10/11/24 20:57:49 +kGxDYjX
「ふむ、僕の得意料理か。得意と言えるかどうかの判断はいずれキミに委ねることになるだろうが、比較的蒸し料理を作ることが多いかな。どうだねキョン、理由がわかるかい?」
質問に質問で返すんじゃありません!と言いたいところだが、一応俺の質問には回答してるんだよな。
えーと、佐々木といえば。知性と理性を以て成る、古泉曰く10人中8人が一見して目を引かれる美少女。が、どれほど優れた外見的特徴といえ、この際考慮する必要は無い。
てことで内面。知性と理性を以て成る、故に佐々木の行動は基本として論理で考え、原則として合理性を追求し、必然的に無駄は省く。……無駄は省く!?そうか!
「分かったぞ佐々木、お前が蒸し料理を好む理由、それは蒸し上がるまでの時間を有効利用できるからだ。
蒸し物なら、煮物のように灰汁取りしたり焦げ付かないように掻き混ぜたりしなくていいし、炒め物のように絶えず鍋やフライパンを揺すったりする必要が無い。どうだ?」
「概ね正解。蒸し時間に注目したのはさすがだよ。ただし、空き時間が作れるだけじゃない。蒸し料理は食材によって蒸し上がるまでの時間が違うから、それを計算して蒸籠を重ねてゆくのがまた楽しいんだ。
また、調理に油を使わないし、肉類から余分な油を落とすことでカロリーも抑えることができるのもポイントだね」
「なるほどな。」だが、カロリーを落とし過ぎるのも考えものだぞ、という呟きは、そっと心の内に留めておくことにした。佐々木が俺の視線に気付いていないことを祈るばかりだ。