白そうか
コインに選ばれて特殊なゲームをして云々や金で何でも解決っていうのは突き詰めれば面白くなると思う
とりあえず気になったのがコイン入手した経緯ね。
普通そんな大事なコイン落とすか?ポケットに無造作に入れてたの?
俺が大富豪なら関係ない奴を巻き込まないようにコインを配布した時点でその人間のDNAやらなんやらをコインに登録させるシステムにするんだが
最初から普通に主人公に不幸があってコインをもらうって設定じゃダメなのかな
で、死のリスクがあるゲームを自分だけ死なない保護された状態で参加ってチートに近いわけだから見てて茶番としか思えなかった。
それと秀輔が勝ったら目の前の女が死ぬかもしれないんだけどそれに対する罪悪感とか躊躇とか一切無いわけ?
ルール通りに解釈するなら勝っても負けても相手か木村のどっちかが破滅するんだけど自分で直接手を下す事に葛藤無し?
あとは女が秀輔を怪我させて謝る意味がわからん。
命かかってんだからむしろ狙ってやれよ。
俺がその場にいたら正解キー中継地点で女待ち構えてボコボコにして動けなくしてから悠々とゲームやるわ
イカツイおっさんとか何もってるかわからんヤクザならともかく小さい女だろ?普通実力行使に出る。
244:快晴ラッコ
11/04/23 19:10:45.79 WrHXrc9X
>>216
・展開について。
冒頭には既視感あるけど、悪くはない。
中盤からは、静がややテンプレ過ぎるけど、テンプレと王道は紙一重。
盛りあがる地点でポイントを抑えておけば大丈夫だと思う。
そこをうまくやれないと「ツンデレブームによって粗製乱造されたヒロイン」になるけどね。
願いを言ってしまう主人公はよくわからなかった。
「契約のデメリットもわからないで握手するバカはいない」って言ってたけど、本当にその通り。
デメリットがわからないままなのに、なんで言うんだろうって感じ。
他のパートでは理性的、論理的に書かれていることが多い分、余計に気になる。
・心理描写について。
概ねいいと思う。
細かく見ると変なとこ(一人称なのに主人公が知覚できないものを認知しているなど)があるけど、すぐに直せる範囲。
ただ、生徒会長への想いが軽い憧れにしか見えないのはどうかと。
実際そうなんだろうけど、今の段階ではもっと好きでいる感じを出すべきでは。
上で「願いを言うのが不自然」と書いたけど、それは生徒会長への気持ちが淡白にみえることも大きい。
245:この名無しがすごい!
11/04/23 19:48:12.85 /0Z6xmXL
【アドレス】URLリンク(www5.pf-x.net)
【ジャンル】個性的な日常
【タイトル】ステーキって何?
【評価基準】電撃のリトルリーグ辺りに送るなら、受賞を狙えると思いますか?
あれはレベル低いから、これだけネタを使うのはもったいないかなとは思うのですがどうでしょう?
受賞作と比べた感じ問題無いとは思いますが、一応人の意見を聞きたいと思います。
246:この名無しがすごい!
11/04/23 20:41:44.25 pO6sWtrS
>あれはレベル低いから、これだけネタを使うのはもったいないかなとは思うのですがどうでしょう?
ネタで書いてんのか? 荒らし?
まあ、このオチもアイデアも皆無の文章でがんばってください
247:この名無しがすごい!
11/04/23 20:42:35.34 BF+No1aG
>>245
なにを持ってしてそこまで自信があるのかが分からない。
248:この名無しがすごい!
11/04/23 20:54:30.72 OZJFXc1T
>>245
議論スレの書き込みから考えてもこいつ串
249:この名無しがすごい!
11/04/23 20:56:04.39 ksM/HLyu
他人の晒しを無断で持ってきたのか荒らし目的で書いたものかはわからないけどスルーしたほうが良さそうだ
250:この名無しがすごい!
11/04/23 20:56:34.45 iKp81yZa
だろうな
馬鹿だとは思ってたけどここまでするかね
251:この名無しがすごい!
11/04/23 21:12:58.83 kIppRImI
統失なんだろう
事件起こしかねないから精神病院に行かせたほうがいいかもな
252:この名無しがすごい!
11/04/23 21:19:29.26 /0Z6xmXL
少なくとも紅茶より点数が高いですの
串何かと一緒にしないでもらいたいですの
串は作品を晒せずに逃げたですの
253:この名無しがすごい!
11/04/23 21:31:28.19 mMdVo7u1
なんで本スレでごちゃごちゃ言ってるのかわからないけど新規の方々なのかな?
254:この名無しがすごい!
11/04/23 21:37:42.50 9yleJT6Y
皆まとめてこちらへどうぞ
【ラノベ】自作を晒して感想をもらうスレ・議論スレ22
スレリンク(bookall板)
255:この名無しがすごい!
11/04/23 23:23:52.24 6XWDuOoi
【アドレス】 URLリンク(www5.pf-x.net)
【ジャンル】 ショートショート
【タイトル】 レイニーデイ
【評価基準】 オチが弱いですが、どう直したらいいかわかりません。フルボッコの感想でお願いします。
256:この名無しがすごい!
11/04/23 23:37:11.67 62AruH0s
>>255
読みやすい!これが第一印象
書き慣れてる感じ
彼女の魅力も主人公の心の動きもちゃんと過不足なく伝わるし表現力は水準以上
ただ後半が気持ち悪い!
ここ賛否両論あるだろうけど
狐娘さん惚れっぽやすすぎで、「安い女」に見えて魅力半減してしまいます
「友達から」オチにした方が無難なんじゃないかなーと思います
257:この名無しがすごい!
11/04/23 23:42:12.97 7y8fA6HP
>>255
すげー、好きです
258:この名無しがすごい!
11/04/23 23:51:21.80 R3irsDEe
>>255
いいね。
雨屋さんネタで長編一本いけそうな感じ。
狐の嫁入りにかけたのもいい。
女の子もかわいい。
別にこれ以上のオチとかいらんでしょ。
必要充分。
ただ、彼女の描写は、「茶色の髪」あたりはもう少し言葉を選ぶかな。
あと、いきなり結婚前提は微妙なところかな。これはこれでいいけど。
それだけ。
259:この名無しがすごい!
11/04/23 23:57:48.15 /qacZLVw
>>255
もっと削っていい
引き戸を開ける動作とか要らない
ラノベ的な美少女描写をしたいんだろうけど、単にそのまま書くだけじゃ駄目
ショートショートならむしろ、伝えるべき特徴を絞って書いたほうがいい
会話の部分も、もう少し要点を絞って書くべき
”しっぽ みみ”の部分に何行費やしてるんだ
セリフ回しも、もっと面白く出来るだろ
相手の動作に対する感情はモノローグ的に書いてるが、自分の動作に対する自分の感情は省いているな
意図的なのかわからんが、違和感
終盤は書くべき文章を省いたりしてないか?
駆け足な印象
全体的に見た感想としては、思いついた話をただそのまま書いているという印象
何の工夫もない
オチが弱いってのは構成を何も考えてないのが原因
260:非時香菓 ◆xSSPdzVTUo
11/04/23 23:57:51.47 2NAwkhMK
>>245 についてはご迷惑をお掛けしました。
自分でファイルをアップした覚えも
書き込んだ覚えもありませんので
無視してください。
「ですの」は一時取り外し中です。
261: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/24 00:04:35.62 7L4QeAQ8
>>255
>は今度の告白を成功させるために、とある店へ立ち寄った。引き戸をガラガラと鳴らして中へ入る。
店内はだだっ広くて、奥にはカウンターがあった。天井近くの壁には「演出成功率百%!」というあおりが張られていた。
人がいないので声をかける。
「すいません、誰かいませんか?」
「はいはい、ただいま~」
ぱたぱたっと可愛らしい足音を鳴らして、白いブラウスを着た女の子が出てきた。赤いスカートがひらひら動く。
肌が白くて黒目が大きい。身体は華奢だけど、笑顔はとても元気いっぱいで、見ているだけで心が暖かくなる。
「雨を降らせてほしいのですが……」
あおりが張られていた、は正解か?
ぱたぱたっと可愛らしい足音、これは可愛いのか?
262: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/24 00:05:53.66 YsFBUmNr
>>255
>「どんな雨でも降らせますよ! どんな状況での雨です?」
「えっと……告白です」
僕が言ったとたん、女の子の目が輝いた。平らな胸の前で小さな拳を、ぎゅっと握った。
「告白っ! いいですねぇ~。夜の街に霧雨が降って、明かりが丸い光を帯びる。告白には持って来いの……あー、でも」
「でも?」
「お客さんは高校生でしょうから、もっと激しく横殴りの雨がいいのかな?」
どんな状況の雨? 言葉が不適切。
263: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/24 00:07:41.35 7L4QeAQ8
>>255
白く細い首を傾げて尋ねてくる。茶色の髪が柔らかく流れる。
「んー、どうだろ。あなたは何歳です?」
「私は十六歳ですけど」
「僕は十七歳で山本静真《やまもとしずま》っていいます」
「私は稲里綱美《いなさとつなみ》です」
その名を心に刻み込む。
「じゃあ全部お任せします。稲里さんへの告白が百%成功するように」
「あ、はい。お任せプランで……って! 相手は私ですか!?」
稲里さんは大きな目をまん丸に見開いて息を飲んだ。可愛い。
僕は静かに頷く。
一人称なのに、名前を聞いていきなり漢字か?
264: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/24 00:09:42.26 7L4QeAQ8
>>255
>驚いたけど……耳と尻尾があると、より一層可愛く思えた。
「……尻尾と耳はどうして?」
「ち、違います―あっ、理由を言ったら諦めてくれますよねっ」
よいしょ、と尻尾をお尻に押し込む稲里さん。
「人間じゃないとか?」
「そうなんです! 実は私、狐なんです! 急に告白されて驚いたから、変化が緩んでしまって」
「ますます可愛いです」
「ふぇぇ!? どうしてっ! ……私、妖怪ですよ? 人間とか、ちょーバリバリ食べますよ?」
「こんなに可愛いのに、悪い妖怪のはずがないっ」
鼻息荒く言い切ると、稲里さんは茶髪を抱えて左右に振った。
「狐と人間はお付合いできないんです! だから諦めてください!」
僕は腕を組んで考えた。人間と狐はお付合いできないのか。でも、聊斎志異や日本霊異記には普通に結婚してるし……あっ!
「分かりました! 晴れた空から雨を降らしてください!」
「ええっ! それの意味わかってます!?」
「狐の嫁入りでしょう?」
ここは上手い。
265:この名無しがすごい!
11/04/24 00:10:28.36 5B457V3Z
255です。
コピペはする必要ないので、感想だけ書き込んでください
266: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/24 00:11:26.09 7L4QeAQ8
>>255
> 可愛すぎて、顔がにやける。ポケットからチケットを取り出した。
「でもいきなりで悪いなと思います。だから今度の週末に映画を見に行きませんか?」
「きゅきゅー。……でも、一回だけですよ!?」
「はい、土曜日に……あ、もし雨を降らせたら、料金は幾らになります?」
すると稲里さんは、上目使いで僕を見た。
「私の一生のエサ代と、住む家と、子供二人ぐらい養える金額になります」
「安いです」
「もうっ!」
稲里さんは薄紅色に染まった頬を、ぷっくりと膨らませた。身もだえしたくなるほど可愛かった。
僕は店を出た。すると頬に、ぽつっと水滴が当たった。
晴れた空から、堪えきれないような小雨が降り始めた。
このオチは作者の都合が良すぎる。しかし全体的に悪くない。
267:この名無しがすごい!
11/04/24 00:13:02.10 5B457V3Z
255ですが、気が付かれてないみたいなので、もう一度言いますね。
コピペはする必要がないので、感想だけ書き込んでください。
268:この名無しがすごい!
11/04/24 00:16:02.73 C8E4t7ss
***お知らせ***
このスレには時折、嘉一朗 ◆oOLN65ZNXE(通称:紅茶)というコテが現れます。
彼は感想がつかないと自演に走る事があり、一番最近では串[―{}@{}@{}-]をつけて電撃小説大賞スレ290で荒らしながら感想人批判をしていました。
電撃スレではID無表示ですが、晒しスレ34にて彼が紅茶コテに切り替え忘れたまま串として感想を書き込んだことから自演だと判明。
よって嘉一朗 ◆oOLN65ZNXEや串付きには反応せず、NG推奨です。
どうしても彼にレスしたい人は、コテハントリップを付けて他者がNGできるようにして下さい。
269:この名無しがすごい!
11/04/24 00:16:41.12 0/roxu6p
>>255
オチはこのままでも十分かな。
けど、演出成功率百%の店なのに、その演出を主人公が決めたのはもったいない。
途中の狐の嫁入りの部分を無くし、お任せプランのままで話を進めて最後の演出。
なぜ晴れに雨が降っているのか考えさせて、女の子の意図や実力を見せる。
というのでも良かったかも。
270:この名無しがすごい!
11/04/24 00:21:13.37 Ruo7OwoH
>>255
書き慣れてる感じはするが、台詞が予定調和というか、不自然さを感じる。
ヒロインの反応も作者と主人公と読者の都合のいいように展開する。
悪い意味で期待を全く裏切らない。
地の文を極力少なくして台詞多めにしてアップテンポで読ませようとしてるのかも知れないが、
逆にそれがリズム感を殺している気がする。
後、耳や尻尾やヒロインの愛らしさについては、強調するのは極力少なくした方がいいと思う。
何度も可愛いと強調されると、その意味合いが薄れてしまう。
271:この名無しがすごい!
11/04/24 00:24:51.03 ncVRedyy
今って晒さない方がいいの?片っ端から串にコピーされちゃうならやめとく・・・
272:この名無しがすごい!
11/04/24 00:27:36.28 QEpppKcM
出来がいいのを晒すと、嫉妬団が活動する
273:この名無しがすごい!
11/04/24 01:52:38.13 rIjX7wV4
>>255
津波さんの台詞が男言葉にしか読み取れない
地の文のせいか語り口が古めかしいせいかなと?
綱美さんの登場シーンをもっと華やかにして娘である事を強調すべきだ
274:この名無しがすごい!
11/04/24 03:06:52.24 t+EHdgRy
>>255
こういうの好きな人いるだろうなー。まとまってて、突っ込み所が少ないと思った
以下は好みの範疇かもしれないが…
雨屋がすぐ好きになりすぎ、都合よすぎに見えたので
「お客に手を出すなんてできません!」とかもう一個拒否する姿勢が欲しかった
あるいは(店やるほど自立して見えたのに)養われる云々でぐらっとくる理由。
うまいこと言っちゃうセンスがいい、でもいいので、雨屋側の理由はしっかり言ってほしいとこ
275:この名無しがすごい!
11/04/24 05:15:39.05 TfCNhDb4
>>232
主人公がちょっとヌケてるのは愛嬌ってことでいいと思うけど主催者側が馬鹿過ぎ。
・極低確率とはいえ無関係の人間がコインに選ばれる可能性があるのにその事態を全く想定していない杜撰さ。むしろ金でなんでもできる世界ならそんな不測の事態を起こさないシステムのコインくらい楽勝で作れる
・白い部屋にスピーカーはあるのに何故かカメラ無し。
・いきなり知らない奴の代理で参加させられたパンピーと自分の命と夢を賭けてるモチベーションの奴相手とじゃエンターテイメントとして成り立ちにくいと思うんだがそれでも代理人頼むか?
・暴力禁止をルールに組み込まないいい加減さ。今回の試合形式だとプレイヤー同士が殺し合い可能だから死のリスクが無いとか負けたら命が云々とか意味あんまり無くなる
・何で格ゲーやらシューティングゲーやらの反復ゲームを組み込む?ワンサイドゲームか泥仕合のどちらかしか考えられないのにギャンブルも糞も無いと思う
あと死んだ人間を生き返らせるなら金で何でもできる、じゃなくて最低限の理屈が聞きたかったっす。
今後に期待です
276: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/24 17:53:01.75 7L4QeAQ8
誰か作品を晒さないの?
感想を述べるよー^^
277:この名無しがすごい!
11/04/24 18:00:47.71 Z1hCwQ2M
しかし真面目なレスを無視して
自分の不満だけ必死に書き込むのは見ていて不愉快
引用は気の毒だが
訴えてもまず勝ち目無いし アップロードしたファイルを削除して今後気を付けるしかないな
リスクがある行為だってわからなかったのか
278: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/24 18:23:37.83 7L4QeAQ8
誰か作品を晒さないの?
感想を述べるよー^^
279:この名無しがすごい!
11/04/24 19:01:34.56 QEpppKcM
こすっからい ってそういえば最近きかないな
280:この名無しがすごい!
11/04/24 19:01:53.75 QEpppKcM
誤爆でした
281:この名無しがすごい!
11/04/24 21:17:30.94 5B457V3Z
255です。感想ありがとうございます。
>>256
>後半が気持ち悪い! ~「安い女」に見える
確かに急展開になってますね。別の方法考えてみます。
>>257
ありがとうございます。
>>258
>彼女の描写がまずい~結婚前提が微妙
もっと可愛い言葉を選んでみます。
結婚前提も急すぎる感じですね、切り口を変えてみます。
>>259
>もっと削る
なるほど。なくても意味が通じる文章がありますね。
それを削って、急すぎな後半を直してみます。
>>269
>女の子の意図や実力を見せる
主人公に押し切られてばかりで、女の子に見せ場がなかったですね。
参考にしながら、もう一度考え直します。
>>270
>悪い意味で期待を全く裏切らない
予定調和というより、裏切らないために展開が強引になってるところがありますね。
尻尾も含めて再考したいと思います。
>>273
>綱美の登場シーンをもっと華やかに
可愛くなるよう直してみます。地の文も柔らかくしてみます。
>>274
>雨屋が都合よすぎ
なるほど。強く拒絶して、それでもぐらっとくる方がいいですね。
最後を直してみます。
たくさんの感想、とても参考になりました。直したら短編になってしまいそうで悩みます。
ありがとうございました。
282: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/24 22:04:29.00 7L4QeAQ8
誰か作品を晒さないの?
感想を述べるよー^^
もっと良い作品希望^^
283:ゾンビ
11/04/24 22:06:52.33 rd2fpYRR
>>255
電撃用だね。すごい良かった。くすくすしたもん。可愛くて。
だから手厳しくw
茶色の髪という表現が安っぽい。手を抜いてるように感じた。もっと気をつかってほしい。
後は、構成の話だけど
「僕は店を出た。~小雨が降り始めた」は削った方がいいな。
「もうっ!」稲里さんは薄紅色に染まった頬を、ぷっくりと膨らませた。
身もだえしたくなるほど可愛かった。
で終えた方がオチが綺麗だよ。最後が惰性に感じた。ショートはオチが重要視さえるから
そこは、一番いい終わり方を選んだ方がいいよ。
次に構成で良かったところを。
雨屋で告白の相手が店主という点。ここでまず掴みが出来てる。次に耳と尻尾で読み手は、もしかして?
って思うんだけど、そこから先はお約束でも、慌てる仕草が可愛いから引き込まれる。
雨も狐の嫁入りにかけてて、設定をうまく活用している。それが最後のオチ、求婚に繋がる。
だから、計算してるなって思うからこそ、求婚で止めた方がいいと感じた。一番、告白の中で求婚が重い
だろうしドラマチックだから、それでいいと思うんだ。
ただ残念なのが、狐と分かってからの展開が単調で早いこと。主人公が押してるようにしか見えない。
稲里さん可愛いけど、受け身過ぎ。ラストの展開の持っていきたいだけに見えちゃうよ。
俺の送ったのは、もう少しどんでん返しを、挟む構成にしてるんだけど、そういう起伏のある演出で
最後に求婚だと、凄いインパクト出ると思う。ちょっと同じトーンが続きすぎると思うんだ。
頑張って。受賞するといいね。
284: [―{}@{}@{}-] DEATH LEGO ◆jMdquu9xa6
11/04/24 22:11:06.80 aFqg725z
紅茶さんの削除依頼には応じないのに
他の人の場合、削除依頼後にアップローダーから消えている。
もし紅茶さんの作品が電撃で応募されている事を知っておきながら
こんな事をやっているなら、アンチ紅茶の人間性がはっきりする。
紅茶さんはメールで削除依頼を出したのに、
削除どころか返事すら来ていない。
これは何かの手違いなのか? もし悪意があるなら酷い話だ。
285: [―{}@{}@{}-] DEATH LEGO ◆jMdquu9xa6
11/04/24 22:13:47.94 aFqg725z
君達
もうちょっと考えた方が良い。
君達が使用しているアップローダーの管理人の管理の仕方を見直せ。
これは酷い。
286: [―{}@{}@{}-] DEATH LEGO ◆jMdquu9xa6
11/04/25 00:17:14.07 XmwdUqft
串と呼ばれた私の2ちゃんねる引退である。
二十代の間は外で遊ぶ事にしたw
君達は2ちゃんねるで今日も明日も明後日も頑張ってくれw
短い間だったが、楽しかったぜw
頑張って一次落ちを抜け出せよw
2ちゃんねるで言い訳しても何も変わらないんだからなw
創作文芸板で電撃スレを立てるがよいw 私はいないから、心配するなw
じゃあなw
287:この名無しがすごい!
11/04/25 18:51:29.07 kD326dor
みんな息してる?
288:この名無しがすごい!
11/04/25 20:00:45.08 J5pVQqUF
すーはーすーはー
289:この名無しがすごい!
11/04/25 21:31:19.09 GG8QqUMh
こっちのスレ、平和になったの?
なったなら晒したいんだけど……数日は様子見た方がいい?
290:この名無しがすごい!
11/04/25 21:37:56.34 HJuAXDOD
串本体はいなくなったらしいですが、引用荒らしはまだいるかもしれません
しばらく晒さない方がいいかも
どうしても晒したいなら止めはしないです
291:この名無しがすごい!
11/04/25 21:57:37.60 wOOSvZXt
>>255です
>>283
>狐と分かってからの展開が単調で早いこと
確かに今のままだと主人公に押し切られてばかりなので、
もう少し変化を付けてみます。
感想ありがとうございました。
292:この名無しがすごい!
11/04/26 00:31:14.40 J375qXsr
>>255
雰囲気だけでも構わないような掌編ならこれでもいいだろうけど、
きちんとオチをつけないといけない、いわゆるショートショートだとしたら、確かに弱いね。
意外性が一切ないから。狐であることも、耳が出て尻尾が出てくるあたりも、全く。
このままいくのだとしたら、これが規定ページ数一杯なのだとしたら、半分まで何とか縮めて余地を作って、
登場人物を増やすか、主人公のネタを入れてひっくり返すしかないんじゃないのかな。
そうじゃなければ、狐じゃなくすとか、かわいいと見せかけて本気でただの妖怪だとか、
設定で裏をかかないと無理だよ。
293:この名無しがすごい!
11/04/26 00:34:54.55 U4RyuN3X
これは作者自らが公開してるけど、親が見たら褒めてくれるのかな?
URLリンク(www5.pf-x.net)
294: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/26 01:27:37.10 eeUmsjzf
感想を求めている人は、感想を付ける人が具体的にどこの部分に対してどう思っているのかを知りたいと思うので、
しっかり文章を引用して、自分がどの辺りに対してどう思ったのかを書くからね^^
そうする事で、感想を求めている人は一層理解しやすくなるよね^^
295:この名無しがすごい!
11/04/26 01:49:02.68 FDUdDt2e
【アドレス】URLリンク(www5.pf-x.net)
【ジャンル】
【タイトル】失われた旋律をもとめて
【評価基準】なんでもいいです
【改稿】OK
296:この名無しがすごい!
11/04/26 01:49:59.23 MHEc49di
哀れな人生だな
297:この名無しがすごい!
11/04/26 01:57:00.89 92AY06/C
哀れな人生だよな
298:この名無しがすごい!
11/04/26 02:00:05.34 ya9QQxRJ
>>294の人、>>295にはいつもの引用感想つけないの?
299:この名無しがすごい!
11/04/26 02:01:01.90 Jn1IajRU
>少女の名はジャンヌ=バティスト=リュリ。
> イタリアのフィレンツエに粉屋の娘として生まれ、兄のジャン=バティスト=リュリと共にフランスへと渡ってきた、まだ齢十四歳の幼い少女である。
> ジャンヌには、兄の務める国王つきの音楽家という大命はない。
はっきりリいってこれちゃんと調べてる?
ルイ14世だから 17-18世紀だけど 当時の基準で言ったら立派な大人だよ。
それにイタリアは都市国家として分裂状態。イタリアという統一された概念はないに等しい。
近代イタリアの統一は19世紀中期以降だ。
読んだけどつっこみどころが多い。酷すぎ。
300:この名無しがすごい!
11/04/26 02:01:56.74 Jn1IajRU
はっきりリいってこれちゃんと調べてる?
ルイ14世だから 17-18世紀だけど 当時の基準で言ったら14歳は立派な大人だよ。
それにイタリアは都市国家として分裂状態。イタリアという統一された概念はないに等しい。
近代イタリアの統一は19世紀中期以降だ。
読んだけどつっこみどころが多い。酷すぎ。
301:この名無しがすごい!
11/04/26 02:22:02.94 Jn1IajRU
これまともな人が見たら、事実関係一つまともに調べられない。で一刀両断されるよ。
このレベルなら架空のソヴュール王国みたいなでっち上げの方がマシ。だしずっと楽。
302: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/26 02:26:15.06 eeUmsjzf
晒すのは「自分」の作品でなければだめだよ^^
以前に晒したのを再び晒すのもだめだよ^^
303: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/26 02:26:50.14 eeUmsjzf
感想を求めている人は、感想を付ける人が具体的にどこの部分に対してどう思っているのかを知りたいと思うので、
しっかり文章を引用して、自分がどの辺りに対してどう思ったのかを書くからね^^
そうする事で、感想を求めている人は一層理解しやすくなるよね^^
304:この名無しがすごい!
11/04/26 02:29:38.76 FDUdDt2e
>>295
一:アヴィニョンの楽聖
フランスの太陽があぶない。
四歳で王位を継承した若き少年王、ルイ十四世は、狩猟に出かけたヴェルサイユの地で沼にはまり、おりからの寒さが原因で、風邪を引き、それをこじらせて肺炎となった。
シャンボール城に用意された専用の一室で、五人の侍医がつき、夜を日に継いで徹底した治療、看病が行われたが、病状は一進一退を繰り返した。
そして病はなおるどころか、数度にわたるしゃ血の影響により、王は貧血となり、ますます深みにはまっていった。
病室の次の間には貴顕紳商がひしめき、国王の病状について、様々な憶測が乱れ飛んだ。
明日の命もあぶないかもしれない。
もう死はすぐそこ。
フランスきっての名医が匙を投げた。
そんなゴシップに揺れる宮廷で、その噂に耳を傾けていた一人の少女がいる。
少女の名はジャンヌ=バティスト=リュリ。
イタリアのフィレンツエに粉屋の娘として生まれ、兄のジャン=バティスト=リュリと共にフランスへと渡ってきた、まだ齢十四歳の幼い少女である。
ジャンヌには、兄の務める国王つきの音楽家という大命はない。
それでもジャンヌは、保守的な宮廷にあって、その地位を確たるものにするには、何よりもまずフランス語とその音楽への深い教養が必要と感じていた。
兄の書くフランス風のイタリア音楽は、そんな宮廷の情勢を反映してか、絶妙な具合で随所にイタリア風の華麗な趣味をとりいれ、フィリドール一族の音楽を向こうに回し、堂々たる出来栄えだった。
「おい、ジャンヌ!」
兄の声だ。
果たしてそこには兄のジャンがいた。
特別に王の御許での謁見が許された彼は、寝室を出るやいなや、すぐさまジャンヌのもとへとやってきた。
「聞け、妹よ! 我らはこれよりフランス中を旅して、最高に腕の立つ歌手を見つけてきてもらう」
「お兄様、急に何を!?」
驚くジャンヌをよそに、リュリは続けた。
ずいぶん独りよがりな文章ですね。
面白みがまるで無いです
305:まともに感想をつけて馬鹿を見た。
11/04/26 02:33:20.22 Jn1IajRU
|l、{ j} /,,ィ//| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ | あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ | < 『おれはID:FDUdDt2e奴が晒し人だと
fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人. | 思ったら感想をつけていた』
ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ | 催眠術だとか超スピードだとか
ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉. | そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ. │ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
/:::丶'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ \____________________
306:この名無しがすごい!
11/04/26 02:37:10.18 5Q4aK93b
>>295
「私はこれより、『王の病気快癒のためのモテット』を作曲する。それには一人のヴィオール奏者と一人のトランペット奏者、二人のヴァイオリニストと一人のリコーダー
弾きが必要だ。そして曲に命を込めるソプラノの歌声が必要なのだ。そのソプラノ歌手を、どうかフランス中を駆け巡り、最高の技量をもった歌手を探す手伝いをして欲しい。
この世の最高の音楽を、私が作曲する。なに、心配はいらない。あの宰相マザランは私と同じイタリアの出身だからな。旅行の許可はすぐにおりるだろう。ジャンヌよ、
我々にはフランスの、この王国の未来がかかっているのだ。その耳で、その手で、その足で、歩き、走り、旅をして、この世の最高の音楽にふさわしい歌手を見つける
のに手を貸して欲しい。兄のたっての頼みだ。聞いてくれるな? ジャンヌよ」
「お兄様……、そんな大命を私に?……」
「仲間はお前しかおらんのだ」
ジャンはそう言って、妹の頬に接吻をした。
「私の可愛い妹よ。お前に聖セシリアの御加護があるように。神聖な使命だ。頼む!」
聖職者の行列がやってきた。
麗しいレースの胸飾りに蝋燭を持ち、侍童がつき従う行列だ。
その後には名だたる王家の人間たち、そしてコンティ公がいた。
恭しく行列の中を歩いていたコンティ公だが、リュリを見るとふと歩みを止め、彼に近寄ってきて、こう言った。
「セニューリ・バッティスタ。御苦労だったな。お歌もバレエもおしまいだ。お前の幸運もここまで。国王が崩御なさったら、この私が王位を継ぎ、そなたを泥臭い故郷、
イタリアに強制送還してくれようぞ……」
カミソリのように鋭利なその眼はリュリへの敵愾心をむき出しにし、それでいて緩やかな口元からはこの劇薬のような言葉が、陰鬱な病魔の具現であるかのように放たれた。
その一語一語は、ジャンの、ジャンヌの心臓をえぐった。
ふふっと笑うと、再び行列に戻ってゆくコンティ公。彼はルイ十四世亡き後の最も有力な王位継承者だったのだ。
「妹よ!」
ジャンが話した。
「聞いた通りだ。国王がおかくれになったら、宮廷での私の地位も、作曲も、この夢の国、フランスへ住むことも、何もかもが御破算になってしまうのだ。ジャンヌよ、やってくれるな?」
「でも私には……、私にはそんな重い使命は……」
「歩きながら考えろ!」
ジャンが言い放った。
「結果は後からついてくる。今は一刻を争う事態だ。この私の書いた曲で、なんとしても国王の病気を治癒させてみせる。一世一代の大仕事だ。それにはジャンヌよ、
お前の協力が必要なのだ。明日の朝にでもシャンボール城を出発する。そして向かうのだ。音楽の旅に。ジャンヌよ、お前と私にはこのフランスの運命がかかっている。
この私と同じように。ジャンヌよ、兄の願いだ。頼む!……」
強く迫るリュリに、ジャンヌは戸惑いながらも、その旅への出発を約束した。
「わかったわ。わかったわお兄様。でもこの私のこと、最後まで無事に終えられるとは思わないわ。もしかしたら途中で駄目になってしまうかも。それでもいい?」
「大丈夫。お前は私の妹だ。私のように、生来勝気で負けず嫌いなお前は、この大仕事を立派に成し遂げるだろう」
シャンボール城に夜明けがやってきた。
それはまだ太陽が現れる寸前の、夜の名残が濃厚に残った夜の廃墟だった。
随所に星空の破片が散らばる西の空をゆっくりと朝の色に染めながら、輝く太陽が、東の空へと昇ってきた。
そしてオレンジ色に滲んだ雲と澄んだまっさらの青空が、ジャンヌの旅路を守るかのように空一杯に広がっている。
シャンボール城の巨大な車寄せには、ジャンヌとジャンの姿があった。
そこには一台の二頭立ての馬車が止まっていた。
「これを持っていこう」
それはフランス王家の紋章である百合の花をかたどったペンダントだった。
「これは国王のパスポートだ。これを持っていれば、私たちは恐れ多くも国王陛下の勅使
もはやどうでもいいですね
駄文でした
307:この名無しがすごい!
11/04/26 02:39:12.58 5Q4aK93b
>>295
ということがわかる。くれぐれもなくさないようにな」
「わかったわ、お兄様」
リュリはそのペンダントを、ジャンヌの首筋に掛けた。
「うん、似合っている」
照れくさそうに笑うジャンヌ。
「いいか、可能な限り早く戻る。そして恐らく、これは私の勘だが、南へ向かおう。そうだ。オーヴェルニュ、プロヴァンス、そしてアヴィニョンがいい」
「でもお兄様、南フランスは治安が悪いのでは?」
「なに、国王陛下の威光はフランスをくまなく照らしている。ルイ十四世という太陽を前に、ただひれ伏すばかりだろう。お前は安心して向かえばいい。いざという時は……」
「時は?」
「こう信じろ。自分には聖セシリア様の御加護があると。自分はアポロンの守護する音楽の申し子だと」
「わかったわ、お兄様!」
馬車に乗り込んで、ジャンヌが言った。
「かならず最高の音楽にふさわしい歌手を探すわ!」
馬車が出た。それは牛の背中のようなでこぼこの道路の上をなぞり、その車輪から、険しい道の面影を滲ませていた。
二:サウンドハンター
新宿駅新南口に隣接する巨大なビル、フラッグには、日本を、いや世界を代表する大型レコード店、「タワーレコード」が入っている。
有馬航はいつも通り、学習院大学仏文科の授業が終わると、久しぶりのバイトで豊かになった財布を持って、このビルにやってきた。
「今日は、十七世紀の宗教音楽を漁ろう。モテットやミサ曲を中心に。あとルネサンス期の歌唱曲も見ていこう。そうだ、久しぶりに器楽曲も見ていこう。ルクレール、
ヴェラチーニ、コレッリあたりをメインに。ああそうだ、アリアヴォクスの新譜の取り置きを頼んであるんだ。受け取って帰ろう。サヴァールも相変わらずやるよなあ。
今回は『カタリ派の音楽』だもんな。さぞかし香ばしい演奏だろう。なんといっても、埋もれた古謡、俗謡は十八番だからな。ル・コンセール・デ・ナシオンも育ってるよなあ。
版を重ねるごとに音色が研ぎ澄まされていってる。ああ、楽しい。楽しいなあ。なんていい趣味を持ったんだ。古楽、素晴らしい!最高だ!」
九階のクラシックコーナーへやってくる。
レジ前には相変わらずセールの廉価版CDが並んでいる。
それらには眼もくれずに、奥の売り場を目指す。
そう。航が目指しているのは「古楽」売り場だ。
それは輸入盤がメインで、ジャケットはもちろん、ライナーノートにも英語やドイツ語、フランス語の解説しかない。
それでも航はその横文字溢れる輸入盤の海の真っ只中に入っていって、早速、いつも通りに、その棚の中を ―部の人間は“エサ箱”と呼ぶようだが― 探っていた。
探る時はまず棚をざっと見渡す。
タワーレコード新宿店の古楽コーナーでは、常に何かしらのイベントがある。
特定のアーティストや演奏者をテーマにして、それに関連するCDをこぎれいに並べているのだ。
今日のお祭りの主役はハルモニアムンディフランスのバロック物らしい。
お馴染の黒を主体とした地味なジャケットに、アンモナイトを象ったレーベルのマークが見える。
「ほう、モンテヴェルディのマドリガ―レ集か。これはいい。おや、ラモ―の『優雅なインドの国々』か。これは今買ったほうが得だな。さて、シャルパンティエは何があるかな……」
航は慣れた手つきで棚を漁り、これはと思う盤を取り出しては眺め、しまい、また取り出してはしまい、を繰り返している。
「αレーベルの、『極小編成によるプチモテさまざま』、これは買いだ。おや、ボノンチーニの歌曲集がある。買っていこう。だが待てよ……、ストラデッラのオペラ『スザンナ』がある。
こちらの方がよさげだな。さて、どうするか」
棚の前で、しばし黙考する航。
やがて、CDを漁るその手が、とある盤の所で止まった。
「これは……、こんな曲が出ていたとは……。『ルイ十四世の誕生を祝うヴェネツィアの晩課』、これはいい! ヴェネツィア楽派は好きなんだ。おや……、これは!?」
そうしてふと、一枚のディスクを手にした。
「リュリの『王の病気快癒のためのモテット』。初めて聞くタイトルだな」
それは宮廷の側室たちに囲まれた、ルイ十四世の肖像画をジャケットにしたディスクだった。レーベル名は「ジグザグ」とある。
「買ってみるか……」
結局、十枚程のCDを手に、レジへと向かった。
「王の病気快癒のためのモテット」。
その盤に一番期待しながら。
いい加減な話ですね。
ちゃんと調べて欲しいところです
308:この名無しがすごい!
11/04/26 02:41:14.13 5Q4aK93b
>>295
駒場東大前駅は、もっぱら東大生しか降りない駅だ。
渋谷から数駅。
至極ロケーションの良い駅を降りること数分。
「駒場三毛猫ハイツ」に到着する。
学習院大学に合格して、地元の鎌倉を離れ、東京で一人暮らしを始めた航は、この目黒区の駒場を、その生活の舞台にしていた。
「お前の合格は我が校始まって以来の快挙だ。しっかり卒業しろよ」
そう恩師に言われたのが昨日のことのように思い出される。
航はいわゆる義理がたい性格ではない。
だからそんな恩師の言葉も忘れていればそれでいいのだが、なぜかその恩師の言葉だけは耳に残っている。
鎌倉の自宅から運んできたCD700枚とともに、航は新生活を始めた。
といっても、アパートであり、隣への騒音を考えると、とてもステレオでCDをガンガン掛けるわけにはいかない。
そんなわけで、航はイヤホンをして聴いていた。
これなら曲を楽しむことは十分可能だ。
さて、買ってきたCDを開封してみる。
クラシックファンなら、一度は味わうこのドキドキ感。
大枚をはたいてかった一枚が、はたして当たりか否か。
航は五才の時からクラシックを聴いている。
初めは父の所有していたレコードを聴くことから始まった。
小学校から帰ると、自室にあるレコードプレーヤーで世界名曲全集の類を聴く。
ヴィヴァルディの「四季」、チャイコフスキーの「白鳥の湖」、ベートーヴェンの「運命」。
やがて高学年になるにつれ、サン・サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」、サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」、ヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」と進んでゆき、
中学生にロマン派に開眼。ベルリオーズやブラームスを聴きまくった。
そして高校生ではオペラに開眼。
ヴェルディ、プッチーニ、ベルリーニ、チレアなどのイタリアオペラを聴き漁った。
そして大学ではバロックに目ざめた。
きっかけはたまたま深夜に見た「王の舞踏会」という映画の宣伝だった。
どうやらこの映画では、ジャン=バティスト=リュリという音楽家の人生を扱っているらしい。
映画自体は単館上映のマニアックなもので、渋谷の映画館で放送しているという情報は手に入れたものの、さてどうやって観にいったらよいものかと、秋葉系の航は参った。
結局映画は観ずに、そのサウンドトラックを聴くことになった。秋葉原の石丸電気で入手したのだ。
CDを買ってきて、プレイヤーに挿入し、演奏を聴いた、その時である。
第一曲目は、リュリの「テ・デウム」と書いてある。
その曲をかけた瞬間、光り輝く太陽王の面影が、轟くトランペットと雅やかに鳴るフルート、リコーダー、そして力強い通奏低音と弦の合奏によって、奏でられた。
それはある意味、「驚異」だった。
それまでロマン派を好んで聴いていた航にとって、天上の楽園から降り注ぐ陽光のように、心を太陽の光でいっぱいにした。
以来、大のバロック音楽ファンとなり、同時に輸入盤の虜となった。
「これは……、『アルミード』にも通じる抑えた感傷が素晴らしい」オーケストラはベルリン古楽アカデミーとある。ドイツの有力な古楽演奏団体だ。
「これは素晴らしい。さすがは国王に捧げられた曲だ」
そんな風に思いながら、授業の疲れからか、いつの間にか、航は自宅のベッドの上で眠っていた。
それはとてつもなく豪華な音のゆりかごだった。
三:シャルトル眼鏡同盟
「眼鏡、眼鏡、眼鏡の友よ。集まり騒いで浮かれよう。黒い眼鏡に紅眼鏡。青い眼鏡に緑色。グラスの色は様々で、そんな視線は色眼鏡。どんなものでも眼鏡をかける。我らは眼鏡の仲間たち……」
先ほどから、こんな風な歌い文句を吟じながら、街の大通りを歩いている女たちの一団を、ジャンヌは不思議そうな面持ちで眺めていた。
五十人ほどのその集団は、皆一様に眼鏡をかけている。
黒い眼鏡に紅いガラスでできた眼鏡。青いガラスの眼鏡もあれば、緑色のガラスを使った物もある。
ここはシャルトル。
ステンドグラスが美しい大聖堂で有名なフランス北部の街だ。
ここへやってきて、ジャンヌは真っ先に大聖堂へお参りをした。
そして祈った。
どんどんスカスカになっています。大丈夫でしょうか?
人物はよくかけていません酷いですね
309:この名無しがすごい!
11/04/26 02:43:25.25 5Q4aK93b
>>295
この旅路が無事に終わることを。
運よく腕利きのソプラノ歌手を見つけることが出来ることを。
ジャンはというと、なにか楽想でも浮かんだのか、携帯用ヴァイオリンのキットを手に、先ほどからなにやら楽譜に音符を書き連ねている。
そんな時に、この謎の一団は、まだ太陽の高い昼下がり、突如として街の通りに現れた。
「ここはシャルトル、古い街。巡礼の徒が訪れる、由緒正しい古い街。そんなシャルトル根拠地に、我らは集う、眼鏡の徒。眼鏡、眼鏡、眼鏡の友よ。集まり騒いで浮かれよう……」
「お兄様、あれは……」
「うん、まさか異教徒でもあるまい。なにかの秘密結社か?……」
「ちょっと、あなた達! こちらへ来なさい!」
その女たちの先頭にいた、まだ齢二十代と思しき一人の女性が、シャルトル大聖堂の入り口にいたジャンヌたちを呼びとめた。
「我らになんの用だね?」
そう答えるジャンに、女性は言った。
「あなた達、なにか探し物をしているのでしょう?」
てだれの兵士が放った矢のように、その言葉はジャンの心の的に命中した。
「いかにもそうだが、あなた達は?」
「我らは、シャルトル眼鏡同盟」
「?」
その答えが、返事になっていなかった。
ジャンは一人、この不思議な女たちの集団を、好奇心に満ちた眼で眺めていた。妹のジャンヌもそれは同じだった。
「で、あんた達は一体何がしたいんだ!?」
「視線革命です!」
「視線革命?」
「そう、視線革命! 私たちは何か物を眺める時、少なからず偏見に満ちた色眼鏡で見ます。こうして今、どこからかやってきたあなたがたを見る時も、私たちは偏見という色眼鏡で見ている……。
そんな因習を打破するんです。私たちが掛けているこの眼鏡は偏見の象徴。唾棄すべき愚行です! そんな歪んだ眼差しを変えたい……。そう思って、私たちはわざと色のついた眼鏡を掛けて、
私たちがいかに物事を偏見に満ちた眼で眺めているかを表現しているのです……」
「なるほど。事情はわからんでもないが……」
「シャルトル眼鏡同盟は時代の先端を行きます! 偏見という歪みから抜け出て、新たな時代の真実を、この眼で眺めていきます!」
「では、そんな素敵なシャルトル眼鏡同盟様に、お聞きしたい事がある」
「ほう、なんです?」
黒いサングラス越しに、相変わらず感情が読めない顔立ちで、女性は答えた。
「あんたがた、歌手を知らんかね? 女性歌手だ。ソプラノがいい。表現力豊かで、才能があって、自在に声を操るソプラノ歌手だ。我々はわけあって、腕の立つソプラノ歌手を探しているんだ」
「リヨンへ行きなさい!」
直ちに、女性が答えた。
「リヨンへ行くのです! あそこはパリについで栄えている古い街です……。そしてその街の教会には、毎日、神さまへのお祈りを捧げる敬虔なカトリック教徒がいる……。
彼女の名はアルテュ―ル=ノワイエ。瑪瑙のように燃えていて、翡翠のように凛として、水晶のように硬いその声音は、天上の神さまに捧げるのにまさしくふさわしい。
ノワイエを探して旅を続けなさい!」
「これは有益な情報だ。どこからそれを!?」
驚いて尋ねるジャンに、女性は言った。
「我ら、シャルトル眼鏡同盟はフランス各地に支部があります」
「そうだったのか。ありがとう」
ジャンはジャンヌのもとへと戻ってきた。
「ジャンヌよ。これよりリヨンを目指すぞ」
「お兄様、リヨンに名歌手がいるって本当ですの!?」
「今は信じるしかあるまい」
冬の陽が早くも傾きかけて、シャルトルの街を照らしている。
ジャンヌとジャンは馬車に乗った。
「御者よ、リヨンへ行ってくれ」
「心得ました」
馬に鞭を入れる御者。
石畳の凹凸が、車内に直に滲んでくる。
ゴトゴトと音を立てて、馬車は走りだした。
場面の連携が最低ですね。
小学生の作文のようです
310:この名無しがすごい!
11/04/26 02:46:35.42 5Q4aK93b
>>295
「お兄様、本当に信じていいの?」
「あの御人、吹っ飛んでいるようで、意外と知識はあると見た」
馬車を見送りながら、眼鏡の一団は、再び街路を歩きだした。
「眼鏡、眼鏡、眼鏡の友よ。どうか一緒に来ておくれ。黒い眼鏡に紅眼鏡、青い眼鏡に緑色。そんな眼鏡を通して見れば、どれも偏見、ここにあり」
「あれは、新手の異教徒でしょうか?」
「わからん」
馬車はひたすら進んでいた。
ヴェルサイユを出てから程なく、このシャルトルに着いた。
夜を徹して進み続けるこの馬車に、フランスの命運がかかっているとは誰も信じないだろう。
「お兄様、リヨンの街にも大聖堂があるのですか?」
「ああ。輝かしいキリストの教えはこのフランスを満たしているからなあ。どんな辺境の地にも、それなりの教会がある。そこにはオルガンの据え付けられた大聖堂があるだろう。
それにリヨンは出版で栄えている街だ。運がよければ、昔のモテットの楽譜に出会えるかもしれない。それを参考にして、作曲するとしよう」
馬車はリヨンへと向かって走り続けていた。
「御者よ、もっと速く出来んのか?」
「これで精いっぱいでさあ」
身体から湯気を立てて走る馬を見て、御者が返した。
「そうか。まあヴェルサイユを出てから不眠不休で来ているからな。馬も私たちも。御者よ、疲れてはいないか?」
「大丈夫でさあ、これこの通り、根性だけは負けねえです。はい」
嘶く馬に鞭を入れながら、御者が答えた。
四:失踪
駒場三毛猫ハイツに客がやってきた。
まだ年の頃は十九か二十歳と思しき娘で、グレーのコートに身をまとって、二階にある201号室のドアのチャイムを押した。
「いないのかなあ……?」
娘はドアに耳を当てて、なにか気配がしないかと確かめた。
今日は土曜日。それも十時半だ。
有馬航は、休日には朝寝坊をするのが習慣だ。
そんなわけで、こんな早い時間にやってきたことを少しだけ後悔した。
「まだ、寝てるのかなあ……」
と、その時だ。
隣の202号室のドアが開いた。
「あ、有馬君? なら寝ていると思うわよ。昨日またCDを漁ってきて、それを徹夜で聴くって言っていたから」
「あの、失礼ですが、あなたは?」
「ああ、自己紹介が遅れたわね。あたしは海江田真琴。東京芸大の楽理科に通っているの。ふとしたきっかけで有馬君の趣味が音楽だとわかって、すっかり打ち解けたわ。もう知り合って
一年にもなるかしら」
「そうなんですか」
「あなたは?」
「ああ、あたしは伊福部七海。航君とは小学生からの幼馴染で、よく一緒に遊んでいたんです。あたしは立教大で、キャンパスも近いから、結構頻繁にここへ通うようになって。実を言うと、
航君に訊きたいことがあって来たんです」
「まあ、なにかしら?」
海江田真琴はその大きな眼を輝かせて、さも好奇心に溢れたかのように、七海の話を聞いている。
「大学のレポートで、西洋音楽史をテーマにした宿題が出たんです。航君は音楽に詳しいから、なにか参考になる意見をきけないかなって」
「音楽がテーマ? なら私でもお役にたてそうだわ。どんな課題?」
「十七世紀バロック音楽の作曲家で、もっとも重要なリュリの音楽について、その作風の変遷に触れながら、二千字で概説しろって。あたしバロックっていったらバッハかヘンデルしか
知らないでしょう? 困っちゃって。それで今日、航君に訊こうと思って来たんです。わかります?」
「ええ、リュリなら私も知ってるわ。時々演奏もするのよ。そうだ。今度聴きに来たらいいわ。場所は上野の奏楽堂ね。入館料は五百円とられるけど、演奏の鑑賞は無料よ。私、
来週の火曜日にコンサートをするの。そこでリュリの『王の病気快癒のためのモテット』を演奏するわ。オルガンでね。もちろんこれは編曲版よ。本当はソプラノ歌手がいて、ごく
簡素だけど楽器伴奏があるの。ねえ、どう? 聴きにこない?」
「それは願ってもないことです!」
思わず笑顔をほころばせて、七海は答えた。
「で、そのレポートっていうのは?」
「あ、はい。これです」
七海は手にしていたプラスチックのケースから、ホチキスで留められた数枚のレポート用紙を取り出した。
突然日本の話になってますが
よく読んでませんけど平気ですか?
311:この名無しがすごい!
11/04/26 02:48:46.66 5Q4aK93b
>>295
「うん……、普通の大学生さんには少々歯ごたえがあるわね。いいわ、有馬君の部屋で話しましょう」
「鍵、持ってるんですか!?」
「ええ、もう深い付き合いだもの」
真琴はジーンズのポケットから取り出した鍵を差し込み、部屋を開けた。
「有馬君!いる? お隣の真琴よ!」
部屋の中はしんとしている。
昨日の夜には、カーテンを閉めずに寝たらしい。
部屋には冬のか細い朝の光が差し込み、ベッドの上を照らしている。
青い毛布の上には、十枚程のCDが、あるものは未開封で、あるものはすでに中身をさらけ出して、散乱している。
どれも七海にはわからない輸入盤だ。
そしてイヤホンが、壁際に置かれたステレオから伸びた黒いコードもそのままに、ベッドの上にあった。
「あれ……、いないのかなあ……。絶対寝てると思ったんだけど……」
真琴がそう言って首をかしげた。
まるでついさっきまでいたかのようだ。その証拠に、ステレオのスイッチはいれたままで、中にはCDが入ったままになっている。
「おかしいなあ、この曜日のこの時間には家にいるのが常なのに……」
「ねえ、真琴さん、これってもしかして、“失踪”じゃないのかな?」
「なんですって!?」
「失踪ですよ。失踪。だってほら、こんな不自然な状況で外出するなんて考えられないでしょう? ステレオのスイッチは入れっぱなし、CDも散らかしっぱなし。あれほど整理グセのある航君が
こんな状態にしておくなんて、考えられません。なにか事件に巻き込まれたのかも……」
「まさか……」
真琴はそうは言ってもやや不安げに、呟いた。
その顔からは明らかな狼狽の色が見てとれた。
「ね、警察へ連絡しましょう! 航君、なにか事件に巻き込まれたんだわ!」
「落ちついて!」
真琴が制する。七海は続けた。
「だって、だって、こんな状況で、いきなりいなくなるなんて、ちょっと考えられないわ」
「でも、おかしな点が一つ!」
「なんでしょう!?」
「玄関に靴が置きっぱなし。もし外出したのなら、靴はないはずだわ」
そう言って真琴が指差す玄関には、七海にもお馴染の、茶色い革製の有馬の靴が、キチンと並べて置かれている。
「ああ、ほんとだ。じゃあ航君はどこへ!?」
「わからないわ。でももしかしたら、誰かに拉致されたとか!?」
真琴が答えた。
「このアパートって、六畳一間でしょう? トイレはこの通り無人だし、お風呂にもいないわ。ほんとに“いきなり消えた”っていうのがピッタリ」
「でもそんなことあるかしら?」
七海の言葉に、すぐには同意しかねるように、真琴が答える。
「状況を整理すると、外にはいない。家にもいない。そしてCDがかけっぱなしになっている。うーん、七海ちゃん、これはちょっとわからないわ」
「あれ、この曲、もしかして私の弾こうとしている曲じゃ……」
真琴がそう言って、開けっ放しになっている紙ジャケを手に取り、そのフランス語を呼んだ。
「モテ・プル……、ル……、デュ・ロワ」
なにやら耳なれない言葉が、真琴の口から発せられた。
「間違いないわ。これは『王の病気快癒のためのモテット』よ。私が今度弾こうとしている曲だわ。でもどうやって知ったのかしら。私からは何も言ってないし……。偶然見つけたのかしらね……」
玄関の靴と掛けっぱなしのステレオと、そしてCD。
突然いなくなった有馬航の行方を巡って、二人の娘の協力が始まった。
「じゃあ、手を貸してくれるんですね?」
「ええ、もちろんよ。有馬君は私の大事な親友でもあるし」
五:アヴィニョンの歌姫
「眼が醒めたか、青年よ」
「こ、ここは……?」
ジャンとジャンヌが見守る中、一人の青年が、陥っていた深い眠りから目覚めた。
「あ、あんた達は一体!?……」
「それはこちらのセリフだ。青年よ、ここはリヨンだ。お前が街の大聖堂で倒れているのを見つけ、連れて来たのだ。一体どこから来たね?」
展開が稚拙
その上遅い。物語としては退屈ですね。
312:この名無しがすごい!
11/04/26 02:53:42.65 tICDcHfP
>>295
これ、お前のじゃないだろ
さすがにこういう真似はよせよ、フェアじゃない
313:この名無しがすごい!
11/04/26 02:55:47.26 5Q4aK93b
>>295
「リ、リヨン!?……。そんな馬鹿な。俺は駒場のアパートで……」
「コマバ!? なんだそりゃ?」
「え、駒場を知らない? そう言えば……」
航はジャンとジャンヌを交五に見やり、彼らが異人であることに気がついた。
そして自分の服装を見た。
おかしい。私服を着ていたはずなのに、いつの間にかグレーのジュストコールにズボン、胸にはレースの飾りがあり、靴はハイヒールを履いている。
「お、俺は駒場から来た……、有馬だ。有馬航だ」
「事情はわからんが……」
ジャンが言った。
「我らの使命の邪魔をせんで欲しいな。フランスの命運がかかっているのだ。ここリヨンに、腕の立つ歌姫がいると聞いてやってきたのだ」
「あなた達、名前は!?」
そう尋ねる航に、二人はそれぞれ名を名乗った。それを聞いて、航はさらに訊いた。
「上の名前は!?」
「リュリだ」
ジャンが答えた。
「ええy!?リュリ!?ジャン=バティスト=リュリ!?もしかして、『王の病気快癒のためのモテット』を作曲しているのではないかな?」
「なぜそれがわかった!?」
ジャンが驚いて言った。
これは密命だ。ジャンと妹の他には知る者はいないはずだ。
「それはこんな曲だよ。ミ、ミ、ド、シ、ソ、ソ、ラ……」
「青年よ! しばし待て! 紙と五線譜を用意する!」
そうしてジャンは五線譜と羽根ペンを用意すると、航が歌った旋律を書き写し始めた。
「これはリュリの傑作だよ」
「なに!? リュリだと? お前、その名をなんで知っている!?……」
「なぜって、たくさんCDが出ているし……」
「CD……?」
ジャンヌが不思議そうに繰り返した。
「青年よ。なにやら不思議なやつだが、我らとともに旅に出ないか? なに、ここリヨンまで来たからには安心だ。あの『シャルトル眼鏡同盟』の言うことが正しければ、
我らはこの地で最高の歌姫を手に入れることが出来る……」
「歌姫……。ねえあなた、名前は……」
「私はジャン。ジャン=バティスト=リュリだ。こいつは妹のジャンヌ」
「え!? あなたがリュリ!?……。アルテュ―ル=ノワイエという歌姫が、あなたの曲を歌っていますよ」
「青年よ、なぜその名を知っている!?……」
「リュリさん、あなたがいるということは、どうやらここは十七世紀のフランスのようですね。ライナーノーツに書いてありましたよ。いや、ライナーノーツというのは曲の解説ですがね。
リュリの若き日の傑作だって。ヴェルサイユの地で沼にはまり、肺炎になった国王の病気快癒を願って作られた曲だってね」
「まさしくその通り!」
ジャンが言った。
「フランスが危ない。もう明日にでも国王がおかくれになったら、この豊かな女神はその優しい乳房を失うことになろう。我らの旅には、フランスの命運がかかっているのだ」
「で、歌手は見つかりましたか!?」
「それがまったく」
ジャンが答えた。
「ここにいるのは間違いないのだが、なにせ大きな街だ。探すにしても骨が折れてな……」
ジャンはそうして、まだ人も少ない早朝の礼拝堂を眺め、嘆息した。
「一体これはどうしたことだ?」
航は自問した。
その時だった。
夜明けの礼拝堂へとやってきた一人の少女がいた。
彼女は堂の中に入ると、恭しく長椅子に座り、 朝の祈りが始まるのを待っていた。
リュリはそんな少女に近づくと、こう訊いた。
「娘よ、そなたに物を尋ねたい。アルテュール=ノワイエという女性歌手を知らんかね?」
「な、なぜその名前を!?……」
少女は明らかに狼狽の色を見せながら、その長い金髪を暗い礼拝堂の中に輝かせていた。
わけわかりませんねコレ。
冒頭からここまで徹頭徹尾自己満足で誰に読ませようと思っていますか?
314:この名無しがすごい!
11/04/26 02:58:28.70 5Q4aK93b
>>295
「アルテュ―ルは、私の姉です。でもあなた、姉は異教徒なんです。姉はカトリックの威信を恐れて、南仏にいます」
「南仏だと!?……。南仏のどこだ?」
「誰にも言わないと約束してくれますか?」
切々と祈るその娘に、ジャンは答えた。
「ああ、約束する。お前の姉が異教徒だということは、国王にも秘密にしておく」
「では申し上げます。アヴィニョンです。アヴィニョンの丘の上の、人もよらない廃墟の中で、姉は暮らしています。
「アヴィニョンか……」
ジャンはその言葉を反芻すると、やがて少女に礼を言った。
「ありがとう少女よ! ではジャンヌ、そして、ええと、名前はなんといったかな」
「有馬です。有馬航」
「おお、有馬だ。行くぞ。二人とも。アヴィニョンを目指して」
リュリがそう言ってから、夜を日に継いでの大旅行が始まった。
御者は馬に鞭を入れ、身体から湯気をだして走る馬を駆った。
航は一体自分がなぜ十七世紀のフランスへとやってきたのか皆目見当もつかなかったが、必死になって歌手を探している二人を見て、とにかくこの二人の力になってやりたいと思っていた。
それゆえ、突然の長旅にも同行したのだ。
「ねえお兄さん、あなたは眼の色が黒いわね。一体どこの人?」
そう尋ねるジャンヌに、航は答えた。
「日本だよ」と。
「日本? どこ、それは? どこにあるの?」
「あの太陽の昇るところさ」
そうして、暁光に滲む東の空を眺めた。
「なあ青年よ。お前が聴いたという、アルテュ―ル=ノワイエの歌声は絶品だそうだな。我らに聖セシリアの御加護があらんことを! どうかその気高き歌姫と我らを会わせたまえ」
馬車はフランスを縦断し、リヨンから、一路、アヴィニョンへと向かった。
途中、オーヴェルニュで宿をとり、一晩休んだ以外は、ひたすら馬を駆る、旅が続いた。
身体を揺さぶる石畳の激しさに、何度ひどい疲労を覚えたことだろう。
それでもジャンたちは馬を走らせた。
そうして旅をすること一週間、とうとうジャンたちはアヴィニョンに着いた。
「着いた!着いたぞ! アヴィニョンの地、神の歌声を持つという歌姫の居場所に!さあ、探そう。ノワイエを!」
そして二日、航はジャンヌとともに、アヴィニョンの街をさまよい歩いた。
そして街の司教から、ノワイエの居場所を突き止めることに、ついに成功した。
「あれは異教徒だからなあ。アルビジョワの徒だ。ここ南仏ではいまだに異端の教えが根強く残っているからなあ。魂の洗濯がなっておらん娘じゃ……。音楽? ああ、確かにあやつは
美しい歌声を持っておる……。あ奴に会いたかったら、街の外れの廃墟に行け。そこに野良猫と共に住んでいる」
「リュリさん、行こう!」
航が言った。ジャンはその知らせを聞いて、すぐさま街はずれへの道をたどった。
六:音のラビリンス
「航ったら、あたしが知らない曲ばっかり……」
航の部屋のCDラックを見ながら、半ば呆れたように七海が言った。
「輸入盤だからね。七海ちゃんみたいに音楽に詳しくない人にはわからないでしょう」
真琴はそう言って、棚から何枚かのCDを取り出すと、プレーヤーに入れ、それを奏でた。
「あ、この曲は知っている!」
ヴァイオリンのユニゾンが強烈な、緊張感が溢れた一曲が演奏された。
「ヴィヴァルディの『四季』の、『夏』よ。これはとても有名だから、七海ちゃんでも知っていると思うわ」
「これは!?」
七海はそうして、紙ジャケのディスクを取り出した。
「コレッリの『教会ソナタ集』ね。これはとても静かな良い曲よ」
ジャケットからCDを取り出すと、それを再生した。
「うわ、凄い……。なんか、冬の日の陽溜まりみたい……」
「コレッリは室内楽曲が真骨頂だからね。これは名作よ」
「で、真琴さん、航君は一体どこへ!?……」
「そうね……。家から出ていないのなら、どこかこの世界ではない場所。もっと言えば、『異次元』にでも行ったのかしら」
「異次元!?……」
異次元はお前の頭だろというツッコミを何度もしてしまいましたが
基本的な文章が意味不明なようです。日本語から勉強しましょう
315:この名無しがすごい!
11/04/26 03:00:33.21 5Q4aK93b
>>295
「じょ、冗談よ! 有馬君がそんな小説みたいなことになるなんてありえないわ。でも……」
「でも、なんです?」
「でも、そうとしか思えないわね……」
「ねえ、真琴さん、あたし思うんだけど、航君って、CD漁りが趣味でしょう? あたしにもそれを教えてほしいな。必死になってCDを漁っている人の気持ちが知りたいの。ね、良いでしょ?
芸大の人なら、輸入盤のCDを漁ることぐらいたやすいわよねえ?……」
「そうね。有馬君は恐らく、『音のラビリンス』へ迷い込んだようだわ。それがなんであるか私にもわからないけど、この東京の、新宿に、渋谷に、秋葉原に、音のラビリンスがあるわ。
そこへ行けば、私たちにも有馬君の居場所がわかるかも」
「うわーっ、すごいCDの量! これがタワーレコードのクラシックフロアなの!?」
「こんなので驚いていたのでは駄目よ。こんなの朝飯前。有馬君はいつもこの『音楽の海』を渡っているのね」
「ねえ真琴さん、『運命』ってどこにあるの?」
「ベートーヴェンならこの辺に」
真琴はそう言って、七海をCD棚の前へと連れていった。
「え!? なにこれ!? なんで二十枚もあるの!?……」
「クラシックはね、七海ちゃん、指揮者、演奏者によって全然違う曲になるのよ。たとえばこれ、カラヤン指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団のものと、ギュンター=ヴァント指揮、
北ドイツ放送交響楽団のものとでは、音色がまるで違うのよ。ほかにも、リッカルド=シャイー指揮、カルロ=マリア=ジュリー二指揮、ホルスト=シュタイン指揮と、いろいろな盤があるわね。
『運命』は有名な曲だから、国内盤だけでも相当な数があるわ。輸入盤にしたら、それこそもう無限よ」
「『第九』は!?『第九』のCDは?」
「それはここ」
そう言って真琴が指差した個所には、五十枚ほどの『第九』のCDがあった。
「バーンスタイン指揮、ウィーンフィルのは定番ね。ショルティ指揮のもあるわ。シノーポリ指揮もあるし、朝比奈隆の大フィル盤もね。これだけメジャーな曲になると、選ぶだけでも一仕事ね」
「で、航君がいつも聴いているという『古楽』はどこに!?……」
「それはこっちよ」
真琴は七海を、売り場の一番奥、古楽コーナーへと連れていった。
「古楽を聴く人はね、七海ちゃん。普通の人が聴くクラシックはもう一通り聴いたという人が多いのよ。ブラームスとかシューマンとか、チャイコフスキーとかシューベルトとかマーラーとか、
ブルックナーとかツェムリンスキーとかね。そうやって、十九世紀型の大曲を一通り聴いた人が、ふとしたきっかけではまることがある……。そんなジャンルなの」
初めて聞く作曲家も多い。
そんな真琴の説明に、軽い眩暈を覚えた七海だったが、気をとりなおして、古楽の話を聞いた。
「例えばヴィヴァルディなら、こんなのがお勧めよ」
真琴はそう言って、紙ジャケのCDを一枚、棚から取り出した。
サンマルコ寺院を背景にしたヴェネツィアの街が描かれている美しいジャケットだった。
「これにはヴィオールのための協奏曲集が収録されているの。ヴィオールって知ってる? 今のチェロが近いわね。大型のヴァイオリンがイメージしやすいかも」
「ヴィオール……」
「そうだ。ヴィオールを聴くならこれがいいわ」
真琴はまたしても新しいCDを取り出した。
十七世紀風の白いかつらをかぶり、ベージュ色の服を身にまとった演奏者らしき人物が描かれている。
「これはマラン=マレの『サント・コロンブ師への弔辞』よ。極力削った合奏体とヴィオールの演奏が素晴らしい一枚だわ。ちょっと通向けだけどね」
「サント・コロンブ……」
「あら、ごめんなさい。つい独走しちゃって。有馬君とならいつもこんな調子よ。あ、これもいいわね」
真琴は白地に黒い文字で、なにやらサインが走り書きされた一枚を取り出した。
「ジャック=シャンピオン=ド・=シャンボ二エールのクラヴサン曲集。これは珠玉の逸品よ」
「はあ……」
未知の名前の洪水に、危うく溺れそうになる七海。
「で、航君はどこへ!?……」
「そうね。こうやってCDを漁って、たまたま聴いたCDが原因で、どこかへ行ってしまったのかも。もしかしたらね、七海ちゃん、音の海へと漕ぎだしていって……、そうだわ!
思い出した。有馬君は『オリジナル楽器』の演奏にこだわっていたんだっけ」
「オリジナル楽器!?……」
よくわからない単語が続きます。読んでいて苦痛ですね。
説明は簡潔にそして丁寧に。ひとりよがりでは誰も読みません。
316:この名無しがすごい!
11/04/26 03:02:39.82 5Q4aK93b
>>295
「そう、オリジナル楽器よ。楽器というのはね、七海ちゃん、たとえクラシックのような古い物であっても、変化しているものなの。ヴァイオリンとかは三百年前のものがそのまま残っているけど、
フルートは金属にかわって、オーボエもストップがついたりして、変わっているものなの。バロックは三百年前の曲だから、当然それを弾く楽器も、当時のそのままを再現したものが理想的ね。
音がまるで違うもの。だからね、七海ちゃん、有馬君はそんなオリジナル楽器による演奏を追及していたわ。そうしているうちに、どこかこの世界とは別の次元の世界へと移ってしまったのかも……」
「音のラビリンスから、そこから抜け出す方法はないんですか?」
「本人が好きで行ったのだからね」
こともなげに、真琴は返した。
「戻ってくるのを待つしかないわ。はっきりしているのは、有馬君はこの世ではない、どこか別の世界へと行ってしまったのではないかということ。それがどんな世界かはわからないけど」
「いつに、いつになったら戻ってくるかしら?」
「さあ、それはわからないわね」
二人はそれから、渋谷のHMVと秋葉原の石丸電気へと行った。
CD棚を見るたびに、真琴の講釈が行われたのは言うまでもない。
「航君……、一体どこへ行ったの?……」
暮れなずむ秋葉原の空を眺めながら、七海が呟いた。
真琴は一人、そんな七海のそばにいて、一緒に夕焼けの空を眺めていた。
「帰ってくるって」
真琴が言った。
七海は静かに聞いていた。
七:異端の肖像
アヴィニョンの街はずれ、街を囲む山々の中腹、洞窟の入り口に、ジャン達はやってきた。
「ここに……、ここにノワイエが住んでいる……」
呟くジャンヌ。
「どれ、早速入ってみよう」
「待って、ジャンさん!」
有馬が止めた。
「相手は謎の歌姫ですよ。それにここは異教徒の牙城のような場所。僕たち三人だけで乗り込むのはいささか危険じゃないですか?」
「今は一刻を争う事態だ」
リュリは先頭に立って、航たちに言った。
「それはそうだけど……」
「さあ、行くぞ! アヴィニョンの歌姫に会いに行くのだ」
そうして松明を持つリュリ。
そのか細い光を頼りに、三人は薄暗い洞窟に入りこんだ。
「鍾乳洞だな。どこかに地下水があるらしい。水の音がする」
「お、お兄様!」
急にジャンヌが悲鳴を上げた。
「どうした!?」
「猫よ。黒猫! 不吉だわ! お兄様、ノワイエという人は魔女ではないかしら?」
「案ずるな、妹よ。ルイ九世の御代に、アルビジョワ派など異端は一掃されたのだから」
「ジャンさん、相手は正体不明の輩です。油断しないほうが……」
「まあ、ついてこい」
ジャンが一蹴した。
暗闇を松明の光が穿っている。探るように進むジャン。
やがて、ほのかに明かりが滲んだ場所へやってきた。
「誰だ!?」
どこからか声が上がった。
「ここにアルテュ―ル=ノワイエという歌手はおらんかね」
「お前は誰だ?」
「私は、ジャン=バティスト=リュリ。フランス国王つきの宮廷音楽家だ。ノワイエはどこにいる?」
やがて声の主がやってきた。
ボロボロの麻の服をまとい、一見すると乞食にしか見えないその男は、ジャンを頭のはしからつま先まで、まざまざと眺めた。
「そんな奴はおらん。帰ってくれ!」
登場人物の誰がしゃべっているのか不明です
非常に苦痛ですね
317:この名無しがすごい!
11/04/26 03:04:51.13 5Q4aK93b
>>295
そう言って踵を返し、また闇の中へと帰ろうとする男に向かって、ジャンが叫んだ。
「お前、今はフランスの運命がかかっているのだ。そなたらの奉ずる教えが異端であろうとなかろうと、構わない。私はただ、この世の最高の音楽にふさわしい歌声を持った歌手が欲しい。
国王の御前で演奏をする。そこで一曲歌ってくれれば、それで十分なのだ」
「そんなこと言われてもな。魔女狩りにでも遭ったらどうしてくれるね? とにかく帰ってくれ」
「ジャンさん、ここは引いた方が……」
航が言った。
「そうよお兄様、また日を改めて、ね?」
ジャンはひどく不満そうだったが、やがて男の岩のような重い態度に、元来た道を引き返した。
その日の夜である。
ジャンたちは、洞窟の入り口で、野宿をしていた。三人並んで、入り口で眠っていたのである。
月の明らかな晩だった。
空は黒く澄みわたり、星空が、真珠のように煌めいている。今にも地上に落ちてきそうなほど、鮮やかな星の群れは、過ぎ去りし太古の英雄や神話に生きた神々の想い出を秘めて輝き、
この夜の主役である月の美しさを一層素晴らしいものにしていた。
「あの星のように……」
ジャンが言った。
「音楽とは、無数の星々の中からそのいくつかを選び出し、星座へと結実させるかのように、無数の音から、その一つ一つを選んで、音楽にしていくんだ。音楽とは音の星座だ。
それは時として勇ましい英雄であり、悲しみを秘めた王女であり、若さに溢れる娘たちであり、人生の教訓に満ちた老人である。私の音楽は星座の如く輝く……。その輝きには、
アポロンの御加護がある」
ジャンがそう言った、その時だった。
一人の人間が、洞窟から出てくると、空を見上げた。
そして星空に向かって、突然、歌いだしたのだ。
それははっきりとジャン達に聞こえた。
降り注ぐ月光の中で、星空と、心地良い夜の闇を歌う声が、しんとした空気に刺繍のように縫い込められていった。
美しかった。
それは夜泣き鴬のように可憐で、月のように静かで、星のように輝いて、夜空のように無辺の深さに満ちていた。
これぞまさしくミューズの歌声だ。
航がそう感じた時だった。
傍らにいたジャンが、彼女に声をかけた。
娘は驚いて、歌をやめた。
「いや、やめなくていい。やめなくていいんだ。そなた、名は、恐らくノワイエだろう。今の歌声、まことに見事だった。その歌声に託して、頼みたい事がある。ヴェルサイユへ来てくれ!
国王が危ないのだ。病にかかって生死の境をさまよっている! 私は音楽の神、アポロンの御加護によって、その病を治そうと、この世の最高の音楽を捧げることにした。それを歌うのは、
やはりこの世の最高の歌手でなくてはならんのだ。頼む! この私に免じて、ヴェルサイユに来てくれ! 頼む!頼む!」
「お気持ちはわかりますが……」
ノワイエが返した。
「私は異教徒です。ヴェルサイユなどへ行ったら、魔女裁判にかけられます。私はこのアヴィニョンの地で生きていこうと決めたのです」
「それは案ずるな」
ジャンが言った。
「そなたは恐れ多くも勅令で国王の御前に召しだされる賓客だ。なに、一曲歌ったらすぐ帰っていい。そなたには指一本聖職者の指は触れさせない。だから頼む! 是非来てくれ! 頼む! 頼む!」
ひたすら押しまくるジャンに、ノワイエはふと、その眉が緩んだように見えた。
「わかりました」
ノワイエが言った。
「ヴェルサイユへ参ります。こんな私でも国王のお役に立てるなら、それも何かの巡り合わせでしょう。連れていってください。国王の御元へ」
「ありがとう!!」
ジャンは少年のように叫んだ。
そして直ちに馬車に乗るように、ノワイエに促した。
八:名盤を探せ!
「え、決定版!?……」
「そうよ、決定版を探しに行くの。有馬君のたどったであろう道を進めば、なにか手がかりがつかめるかもしれないわ」
二月も終りに近いある日、海江田真琴は七海を誘った。
待ち合わせは秋葉原の万世橋だ。
物語の目的が見えません。ここまでよんで何も得るものが無い。
狂人の妄言ですかねこれ。
318:この名無しがすごい!
11/04/26 03:07:11.05 5Q4aK93b
>>295
「ナイーヴレーベルから出てる、サント・コロンブのヴィオール曲集のTomeⅡよ。そしてシャルパンティエのテ・デウムのクリスティ盤、クープランのクラヴサン曲集よ」
次々と発せられる未知の言葉の洪水に、危うく溺れそうになった七海。
しかし、そこは航の幼馴染。しっかりと元のテンションに戻ると、こう返事した。
「行きましょう。東京中を探し手でも、入手しましょう!」
「そうこなくっちゃ」
銀座の山野楽器のクラシックフロアは、ズラリと並んだ輸入盤が溢れる、まさに「通」向けの店舗だった。
真琴がいなかったら、オロオロして、まともに来ることはなかったろう。
「ほら、ここが輸入盤コーナーよ」
真琴がフロアの一隅に七海を連れてきた。
「テ・デウムね、シャルパンティエだから、ここにあるはず……」
サ行の作曲家の個所を人差し指でなぞる。
「死者のためのミサ曲、真夜中のミサ曲……、うーん、ないなあ、あ、待てよ!? ここに声楽作品集がある!」
それはハルモニアムンディフランスの、風景画が描かれた五枚セットのCDボックスだった。
「主の御降誕のためのカンティカム、あった! 七海ちゃん、ここにあるわ!シャルパンティエのテ・デウム。これはお買い得な品ね。今日は幸先がいいわ」
全く未知の単語に出会い、七海は茫然としていた。
「あ、そうだった。七海ちゃんはバロック聴かないのよね。シャルパンティエはね、十七世紀フランスバロック音楽を代表する作曲家よ」
「はあ、そうなんですか……」
砂糖抜きの紅茶を飲むような気分だ。お茶は確かに口を通り、胃の中に入っていくのだが、いまいち、味がわからない。
「じゃあ次は、渋谷のHMVね。行きましょう!」
山手線の車中、七海は真琴に訊いた。
「ねえ、真琴さん、こうして航君と同じように輸入盤漁りをしていれば、いつか航君が行った世界に入れるのかな?……」
「それはどうかしら」
真琴はさらりと返した。
「CD漁りは名曲の海の中を行く航海のようなものよ。当たりに巡り合った時はまさに財宝を見つけた海賊ね」
渋谷の街は、スクランブル交差点に人が溢れ、東京でも有数の活気を呈していた。
HMVの店内に入るや否や、真琴はまたしてもその猟犬のような鼻をきかせて、輸入盤コーナーへと向かった。
「サント・コロンブ、サント・コロンブ……、あ、あった。ああ、残念、TomeⅡはないわ。店員さんに訊きましょう」
数分後。
「そうですか。廃盤……。残念です」
「ねえ、真琴さん、元気を出して」
七海がそう言うが、真琴が至極がっかりした様子だ。
「残念ね……。あれはサント・コロンブの魅力がわかったものの必聴盤よ。私、TomeⅠは持ってるから、Ⅱも是非欲しかったんだけど……」
昼休み。休憩のために入った神田の喫茶店で、真琴は今朝買った、シャルパンティエの声楽作品集をまざまざと眺めていた。
その眼は獲物を探す狼の眼のようで、傍らにいる七海にもドキドキした緊張感が伝わってきた。
「こうなったら秋葉原に賭けるしかないわね。石丸電気の秋葉原店なら、在庫量が豊富だから……」
「いつもそんな感じで航君と?……」
「ええ、そうよ。私もバロック音楽は好きだから」
ホットミルクティーを飲みほした真琴に、七海が尋ねる。
「ねえ、真琴さん、あの人、知ってます? さっきからずっとあたし達の跡をつけてきてるんです」
七海はそう言って、斜め向こうの席に通路を挟んで座っている一人の老紳士を眼でそっと示した。真琴は気づかれぬように、さらりと一瞥を与えた。「そうね。何者かしら」
二人は秋葉原へ向かった。
神田の古書店街から秋葉原へは、歩いて十五分程だ。
二人が歩いていると、例によってあの紳士が、黒い杖をつきながら歩いてきた。
「クープランのクラヴサン曲集、廃盤!? 在庫はありません?」
「少々お待ち下さい」
店員がパソコンで在庫確認をしている間、真琴は意を決して、ピアノ曲売り場の棚の棚の前にいたその老紳士に声をかけた。
「あの、私たちになにか用ですか?」
紳士は初め、ひどく狼狽していた。が、やがて覚悟を決めたのか、落ち着きを取り戻すと、こう言った。
「実は私はね、アポロンなのですよ」
そろそろ飽きてきたのでやめましょうかね。
ピアノがどうこう言ってるあたり最高につまらなかったです。他作品もあるようなのでそちらも感想書きたいですね。
また訳の分からない引用感想があるようなら後半も是非とも感想書きたいです。
319:この名無しがすごい!
11/04/26 03:10:04.47 U4RyuN3X
とりあえず
URLリンク(www5.pf-x.net)
の作者の事がわかった
320:この名無しがすごい!
11/04/26 03:25:16.71 TV4qEk0w
>>319
どういうこと?
あとこれ↓の解説もお願い
293 :この名無しがすごい!:2011/04/26(火) 00:34:54.55 ID:U4RyuN3X
これは作者自らが公開してるけど、親が見たら褒めてくれるのかな?
URLリンク(www5.pf-x.net)
321: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/26 04:13:49.41 eeUmsjzf
>>318
飽きた ×
疲れた ○
^^
322:この名無しがすごい!
11/04/26 06:05:04.74 5S0yXwDU
僕の一言でスレは動き始めた。そして、荒れた
323:この名無しがすごい!
11/04/26 07:42:38.98 f67GQi1n
音楽好きだから読めたけど、気分的には教科書読んでる感じ。
ようは延々うんちくなんだな。ノベルじゃなくて。
324: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/26 14:11:28.95 eeUmsjzf
感想を求めている人は、感想を付ける人が具体的にどこの部分に対してどう思っているのかを知りたいと思うので、
しっかり文章を引用して、自分がどの辺りに対してどう思ったのかを書くからね^^
そうする事で、感想を求めている人は一層理解しやすくなるよね^^
325:この名無しがすごい!
11/04/26 14:52:16.60 oEosfaD9
>>324
>(感想を求めている人)は、(感想を付ける人が)(具体的にどこの部分に対してどう思っているのか)を(知りたい)と思うので、
>(しっかり文章を引用して、自分がどの辺りに対してどう思ったのか)を(書く)からね^^
お前の文章意味不明過ぎ。文章構造が破綻してる。
326:この名無しがすごい!
11/04/26 15:02:43.52 MNqzsEoL
串はNG登録しているんだからレスするなよ
327: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/26 16:03:45.74 eeUmsjzf
>>325
>>1読め荒らし^^
328:この名無しがすごい!
11/04/26 17:41:11.91 wDCz5gVt
【アドレス】URLリンク(www5.pf-x.net)
【ジャンル】
【タイトル】浅草夢幻譚 凌雲閣の女
【評価基準】おもしろいか
【改稿】OK
じゃあ俺も
329: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/26 22:09:03.98 eeUmsjzf
^^
330:この名無しがすごい!
11/04/26 22:11:12.34 U4RyuN3X
「バトルティータイム」と「海に捧げるコンチェルト」は使うなよ
紅茶先生に悪いし
さすがにお前等にもそんな勇気は無いか
331:この名無しがすごい!
11/04/26 22:19:20.20 wDCz5gVt
【アドレス】URLリンク(www5.pf-x.net)
【ジャンル】
【タイトル】バトルティータイム
【評価基準】おもしろいか
【改稿】OK
こっちか
332:この名無しがすごい!
11/04/26 22:54:02.62 U4RyuN3X
さすがにそれはないだろうけど言っとく
331の引用は止めろよ
333:この名無しがすごい!
11/04/26 23:02:37.94 ZZJoH3Cg
>>328
あなたを買ってから十日になります。でも僕はまだ手を握ることも、抱きしめることも出来ない。声を聴くことも出来ない。いったいどうして、僕達は出会ってしまったのでしょう。
こうして一緒にいても、話しかけることすら出来ないあなたに、何故、出会ってしまったのでしょう。
忠晴はそう思いながら、部屋の寝台に仰向けに寝た。
眠れない夜にも、風が暴れまわる嵐の夜にも、忠晴は彼女のことを想っていた。それは絶えず燃え続けるフィラメントのように、心の中でじくじくと疼き、忠晴の胸を焼いた。
その胸は常に生生とした火傷に喘いでいた。
火照った顔を、枕に埋める。うつ伏せになり、寝台に敷かれている布団を歪める。
忠晴は寝台の上で、毛布を抱いた。そうして女性を抱く時の感触を試した。
あなたの体もきっと、この毛布のように柔らかいのでしょうね。
忠晴は囁いた。毛布に鼻を埋め、目を閉じる。冬のように近づいてくる眠気が身体を浸す。忠晴はその中にたゆたい、瞼(まぶた)の奥に心地よい眠気が降りるのを感じる。
眠りは心の番人だ。心の中に入ってくる原色の感情を整理し、必要の無い物、害をなす物を追い払う。全てをセピア色に変えて、額縁の中に押し込める。だが彼女だけは別だった。
眠っても眠っても、その姿は色褪せる事無く、かえって艶(なまめ)かしくなりながら、忠晴の心に住んでいる。大いなる眠りの平和な力も彼女にだけは及ぶことが無かった。
錆びた感傷を飲み込み、溶解して心を整える眠りまでも、彼女の前には悲しいほどに無力だった。
ああ、いっそのこと、出会わなければ良かった!
忠晴は思った。毛布を抱きながら寝台の上で震えていた。
忠晴は街に憧れていた。
それは屋敷での倦怠感を吹き飛ばし、鬱勃(うつぼつ)とした孤独感を跳ね返す街だった。胸の中で太陽のように輝き、前に向かって歩くことを考えさせる街だった。
浅草。この言葉は、淀んだ忠晴の胸に流れ込んできた。その中に顔を埋め、手で水を掬(すく)い、その清水の一滴までをも飲み干したかった。
初めて忠晴がこの街のことを知ったのは、学校の休み時間、同級生との会話がきっかけだった。
「活動を知らない?そんな奴がいるんだな」
彼はそう言って、さも自慢げに、どこぞの敵討ちだの嫁入りだのの話を、活動の活動弁士を真似ながら、濁った声で、その場面、場面を再現した。
浅草へ、活動を見に行きたい。
それが忠晴が浅草へ恋焦がれるきっかけだった。
「活動の他には何があるの?」
するとまたその同級生は得意げに言った。
「浅草には花屋敷がある。仲見世通りがある。大きな池がある。そこに藤棚の美しい池の橋がある」
それぞれの言葉が弾けていった。
そういう言葉を聞くうちに、浅草という言葉は、忠晴の中で根付き、根を下ろして、成長していった。六区の賑わいだとか、花屋敷という言葉が、その梢を茂らせ、幹を逞しくし、
木陰を黒く大きくしていった。その広い木陰で、池の中洲にかかる藤棚の美しさを、花屋敷の楽しさを、百美人の艶(あで)やかさを思い描いた。
浅草へ行きたい。忠晴は思った。
忠晴は九段の暁星学園に通っていた。その通学の足となるのは、運転手の山川が運転する黒塗りの自動車である。
もう六十にもなろうかというこの老人は、郷里の滋賀のことなどを話してくれた。
一日の課題を全て終え、学園の門の前で車に乗ったとき、忠晴は山川に行った。
浅草へ行きたい、と。
山川は言った。
「若様、浅草はいけません。浅草は。あれは若様のようなお方の通う街ではありませんよ。この山川、お父様からもよく言われているのです。蛾のような街にこの子を連れて行くなと」
昼の蛾のような街!この一言で、忠晴が描いた夢は一蹴された。忠晴は言いようの無い怒りを覚えたが、それ以上何を出来るでもなく、ただ山川のハンドルのままに、いつもと同じ道
を引き返して
、屋敷に帰るだけであった。帰り道に寄り道も無い、観光もない簡素な運転が、忠晴を連れ帰った。
こうなったらなんとしても、浅草へ行く。
忠晴はそんなふうに思った。
一行目から読み辛い
334:この名無しがすごい!
11/04/26 23:06:54.59 ZZJoH3Cg
>>328
そんな六月のある日、山川は朝から具合が芳しくなかった。彼は、急遽呼ばれた屋敷つきの主治医から、急性の心臓疾患の診断を受け、当分の間、仕事にはつかぬよう言われた。
動揺したのは母の静江であった。山川がいなければ、あの子は学校へ行けない。代わりの運転手も、そう早くは手配できそうにない。
忠晴は言った。
「僕がこの足で、学校まで通います」
初めは大反対だった。
「切符も買ったことが無いお前がどうやって学園まで行けるというの?」
「お母様、どうかお許しください。僕は一人で学校へ行って見せます。切符なんて簡単ですよ」
忠晴は言った。
最終的には、父の洋助が判断を下した。そうして数枚の一円紙幣が入った財布が、忠晴に渡された。
「これも、お前が一人前になる機会かもしれん」
洋助は言った。
初めて歩く街路は、甘い夢だった。髪を結った女性、洋装の紳士、杖に下駄履きの老人などが右往左往し、自動車が、路面電車が、道々に溢れていた。
もちろん忠晴は、学園などに行く気はなかった。
目指すは浅草だ。路面電車を待った。
その時忠晴は、東京市街の地図を手にしている訳でも、電車の沿線にどのような駅があるかも知らなかった。だからどうしたら浅草へ行けるかと、車掌に訊いた。ひたすら電車を乗り次いだ。
降りては待ち、来ては乗り、また降りる、そんなことを繰り返すたびに、街の顔が変わっていった。最後に乗った両国行きの電車の、広小路停留場が、小旅行の最後の駅になった。
浅草へ着いた。これは夢ではない。本物の浅草が、今、彼の目の前で繰り広げられていた。忠晴は地面を踏みしめ、浅草の中へと入り込んでいった。
それにしてもなんと音の多い街だろう。下駄の音が、草履の音が、そこらここらに交わされる言葉が、渡り鳥の群れの羽音のように、地上に轟いていた。左手には恐らく三階建てであろう楼閣が、
夏の日盛りの下、甍を誇っている。その手前には、西洋風にあしらわれた水色の駐在所が、花の無い花瓶のように空疎に置かれている。正面に見えるのは仲見世だ。入り口には檜の高札が
建てられ、途方も無く大きな字で、「開帳」と書かれていた。
およそあらゆる人種の百科事典とも言える雑多な人々が、仲見世通りを動いている。そこは奇態な色の展示場だった。軍人あり官吏あり、駐在の警察官あり。そして数多くの女たち。
あるものは芸者であったり、あるものは仲見世見物へと繰り出した洋装の婦人であったり、あるものは制服の眩(まぶ)しい女学校の生徒であった。 彼女らは笑いながら、仲見世を歩いている。
仲見世にならぶ商店は何れも堅牢な煉瓦造りで、店先には、二階部分にバルコンを配し、欄干を花で飾り、人形を置いている店あり、一枚の大きな紺色の暖簾に、店の家紋と扱う品々
を書いた店ありと、進んでも進んでも、店が続いた。塩、しょうゆ、鰹節、昆布、煎餅、餅菓子、団子の匂いが、一帯を領している。そうして上を見上げると、高い木の木陰に半ば姿を埋めて、
浅草寺の赤い山門が、巍巍としてそそり立っていた。その左手には凌雲閣の先端が見えた。
浅草寺の朱塗りの山門は、鮮やかな丹の色をして凝っている。褪せた瓦を連ねて、凛として佇んでいる。忠晴は山門を過ぎた。
忠晴の靴が砂利を踏み、浅草寺の境内へと入ると、まず右手に聳(そび)え立つ五重塔が眼を惹いた。紅白染めの大道芸人の小屋の向こうに、それは立っている。朱塗りの欄干に青い瓦
。浅草寺の主がこの五重塔ならば、浅草六区の主は、間違いなくあの浅草十二階だった。
浅草寺の境内から見たそれは、境内を取り囲む木立の向こう、夏の青空が地上の埃にまみれて色褪せるその場所に立っている。
凌雲閣。浅草の天守閣。祭りと祝祭の総元締め。
忠晴はきっと見つめると、そこに向かって歩み始めた。
入り口で四銭を支払った。忠晴は自分の紺色の制服が怪しまれはしないかと不安だったが、売り子はそんなことにかまうでもなく、釣銭を渡した。忠晴はえもいわれぬ快感を持ってそれを受け取った。
忠晴は屋上を目指して階段を登った。塔内を巡るそれは、一つ階を登るごとに、並んだ窓からの眺めを変えた。二階、三階と上るにつれて、自分の背中に翼が生えたような気持ちがする。
先ほどは花屋敷前の通りから見上げていた木立の梢が、手を伸ばせば届く程の距離に見える。さらに四階、五階と上ってゆく。忠晴は鳥になっていた。高みを目指して、雲を抜け天を駆ける
文法もまずいですね