【ラノベ】自作を晒して感想をもらうスレvol.35at BOOKALL
【ラノベ】自作を晒して感想をもらうスレvol.35 - 暇つぶし2ch190: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/22 15:20:44.14 lIcKokI7
>>170
>「そうかなー」
 広彦はズボンにしまっていた財布からあの紙切れを取り出し、都津へ向けた。
「おばさん、俺の母親と仲良かっただろ。このメモの相手のこと知らないかな」
 シワだらけの紙へ向いた都津の目が丸くなる。
「秋さんの見知らぬ友人? えー。なにこれ怖い」
「引っ越す前に渡されたと思うんだけど、誰だか分からないんだ」
「ふぅん。この人のこと知りたいの? 一応、お母さんに聞いてみる」
「頼む」
 紙をしまい歩き出そうとすると、都津が慌てて呼び止めた。
「ヒ……あ、えっと。連絡先教えて」
 すでに日は傾き、鮮やかな夕日が空を染めている。退屈そうに寝そべったダックスフントが大きなあくびをした。
 番号とメールアドレスを交換すると、都津は嬉しそうに携帯を抱きしめて言った。
「良かったら、今度うちにご飯食べに来てね」
「ああ」
 都津の家は昔の家のすぐ近くだ。そのことを思い出したのだろう、都津はハッとなった。
「あ、無理しなくてもいいから」
「飯がなくても行くよ。おばさんにはいろいろお礼も言わなきゃいけないし」
「そう? じゃあ、来れる日に連絡して」
 おもむろに、ダックスフントが起き上がった。リードを引っぱられながら、都津はぶんぶん携帯を握った手を振った。
「ばいばーい」
 小学校の時というより、幼稚園の時から都津は変わっていない。広彦はちょっと笑って手を振り返し、アパートへと踵を返した。
 歩きながら手に持った携帯を見つめる。あの紙切れの差出人。誰か確かめるには電話をかけてしまえばいいのに。広彦はそれをためらっていた。そうしなきゃならないと思っていても、両親のことと関わるのがまだ怖いのだ。
 
無駄な会話が多い

191: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/22 15:22:08.17 lIcKokI7
>>170
>砕け散るガラス。目の前を流れる血。わずかにくもった眼鏡。
 広彦は自分の悲鳴に驚いて飛び起きた。同時にひどい頭痛にうめく。冷や汗がどっと額を流れ、背筋が震えた。
 枕元で携帯が光っていた。震えのおさまらない手でそれをつかみ、通話ボタンを押す。時計の針は七時半を少し過ぎていた。
「はい」
「よう、起きてたかヒコ助」
「タケ兄……こんな時間に何の用?」
「初めての一人暮らしはどうかと思ってな。また悪夢にうなされたりしてねぇか?」
 何か特別な能力でも備えているのか。広彦はこめかみを押さえて息をつく。
「ないよ」
「ふぅん。その割りには声が暗いじゃねぇか。まあ、いいや。ちゃんと病院行っとけよ」
「分かってる」
 さっさと切ろうとして、はたと紙切れのことを思い出した。

最初不自然

192: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/22 15:25:39.66 lIcKokI7
>>170
>「そうだ、五年前の引越しの時の荷物に変なメモが入ってたんだけど」
 内容を話すと、笑いこそしなかったものの猛は揶揄するような口調になった。
「誰かの悪戯じゃねぇの? 気になるならかけてみろよ」
「そうなんだけど」
「代わりにオレがかけてやろうか」
「いいよ」
 広彦はうなった。猛のことだから相手が誰でもまずけんか腰になるに決まっている。
「そういやおまえがウチに来た時、親父たちが妙なこと話してたぜ」
「何?」
「すげぇ額の香典があったとか何とか。誰がくれたのか分からないから使っていいものかどうか話し合ってたよ。結局、おまえの貯金にしたみてぇだけど」
「……おじさんたち、この番号にかけてみなかったのかな」
 猛はちょっと思い出すような間を置き、言った。
「かけなかったんじゃねぇかな。怪しすぎるだろ」
「そうだよね」

やはり無駄な会話多い

193: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/22 15:33:21.08 lIcKokI7
>>170
>それからライブのことやら、猛の一人暮らしのノウハウを伝授されているうちに八時を過ぎた。広彦は電話を切り、震えのおさまった手を眺めた。
 ここのところ、昔の悪夢を見る回数が増えてきている。なくしてしまった記憶が頭の中で暴れまわっているかのようだ。
 まだ少し残る頭痛で重い体を布団の中から引きずり出し、雨戸を開けた。外の眩しさに目を細める。すっかり目が覚めたところで、朝食を作るため立ち上がった。
 部屋の掃除を終えたあと、コインランドリーへ向かった。休日なせいか堤防には親子連れが目立つ。意識的にそちらから視線を離した。
 洗濯が終わるまで待っている間、見るともなしに例の紙切れを眺めていた。殴り書きされている番号を見ては、もう一方の手に持った携帯へと視線を移す。都津からの連絡はまだなかった。
 アパートに戻ってしばらくテレビを見ていたが、昼食を終えると再び部屋を出た。
 堤防沿いを歩き、橋を渡る。それから、住宅街へと足を向けた。
 最悪の記憶はなくしていても、暮らしていた家への道は忘れていなかった。空き地が埋まって新しい家が立っている以外、家並みにはほとんど変わりがない。
 公園から二ブロックほど先へ行った区画。そこが広彦の家があった場所だ。
 しかし、総上家があった場所だけは、ぽっかりと穴が開いていた。広彦はつかのまその場に突っ立って、思わず苦笑した。
 まだ昔の家があると思っていた。もしくは新しい家が建ち、別の家族が暮らしていると思っていた。
 しかしそこはただの空き地で、石垣も、庭の木も、門も、広彦の記憶を刺激するものは何もなかった。それが良かったのか、悪かったのかは分からない。しかし広彦はホッとしている自分を感じた。そのことに無性に腹が立った。
 不意に、聞きなれた鳴き声が広彦を呼んだ。虎模様の猫が近寄ってきて、広彦のズボンに体をすりつける。
「トラ?」
 答えるようにニャアと鳴く。すらりとした美しい姿は見間違えようもなかった。
「おまえ、まだいたのか」
 微笑をにじませながら、広彦は屈んで懐かしい友人の頭を撫でた。青みがかった黒い目が気持ち良さそうに細まる。
「あれからちゃんと食ってるのか?」
 聞くまでもなく、トラの整った体格を見れば一目瞭然だ。
「おまえ、やっぱり誰かに飼われてたんだな」


聞き慣れた、おかしい。

194: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/22 15:38:13.10 lIcKokI7
>>170
>「おまえ、やっぱり誰かに飼われてたんだな」
 トラは尻尾を揺らしながら広彦の手に湿った鼻を押しつけ、ぺろりと舐めた。
「悪いな、今は何も持ってないよ」
 静かな瞳が広彦へ向き、しばし間を置いて、トラは小さく鳴いた。
「母さんはいないし、父さんもいない」
 あの最後の日。秋がこうしてトラを撫でてやっていたときのことを思い出し、広彦は手を止めた。もっと撫でろとばかりにトラは鳴く。
 ポケットから紙切れを取り出した。
 誰からか分からない多額の香典。この見知らぬ友人とやらは、両親の死について何か知っているだろうか。
 しばし迷ったのち、携帯を出して番号をダイヤルする。トラを撫でるもう一方の手が知らずに汗ばんだ。
 一回目のコールののち、相手はすぐに出た。
「はい。赤穂ですけど」
 少し訝しげな、くぐもった声。太った男を、広彦は連想する。
「赤穂、さん?」
「はい」
 その声が急に間近から聞こえ、広彦ははっとした。と同時に毛づくろいしていたトラがけたたましい鳴き声をあげた。その体をソーセージみたいな太い指がつかまえている。
 いつの間に現れたのか、癖のある髪をだらしなく伸ばした太った男がそこにいた。ジーンズにTシャツを着て、その上によれよれのジャケットをはおっている。二十代の後半といったところだが、髪型同様、いまいちしまらない格好だ。
「やれやれ、こんなところにいたのか」
 男は心の底から吐き出すような息をついた。同じ声と息が、耳に当てた携帯から広彦へ届く。広彦は携帯を閉じ、警戒しながら立ち上がった。
 男は肩に携帯をはさんだ窮屈そうな格好で、やっきになってトラをおさえている。海藻みたいな髪の毛の間からのぞく目が広彦へ向いた。

思い出す理由が弱い。

195: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/22 15:40:53.42 lIcKokI7
>>170
>「やあ。初めまして、と言ったほうがいいかな」
「あんたが?」
 メモを赤穂と名乗る男へ見せる。体格のわりに子供みたいな丸い目をじっとそれに注ぎ、赤穂は頷いた。
「やっぱり覚えてないか。お葬式のときに渡したんだ。受け取ってくれなかったから、服のポケットに押し込んでおいたんだけど」
 広彦は首を振った。赤穂は気分を害した様子もなく笑った。笑顔というものを忘れてしまったかのような引きつった笑みだった。
「それでもメモは取っておいてくれたんだ。良かったよ、連絡をくれて」
「母さんの見知らぬ友人って?」
「ああ、それは」
 頭をがりがりとかく。ぼさぼさの髪がさらに乱れる。
「何て書こうか迷ったんだ。お互いに面識はなかったけど、ボクは知ってたというか。つまり、お世話になっていたから」
 どことなく仏頂面になっているトラがニャアと鳴く。
「そうそう、この猫が、キミのお母さんに夕食をもらっていただろう」
「それじゃ、トラの飼い主なの?」
「飼い主、というのとは少し違うけど」
 赤穂はもごもごと口ごもり、せわしなく周りを見回した。
「こんなところで立ち話もなんだから、ボクの家に来ないかい。何か話したいことがあるから電話をくれたんだろ」
「ああ、だけど」
 広彦は少し迷ったが、赤穂に助け舟を出すようにトラが鳴いた。ついてこいといわんばかりに広彦を見つめている。
「堤防のところに車を止めてあるんだ」
 赤穂について歩きながら、広彦は都津にメールを送った。赤穂という名前を知っているか確認だ。返事はすぐに来た。

この程度の展開なら退屈する。

196: [―{}@{}@{}-] この名無しがすごい!
11/04/22 15:44:45.83 lIcKokI7
>>170
>Re:いまメールしようとしてたとこー
猫御殿の赤穂さん、知ってるの? すっごいお金持ち、何でかおばさんたちの命日には必ず、総上くんが住んでた家の前で手を合わせてるの
だから、お母さんが、その見知らぬ友人っていうのは赤穂さんのことじゃないかなって
「猫御殿?」
 思わず声に出して呟くと、赤穂はちらりと振り向いた。
「あ、知ってるんだ」
「差出人不明の香典っていうのも……」
「ボクだよ。あんまり大した額じゃなかったけど、多すぎても困らせるだけかと思ってね」
「ただ猫の面倒を見てたって理由だけで?」
「いや、それだけってわけじゃないよ」
 またもごもごと口ごもる。
「とりあえず、うちにおいでよ」
「遠いの?」
「車で三十分くらい」
 オレンジのワンボックスカーが、わずかに歩道に乗り上げる形で止まっていた。広彦は後部座席に乗り込んだ。赤穂は猫を助手席にのせ、キーを差した。
「近いうちにキミに連絡を取ろうと思ってたんだ。電話をくれて良かった」
 ニャア、というトラの鳴き声。
「ご両親のことは本当に悲しい事件だった。改めてお悔やみを言わせてもらう」
「事件? 事故として処理されたって聞いてるけど」
「ああ、うん、そうだったね」
 赤穂はルームミラー越しに不思議そうに広彦を見た。
「聞いてるけどって、キミは当事者だろう」
 広彦は窓の外へと視線を移し、肩をすくめた。
「覚えてないんだ」
 赤信号で車が止まる。まるで示し合わせたように、赤穂の顔とトラの顔が同時に覗いた。
「覚えてない?」
「あのとき何があって、どうなったのか、何も覚えてないんだよ」
「……そうか」
 赤穂は急に納得したような様子になって頷いた。
「記憶喪失というやつか。よっぽどショックだったんだね」
 馬鹿にされているような気がして、広彦はカチンとした。
「あんたは何か知ってるのか?」
「それで、どうしてここへ戻ってきたんだい?」
 即座に聞き返され、ちょっと言葉につまった。赤穂が慌てて付け足す。
「ただの質問だよ」
「……思い出すために」
「五年前のことを?」
「そう」
 青信号に変わり、列が動き出す。車は滑らかに左折した。ハンドルを操作しながら、赤穂は呟いた。
「それじゃあ、ちゃんと認識してもらわなきゃね」
 訝しげな目を運転席へ向ける。ルームミラーの中で、赤穂はいびつに笑った。
 
会話を省略すべき

197: [―{}@{}@{}-] DEATH LEGO ◆jMdquu9xa6
11/04/22 15:49:10.16 yrKC4SK9
これは私の真似をしているのか?w

198:この名無しがすごい!
11/04/22 15:58:52.78 Fo14bKS1
どうせお前なんだろ


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