11/08/11 21:13:25.87
最後の「マタイ十章、二八」からの引用
「身を殺して霊魂をころし得ぬ者ども」と、
「身と霊魂とをゲヘナにて滅し得る者」の対比だけど、
26歳の読者は前者で、安吾的な堕落をも辞さない人は後者だと読んだ。
土台が崩れ去った敗戦後の底なし状態の日本では、
多くの人がトカトントンのようなものを抱えていたんじゃないかと思う。
「堕落論」のラディカルなメッセージ性というのとは異なって
「トカトントン」にはユーモアとアイロニーがあるけれども、
両者は「特殊な状況」によって生まれ、そこに向けた作品だと思うね。