11/08/04 22:27:35.14
安吾の論旨が明確じゃないというよりも、
論旨を表現し展開する上において整理されていない、
というか分裂したようなところを抱えていると思うね。
それはたとえば、こんな箇所に見られる。
それにも拘らず美しいものを美しいままで終らせたいという
小さな希いを消し去るわけにも行かぬ。未完の美は美ではない。
その当然堕ちるべき地獄での遍歴に淪落自体が美でありうる時に
始めて美とよびうるのかも知れないが、二十の処女をわざわざ
六十の老醜の姿の上で常に見つめなければならぬのか。
これは私には分らない。私は二十の美女を好む。