11/08/06 17:53:36.86
>>104
まあ柄谷は最後にレヴィナスのハイデガー批判を持ち出して、
ハイデガーと安吾を最終的には切り離してるわけだけど。
あと「堕落」からモラル的な意味合いを拭うために、
安吾の荷風批判という裏付を出してるね。
107:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 17:59:29.54
>>106
レヴィナスか。「他者」問題という哲学的課題に最終的に安吾は回収されるわけだ。
荷風に既製文壇人を代表させて、荷風を批判することで、既製文壇人のすべてを
批判しようという意図でもありそうだ。
108:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 18:04:14.05
まあ、柄谷の安吾論でニーチェもちだすというのは、あまりにも期待の地平に
そいすぎているというか。 お約束すぎて、かえって論のインパクトを弱める
恐れがあるよねーきっと。
109:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 18:10:24.71
>>103では、「堕落」 → 「モラル」 → 「ノンセンス」という具合に概念が
自己展開していくのが、みてとれるですね。
110: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 18:12:25.42
>>98
持ってるよ。いい本だよね。柄谷は堕落論が倫理的だって言ってて、それはその通りだよ。
>>101
>堕落論はどこまでも知的な書物といいたかったと思うんだよ柄谷は。
そう、知的って言い方も出来るよね。実際柄谷もそう思っていたと思う。
>それ安吾批判なの?
勝手にそうじゃないかって思ってたんですけどねw
111: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 18:17:00.76
>>106
安吾「永井荷風なんて、「私はエロじゃない」なんて言ってるけど、エロな野郎だと思うな。俺は。」
112:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/06 18:17:01.34
>>107-108
まあ柄谷は「他者」が好きだからw
哲学的タームに回収されるというイメージは
やっぱりハイデガーの名前を出した影響が強いと思うな。
後でレヴィナスの「他者」を持ってくるために
戦略的にハイデガーを持ち出してるように読めるよw
だから、その柄谷の戦略はあまり好きじゃない。
113:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/06 18:24:20.48
>>110
倫理的という言い方にかなり注意を払ってるぜ?
114:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 18:25:15.73
>>110
>勝手にそうじゃないかって思ってたんですけどねw
インテリ批判は、全集「我が毒」にもたくさん載ってるな。
安吾はインテリというには、もっと無頼的というか。
小林が安吾を追悼した文章、読んだことあるが、かなり
良かったね。
>>111
志賀を批判して、ついでに荷風も切るというところか、谷崎は
どうなんだろう。 小林は菊池寛をもちだして、安吾に切り返し
安吾に菊地はエライって同意させてるね。傍からみると
ほとんど力づくだね
115: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 18:25:43.31
>>113
必読書150の「堕落論」の項を読んでみて下さい。
116:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 18:26:50.46
>>112
「堕落」をハイデッガーの「頽落」と比較した時点で、そのあとのルートは
既に決まっていたというか。
117:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 18:28:12.00
>>112
「他者」という言葉も、一時期流行しすぎて、すり切れた感があるな。
118: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 18:28:36.06
>>114
また見つけたら貼りますよ。つーか追悼文読んでみたい。全集に載ってます?
菊池寛のくだりは笑えるところでしょう。「我々と直接取り引きするものが出てない」ってどういう意味だと思います?
119:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/06 18:30:32.69
>>115
その本は持ってないw 「堕落について」では、
安吾の堕落が「倫理的であるのは確かだが、そんなふうに気安く倫理といってはいけない」
と柄谷は書いてるよ。
この「倫理」という言葉もレヴィナスにつながるんだが、
俺はモラルとの対比としてしかこの言葉に意味はあまり感じないよ。
120:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 18:33:07.14
>>118
たぶん安吾の追悼文は全集に載ってるとおもう。確かめては無いけど。
>我々と直接取り引きするものが出てない
安吾にいわせりゃ、菊地は「小説を書く必要の無い文士」だし、小林に
いわせりゃ「菊地の偉さは活字に表現されてない」っていうんだ。
文士にとって、交流の手段、取引の手段というのは、小説という作品であり
書籍に印刷された活字でしょ? 菊地の本領はそこにないっていうんだから
つまり、文士が使う通常の直接的な交流手段でもって、菊地をしることは
できないと、そういうことじゃないかなあ。
121:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/06 18:33:44.19
>>116
そうそう。
だから柄谷が「堕落」からモラル的意味合いを拭う部分は理解できるけれど、
柄谷の安吾論からも哲学的意味合いを拭ってやりたいw
122:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 18:35:33.01
>>121
まあ、安吾にあらためて注目を集めるためには、特異で知的な解釈が
必要だったっていう事情もありそうだよね。 それはそれで理解できる。
123:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/06 20:17:13.60
なんかすごいなー。哲学とか思想勉強したことなくて、全然わからない...。やっぱり大学時代に頑張っておけば良かったな。何から読むべきかすら全くわからない。
とりあえず、私も坂口安吾と中上健二読んでみよう。
124: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 20:20:03.02
>>119
それは、柄谷の「倫理21」で使われた「倫理」という意味で「倫理的」なんだと思う。
その本の中で柄谷は「道徳」と「倫理」はしばしば混同されている、として言葉の定義から始めてたな。
>>120
俺は、要するに金に困ってる文士(われわれ)に気軽に金をくれた菊池寛の偉さって事じゃないかと思ったんだけど…w
125:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 20:21:10.33
>>124
なるほど、その解釈はとっさに思いつかなかった。 それが正しいそうだ。
126: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 20:23:48.29
なんで正しいってわかるの?
127:吾輩は名無しである
11/08/06 20:27:17.45
裁判官倫理と社会規範すなわち道徳に齟齬があるから裁判員制度が始まるという例で充分
128:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 20:28:17.35
>>126
菊地は金持ちで面倒見がよさそうだから、当時の作家で世話に
なったのが多いというのは、それなりに根拠ありそうな話だなーと
おもったのさ。
129: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 20:31:41.47
>>128
しかも菊池寛は見所のある文士と見れば気軽に金をあげるのが癖だったらしいですからね。ヤリたかったのかなあ?
130:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 20:33:13.44
>>129
男と? そっちの趣味はなかったんじゃ…
131: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 20:34:19.26
でも、今そういう人っていないね。儲けてる人は死ぬほど儲けてるはずなのに、まあそういう人は出版業界にはいねえのか。
132: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 20:35:32.74
>>130
いや、菊池寛に男色の傾向があったのは史実らしいですよ。まあ俺もクソWikipediaを読んだだけだけどw
133:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 20:35:54.27
出版業界は、もはや構造不況業種だし… IT系でもうけてる社長さんとか
気前がよさそうな。
134:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 20:38:49.24
>>132
あー、書いてあるね、ウィキペディアに。 両性愛者の傾向があったって。
愛人がいっぱいいたとも書いてあるね。 金を文士にあげたって話も
載ってるね。
135: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 20:39:36.92
Wikipediaって全然信用ならないですけどねw
136:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/06 20:40:44.54
>>124
柄谷「倫理21」は読んでないよw
まあ「道徳」と「倫理」の対比はもちろん柄谷の専売特許じゃなく、
少なくとも道徳批判をしたニーチェには遡れるし、
場合によってはスピノザの「エティカ」までいくだろう。
それはともかくとして、「倫理」をどう定義するにしろ、
「堕落論」を形容するのに「倫理」という言葉は必要かい?
137:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 20:46:47.25
>>135
まあ、ウィキペディアの文章も、反証されるまで、ひとまず命題として
定立させておくのはありだろう。 あくまで一時的な定立にすぎない
ことを意識しておけばいいんじゃないの。
どうしても、もっと確かめたいなら、参考文献をあたってみればよい。
138:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 21:03:46.55
まあ、参考文献にあたってみたからって、それが絶対確実とか思い込まない方が
いいのは無論だけど。
139:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 21:04:38.86
>>121
既に柄谷によって救われているのでは?
140: 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/06 21:24:22.32
>>123
私にもさっぱりwww
『坂口安吾と中上健次』、文庫なのに1,470円かー(((・・;)
皆さん買ってるの?
141:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/06 21:26:56.50
>>139
まあ柄谷をめぐって安吾を語るとスレが少々硬くなっちまうw
たまにはこういうのもいいけどね。
142:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/06 21:32:22.67
>>123 >>140
ちょっと硬い話が続いたね。
マグナの書き込みはまだだけど、
みんなだいたい書いたようだから
そろそろ太宰「トカトントン」に切り替えるか。
続きは安吾スレもあることだし。
143:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/06 22:46:45.53
>>140
俺は買ったよー。 話がさっぱりわかんない? それは柄谷の論文が
難しく書かれてるせいか、俺の引用と論立てがまずいのか、おそらく
どっちかだろう。 実際、たいして高度な内容のこと書いてるわけじゃないし。
というわけで、理解できずとも気に病むことはなく、『坂口安吾と中上健次』
無理に買う必要もないとおもいます。
>>141
やっぱ、あんまり理屈っぽくなりすぎると駄目みたいね。 柄谷を
とりあげたのが、俺の間違いだったかー。
144:吾輩は名無しである
11/08/06 22:49:08.19
というより持ってる人間でないと反証が出来ない
145: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 22:56:52.15
>>136
倫理の他に適当な言葉があればいいけど、ないじゃない。
>>137
そうですね。その程度の参考情報としてなら有意義ですよね。
>>140
講談社文芸文庫は高いけど良書が揃っていますよ。
146:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/06 23:01:56.16
>>145
講談社文芸文庫、私も好き~
147: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/06 23:06:10.91
棚ごと欲しいですよね…
148:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/06 23:45:22.09
石原が新堕落論とか書いてるらしいねw
ある意味興味がある
149:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/07 00:27:08.16
ちょっと読んだよ、新堕落論。 安吾について触れているのは、ほんのちょっと
だけで、あとはほとんど、石原が今までいってきたことを、また使い回してる
だけだな。 内容的には、今までの石原の言説と、ほぼかぶってる。
正直、このスレでとりあげるほどのものとは思わなかったw
150:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/07 00:52:32.48
その程度だろうと予想はつくけど、ある種の退廃というか、倫理の欠如と結び付くことによって、安吾の堕落論や日本文化私観が、戦後いかに誤って伝播して来たのか、という例証にはなるのではないかと思う。
151:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/07 06:48:42.21
>>143
そんなことないですよ。わからないながらも楽しいし、いい刺激になります。
152: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/07 08:31:18.05
石原慎太郎みたいなのの自己肯定に使われたらたまんないよね。
153:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/07 11:52:20.37
>>145
まあ「倫理」でもいいんだけど、柄谷色=思想性を少し薄めたい。
俺なら、そうだなー、「生存の美学」とでも呼びたいかな。
エティックス(倫理)というよりはエステティックス(美学)。
「人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ。」
この安吾の言葉を読んで、堕ちることに果たして「正しさ」なんて見出せるだろうか、
と思ってしまうけど、もうこれは思想じゃなくて生き方でしかないんじゃないか、
そういうふうに解釈したんだよ。
154: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/07 11:57:24.00
小林秀雄も言ってたね。思想をつくるとは言わない、生き方をつくるという、君はそういう人だ、と。
155:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/07 12:20:17.65
>>153
ちょっとわかるような話になったみたいなので、再び参加。的外れだったら、ごめんなさい。笑ってスルーお願いします。
「生存の美学」しっくりくるなと思いました。美学に反して生きぬくという美学、ということになるのでしょうね。
堕ちることの「正しさ」については、続の「先ず裸となり、とらわれたるタブーをすて、己れの真実の声をもとめよ。」ということかなと思いました。確かにこの一文は、思想ではなく生き方なのだなという感じがしますね。
156:アセンション携帯
11/08/07 12:20:50.46
その小林秀雄の言い方でいいと思うな。しかし鈴木が柄谷を読んでたのは意外だったw
157:アセンション携帯
11/08/07 12:25:50.43
ニッパがひいてる言葉にあるように、削ぎおとしのスタイルだよね。
158: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/07 12:48:12.28
柄谷好きですからね。でも小林のほうがもっと好きです。
159: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/07 12:49:59.38
でも今の人は大抵柄谷から小林を知るんじゃないですかね。
160:アセンション携帯
11/08/07 13:30:25.40
たまたま「坂口安吾と中上健次」と「小林秀雄対話集」は読んでたけど
柄谷も小林も鈴木は俺よりかなり読んでるみたいだなあ。
161: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/07 13:34:40.53
いやいや、別にそんな事ないですよ。俺もたまたまですよ。
162:(@∀@) 株価【E】 ◆ANOSADJXD6
11/08/07 14:13:55.47 BE:209924238-PLT(13334) 株優プチ(book)
自分も堕ちているのに、ずるくたち回って後付けの屁理屈を唱えて
見事に堕落していく奴を笑ってみせる連中など、安吾は歯牙にも
かけないでしょうね。
堕落とは精神の生き残りをかけた真剣勝負、決死のダイブです。
悲しい滑稽な跳躍です。
堕落とは、昨日まで「勝利の栄光かしからずんば死か」でグイグイ泳いでた
情理というものが、理屈上の選択肢としてはガン無視してたまさかの敗北
という巨大な
丸太んぼにガンとぶち当たった時、ヤア目から火が出た星も出た、ハトもピポピボ飛んでいる、エイもうこうなりゃ自棄だ、
どうににでもなりやがれサア殺せ、さてどうなりゆくことですかね、…て時に、
ジェリーを追っかけててプレッサーでぺちゃんこになっちゃったトム、
ロードランナーに頭の上を走られてバリカンかけられたようにハゲちゃったコヨーテ
いい気持ちで走りすぎてガケの先の空中で気が付き、慌ててエッサホイサと足踏みすする
シルベスターやピンクパンサーになったつもりくらいの、いちかばちかの大開き直りで
これを笑っていいのは、落ちまいともがき続けてる奴だけです。
163:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/07 14:16:49.97
>>143
そっすかー、それはひと安心w
>>150
それ例証するのは結構骨だな。 まず石原の新堕落論を買って読み、安吾についての
文章を読んで、それを解釈せねばならない。 そして正しい「堕落論」や「日本文化私観」の
読み方を定立し、それと石原の解釈を比較せねばならない。 やっぱ手間だ。
164:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/07 14:59:53.67
新堕落論についてもせっかくだからちょっと感想を。
論の全体的な構成を把握すると、まず戦時中における農村映画の映画の企画についての話が
ふられて、それに刺激され農民精神なるものの実情を、安吾は、大化の改新にまで遡って
考察するんだね。で、農民精神は美徳であるという政治的言説に反発して、そんなのは
美徳でも何でも無い、連綿とつづいていたのは退嬰的精神以外の何者でもないと断定し
それから、農民精神の政治的な称揚は、天皇制の政治的必要性と密接に結びついていると
かぎつけて、天皇制批判にいたるわけだ。安吾の農本主義批判が、大化の改新まで射程を
もってる批判であることと平行して、安吾の天皇制批判も、貴族や武士の時代まで遡り
いかなる時代にあっても、天皇は権力者に政治的に利用されるだけの存在であったと
明言される。それで日本における天皇の政治利用の集大成が、八月十五日終戦の詔勅
だったというんだね。たとえば、河上徹太郎は、終戦の詔勅はひとつの奇跡だっていうんだが
安吾はそういう言説に激しく反発するわけだね。こんなのは、からくりであり、ペテンであり
天皇制がある限り、日本に真の人間性が開花することはありえないってね。
で、話はこれでおわりになるかというと、そこから論は尾崎咢堂のコスモポリタニズム批判へと
流れていき、しまいには共産主義批判になるんだな。当時において、もっとも急進的に
天皇制批判やってたのは共産主義者だから、ここで共産主義批判へと論を転回させるのは
論旨の一貫性を自ら解体する行為と、共産主義者にみなされても仕方ないんじゃないか。
安吾は、論旨の辻褄をあわせることより、論を様々な方向へ開いておくことを優先したので
一貫性とおもわれるものを自ら放棄したと、続堕落論の構成はこのようなものであると
とりあえず一つの解釈を提示しておく。
165:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/07 15:01:18.08
で、次回は「トカトントン」かぁ。ま、のんびりといこっと。
166:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/07 15:01:53.68
>>164は続堕落論の感想ね。新堕落論と書いてしまったのは間違いです。
167: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/07 15:11:25.60
ビックリしたw
168:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/07 16:46:46.33
「欲するところを素直に欲し、厭な物を厭だと言う、要はただそれだけのことだ。好きなものを好きだという」これ、鈴木さんぽいですね。鈴木さんをほとんど知らないのでイメージですが。安吾の言う堕落はプリミティブだったのか。
>>164
>天皇制批判やってたのは共産主義者だから、ここで共産主義批判へと論を転回させるのは
>論旨の一貫性を自ら解体する行為と、共産主義者にみなされても仕方ないんじゃないか。
続堕落論で取り上げられ、批判された共産主義は、論の構成としては天皇制と並立するように私は読みました。
天皇制も共産主義も完全無欠ではない制度の例で、安吾はそういった制度を完成させることはできない。徐々に良くしていくだけ。という形で論を閉じているので、一貫しているのかなと。
169:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/07 17:02:45.01
武士道も天皇制も共産主義も、安吾にとっては「カラクリ」なんだよね。
底なし状態での落下をくいとめようとするカラクリ。
170:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/07 17:04:41.02
それで、堕落がカラクリの母胎なんですね。
171:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/07 17:13:57.86
そうだね。堕落しなきゃ新しいカラクリも作れない、と。
そしてそのカラクリを壊しては作り、作っては壊ししていく、と。
だから堕落論と続堕落論でちょっとトーンが変わってるね。
172:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/07 17:16:52.48
「人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ。
そして人の如くに日本も亦堕ちることが必要であろう。」
(堕落論)
「人は無限に堕ちきれるほど堅牢な精神にめぐまれていない。
何物かカラクリにたよって落下をくいとめずにいられなくなるであろう。」
(続堕落論)
173: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/07 18:58:16.55
>>168
嬉しいですありがとうございます
174:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/07 21:09:26.82
>>171-172
そうですね。続堕落論だと、堕落論では曖昧だった救いの道がより明確に示されているように思いました。続まで読むとすごく分かりやすくなる。
175:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/07 22:31:29.58
>>174
そうそう。堕落論のラディカルさと抽象性が続堕落論では現実的・具体的になっていく感じ。
176:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/08 00:55:31.03
では、今度はショボンのお題による太宰治「トカトントン」で。
URLリンク(www.aozora.gr.jp)
初出=「群像」947(昭和22)年1月号
177:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/08 01:03:14.45
>>168
共産主義も天皇制も完全無欠ではないから、完璧な制度を最初から求めるのではなく
徐々に制度を良くしていくしかない、か。 まあ、常識的、穏健、漸進的なアプローチ
であると思いますね。
とはいえ、作家安吾が常識的、穏健な作家というと、私はそうは思わないんで、安吾の
生活をおってみると、むしろ破滅型に近いなあ、無頼派とよばれたのもさもありなんだなあ
と思うわけですよ。で、「堕落論」「続堕落論」も、常識で穏健な論とは、ほど遠いと
思うんですねw
続堕落論の末尾部分からひくと
>文学は常に制度の、又、政治への反逆であり、人間の制度に対する復讐であり、しかして、その反逆と
>復讐によって政治に協力しているのだ。反逆自体が協力なのだ。愛情なのだ。これは文学の宿命であり、
>文学と政治との絶対不変の関係なのである。
天皇制への批判も、共産主義批判も、社会制度論、ひいては政治に関する言説であると
おもわれるが、いままで政治制度についてさんざん論じたあげく、最後に文学は政治への
反逆といいだすというのは、これはもう今までの議論をすべてちゃぶ台返しにするくらいの
展開といえて、つまり天皇制批判も共産主義批判も結局政治論であり、文学はその政治と
本質的に敵対するものだと、安吾は文学者として書くわけだ。支離滅裂ともいえようが
破滅主義の作家にはふさわしい論旨の展開ともいえる。
178:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/08 01:03:54.92
で、そのあとも
>我々の一生などは露の命であるにすぎず、その我々が絶対不変の制度だの永遠の幸福を云々し
>未来に対して約束するなどチョコザイ千万なナンセンスにすぎない。無限又永遠の時間に対して、
>その人間の進化に対して、恐るべき冒涜ではないか。
などと、いいたい放題いうのだが、さすがに言い過ぎとおもって
>我々の為しうることは、ただ少しずつ良くなれということで、人間の堕落の限界も、実は案外、
>その程度でしか有り得ない。
という具合に話を締めにかかるわけだ。この「良くなる」というのが、何が良くなるのを意味するのか
それは簡単には把握できないと思われる。社会制度の漸進的進歩か、個人の倫理的陶冶か、いままで
あらゆる道徳的価値をさんざんひっくり返しまくったあげく、あらわれたこの「良くなる」にどのような
内容がありうるのか、安吾自身、そのような可能性の余地を、既にほぼ抹殺しているようにも思われる。
このような展開は、破滅型、自己破壊の情熱に駆られた文学者にふさわしい弁証法だと俺はおもうなあ。
179:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/08 01:09:00.24
>>172
どうかなあ、そのくらいの表現のゆらぎは、堕落論にも続堕落論にも
あるとおもうがなあ。
堕落論より
>だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう。なぜなら人間の心は苦難に対して
>鋼鉄の如くでは有り得ない。人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、
>堕ちぬくためには弱すぎる。
続堕落論より
>日本国民諸君、私は諸君に、日本人及び日本自体の堕落を叫ぶ。日本及び日本人は堕落しなければならぬと叫ぶ。
>我々は「健全なる道義」から堕落することによって、真実の人間へ復帰しなければならない。
>表面のきれいごとで真実の代償を求めることは無理であり、血を賭け、肉を賭け、真実の悲鳴を賭けねばならぬ。
>堕落すべき時には、まっとうに、まっさかさまに堕ちねばならぬ。道義頽廃、混乱せよ。血を流し、毒にまみれよ。
>先ず地獄の門をくぐって天国へよじ登らねばならない。
180:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/08 02:17:19.54
安吾自身はぶれてないけど、ノリで結構いい加減なことを書くんだよこの人は。
実は俺、堕落論はあんま認めてない。
それより「私は海をだきしめていたい」みたいな自伝的エッセイとか、出来損ないみたいな小説のほうがはるかに素晴らしいと思う。
181:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/08 02:37:59.20
上の引用とか読むと、一見、身も蓋も無い剥き出しの欲望を肯定しているようにも読めるが、
じつは安吾ほど、そうした「裸体」に倦み疲れ、嫌悪している作家もいない。
182:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/08 02:45:11.80
>>179
そう引用されれば確かにその通りで、表現のゆらぎというか、
まあ堕落論でも続堕落論でも表現の巾はあるんだけど、
全体的な印象でいうと堕落論のほうがラディカルかつ抽象的な色彩が濃い目、
続堕落論のほうは言葉は荒っぽい割にやや現実主義的なヴェクトルが強め、
という受け取り方をしたよ(特に「カラクリ」に 対する言及の部分)。
しかし今回は鈴木のレスにちょっとしびれたな。
細かい表現のほかはほとんど異論がないw
183:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/08 07:00:53.81
>>177
安吾は最初から文学者として政治に反逆していたんだと思います。
「文学は常に制度の、又、政治への反逆であり、人間の制度に対する復讐であり、しかして、その反逆と復讐によって政治に協力しているのだ。」
上記文の趣旨としては、文学
184:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/08 07:23:32.97
失敗!
>>177
おっしゃる通り全体通しての論展開に揺らぎはあるのですが、安吾は最初から文学者として政治に反逆していたということで一貫していると思います。
文学はいつでも政治のアンチであって、それ故に政治に協力している。アンチを唱えていれば、政治が良くなるかも知れませんから。ということなのかと。
私この部分、結構好きです。
>>178
確かに良くなるについては抽象的ですね。
破滅型、自己破壊という感じはなく、論全体を通してですが、前を向いて貪欲に生きる姿勢を感じています。
>>180
>安吾自身はぶれてないけど、ノリで結構いい加減なことを書くんだよこの人は。
なるほど。そんな感じがしますね。論展開が雑、だけどそこが力強いようにも感じいます。
>>182
私鈴木さんの読解にほぼ異論ありませんでした。
185: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/08 08:05:49.18
>>177
でも安吾が根本的に政治制度を拒否していたと考えれば一貫してるんじゃないかと思うな。こちらの制度の方がよい、とは言わないわけでしょう。
>>178
安吾にとって良くなるっていうのは、人間として好きなものは好きと言い、嫌いなものは嫌いと言えるマッキーのような人間になる事だと思う。
>>179
その表現が矛盾しているとは俺は思わないんだなあ。
>>180
安吾いい加減な事書かない
>>182
ありがとうございます
>>184
そうです。堕落論は生き方なのです。政治の堕落は論じていないのです。政治と人間を別次元のものとして定義し直してるだけなのです。
186:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/08 08:25:09.53
>>185
政治制度の拒否はしていないと思います。あくまで反論するだけであって、受け入れてはいるのだと思う。多分、消極的な受け入れではあるけれど
187:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/08 08:26:32.38
トカトントンに移りにくいから、続きあれば安吾レスに移ったほうがいいのかな。
188: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/08 08:31:36.34
>>186
「人間性と政治制度は相入れないものだと考えていた」って言った方がいいかしら。安吾スレに行った方がいいんですかねえ。
189: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/08 08:33:11.94
でも、もう少しここでやってもいいと思います。
190:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/08 13:02:56.35
>>188
それなら、なっとくです。
191: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/08 13:09:20.55
ナスカの地上絵みたいにハードコア
192:(o`.´o)materialist ◆m0yPyqc5MQ
11/08/09 10:37:34.06
藁貸し増すねぇ~(笑)
193:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/10 01:05:04.71
>>187-189
まああまり引っ張るのも良し悪し。
続きは安吾スレということで次のお題にいこう。
太宰治「トカトントン」。
URLリンク(www.aozora.gr.jp)
194:吾輩は名無しである
11/08/10 01:54:04.86
『トカトントン』読みました。
金槌の音は、この男性が作り出した音ですよね。主観的に情熱を感じた時、同時に下らないと客観視する自分がいる。トカトントンの音が聞こえるときは、客観視が勝ったときだと考えています。
けれど、客観視が出来るからといって、彼は決して冷静な観察眼があるわけではないと思いました。自らを俯瞰できる自分は、他の人と違って理知的(学があるということとは別で)なのだと考えている。一種の自己陶酔なのではないでしょうか。
うまくまとまりませんでした。支離滅裂だ…
195:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/10 09:39:54.56
トカトントンについて。
まだ覚めやらぬ戦争の気分の中で響いた音は、紛れもない日常の音です。それは、戦時中たかった信念と共に人生を突き進もうとしていた人間を戦争のない日常へ引きずり出した。
制度からの脱却に関しては安吾の堕落ですが、どんな状況下でも生きる貪欲さみたいなものに欠けている。その後の白けた感じというのは、燃え尽き症候群に近いのではないかと思いました。
このような認識で読み進めていくものの、この物語の肝であろう最終段落マタイの箇所にて躓く。
「身を殺して霊魂をころし得ぬ者どもを懼るな、身と霊魂とをゲヘナにて滅し得る者をおそれよ」
マタイの福音書では、前者を人民、後者を神として、身体を殺されることではなく、霊魂をも殺されることをおそれなさい。という感じに読めるのですが(たぶん)、
トカトントンにおいてはゲヘナという名の現世に没することのできる、つまり醜態をさらしている人々を畏敬せよ。ということになるような気がするんです。
正直、分からない。上記の読みだとしたら、作品全体としてはそこまで退廃的でもないのかも知れない。言うならば、後ろ向きに全力疾走しているというところかなと思いました。
みなさんは最終段落どう読まれましたか?
安吾と絡めたかったのですが、読みが浅くてかなわず。ショボンさんごめんなさい~。ショボンさんの感想楽しみにしてます♫
196:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/10 09:41:21.50
>>194
客観視と自己陶酔。その方が太宰っぽいですね。私、安吾に引っ張られすぎたかなぁ
197:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/10 09:50:18.89
>>194
そっか、トカトントンを機会に主観主体と客観主体が入れ替わるんですね!面白いなぁ!!すごく面白いな!!!
198:吾輩は名無しである
11/08/10 10:43:32.11
手紙であることが重要なのです
命がある人間が叩くリズムなのに命がない様に聞こえる一方通行の恐れです
ですから確実に言えます。この手紙に返信は来ない
199:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/10 15:22:14.90
堕落論についてのレスは、坂口安吾スレに書いておいたよ~
坂口安吾 part6
スレリンク(book板)
200:佃煮マニア ◆I/bnTKgLlU
11/08/10 20:01:51.75
トカトントン読了。
戦争のストレスはそりゃあ甚大なもので、それが原因で病む人も多かったでしょう。
私も幻聴を聞いた事があるので、手紙の主人公のように狼狽する気持ちもわかります。
でも、幻聴に対して反応とかってしちゃいけないんですよね。
幻聴に対して耳を澄ましたりすると、余計に酷くなったりするものです。
お経を読んでもお祓いをしてもらっても大して意味がありません。
201:佃煮マニア ◆I/bnTKgLlU
11/08/10 20:03:58.10
>>200の続き
・・・だから、ニヒルで冷たい作家に手紙で懇願してもどうなるものでもありません。
脳の聴覚野がヒートアップするから起こるんであって、それが収まれば幻聴も消えます。
幻聴についてのうんちくはこれくらいにしておいて、トカトントンの主題についてですが、
幻聴のトカトントンとは大工仕事の音の暗示であって、戦後の再建への願いが形になったものかもしれません。
そうだとするとあんがい聞き流せたりするかもしれませんね。
202:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/10 20:45:46.19
>>201
>幻聴のトカトントンとは大工仕事の音の暗示であって、戦後の再建への願いが形になったものかもしれません。
確かに!願いかは分からないけれど、戦後復興暗示していそうですね。気づかなかった~
203:194
11/08/10 20:46:06.48
>>ニッパ椰子さん
>そこまで退廃的でもないのかも知れない。言うならば、後ろ向きに全力疾走しているというところ
ここに同感です。
戦後なんて、皆やる気を失って抜け殻のようになっていたものだとばかり思っていましたが、作品全体からは暗い活力を感じます。何故活力を感じるのかは、まだ考えている所ですが…
204:194
11/08/10 20:49:15.73
あ、戦後復興を暗示している音だとしたら、活力を感じさせた理由も分かりますね
205:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/10 20:53:36.10
194さん
そっか!そうかも~。しかし、復興暗示の音で白けるってちょっと謎。やっぱり、ラストの段落重要だと思うんですが、読みに自信ないんですよね。
206: 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/10 21:53:36.30
>>194さんの言うように、トカトントンの音は主観から客観に切り替わる音だと思います。
ニッパさんのように白けた感じの燃え付き症候群と言ってもいいかもしれません。
しかし佃煮さんのように、復興暗示の音ととるのも面白いと思います。
敗戦を経験して、当時の日本国民は避けられ得ない無気力感に苛まれていました。
信じていた天皇像は嘘のように崩れ去り、神風も吹かないことを知りました。
トカトントンは何事も最後まで心をいれてやり遂げることのできない無気力の象徴だと私は考えました。
>>194さんの言う、冷徹な観察眼がないというところはこの無気力感に起因するのではないでしょうか。
何事にも無気力で、物事を深く考えることにすら情熱を注ぐことのできない手紙の主は、自らを取り巻く出来事に対する判断力を当然持ち合わせ得ないように思われます。
作家の返信については後ほど。
207: 忍法帖【Lv=2,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/10 22:13:27.13
トカトントンダウンロードしました
208:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/10 22:30:44.12
>>206
無気力の象徴か、なるほど~。作家の返信についても楽しみ!私は全然分かりませんでした。
>>207
感想楽しみにしています。
小説は読み解きに幅があるところがおもしろいなぁ。
209: 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/10 22:32:50.31
問題の作家の返信ですが、この返信の主意は「堕落論」同様、堕ちるところまで堕ちろということだというように思います。
というのもこれらの部分。
>十指の指差すところ、十目の見るところの、いかなる弁明も成立しない醜態を、君はまだ避けているようですね。
>真の思想は、叡智よりも勇気を必要とするものです。
これらの部分が意味するのは、人の目など気にせずに一握りの勇気をもって、退廃的生活をおくれということだと思います。
「いかなる弁明も成立しない醜態」を退廃することだととったわけです。
酒に溺れ、異性への欲望に忠実になることで、真に生きることができるのだ、と。
太宰は自ら実践する退廃生活を奨励しているのです。
そしてこの引用、
>マタイ十章、二八、「身を殺して霊魂をころし得ぬ者どもを懼るな、身と霊魂とをゲヘナにて滅し得る者をおそれよ」
正直言って私はこの引用と退廃の関連を見出だせないでいます。
太宰はここで、魂の抜けたような手紙の主を、鼓舞しているのだと私は読みました。
また、さきほどトカトントンは主観から客観への転換と書きましたが、絶対から相対とも言えるでしょう。
そう考えると、聖書からの引用は絶対的なものを提示するという役割をももつと思います。
210:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/10 22:41:36.40
>>209
前半部分、ほぼ異論ありません。
後半、マタイについて
>また、さきほどトカトントンは主観から客観への転換と書きましたが、絶対から相対とも言えるでしょう。
>そう考えると、聖書からの引用は絶対的なものを提示するという役割をももつと思います。
は面白いですね!194さんのとつなげるといいレポートが書けそう。
やっぱりマタイは分かりにくいですよね...。
211: 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/10 22:43:24.83
ここでひとつ問題があります。
滔々と自らの体験について語ってきた手紙の主でしたが、手紙の末尾で「ウソばっかり書いたような気がします」と書いています。
この部分、手紙の信憑性を損なう悪影響をもつと思うのですが、それならば、どうして太宰は手紙の主にこのようなことを書かせたのでしょう。
これについて、私には考えがあるのですが、それを書く前に皆さんの考えを聞いてみたいのです。
いかがでしょう?
もちろんトカトントン全般の感想も募集中です。
212:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/10 22:59:30.24
おっ、いろいろ面白そうな視点がすでに出てるね~
213:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/10 23:48:17.10
>>211
本当に夢中になったことはあとで思い出すとしばしば夢のように感じられるものだし、手紙を書いている最中も聞こえ続けるトカトントンでヤケクソになっているのかな~、くらいの認識です。全然注目してなかった。
ショボンさんの考え、なんだろうなぁ~
214:194
11/08/11 00:49:35.84
>>211
私は、半ばヤケクソに書いた手紙の内容を、尊敬している作家に否定されてしまったらどうしようと考え、免罪符と言いましょうか、万一否定された時もこの言葉をクッションにすることで誤魔化せるから、あえてこの言葉を書いたのかもしれないと考えます。
こう考えると手紙の主は、相当体裁を気にする人間みたいになってしまいますね。
215:アセンション携帯
11/08/11 20:49:01.65
太宰「トカトントン」。なかなか構成の面白い作品だね。
26歳の読者が作者太宰らしき人に宛てた手紙、という形をとり、
最後に作者らしき人からの短い返信を置いている。
青年はポツダム宣言の時に聞いて以来悩まされている「トカトントン」の音は、
労働者のデモを見てもトカトントン、恋心を抱く女性と話してもトカトントンと、
いろいろな場面で青年の思考回路をホワイトアウトさせてしまう音なんだね。
とはいえ、ニヒリズムに導く音かというと、どうもそうでもないらしい。
「あのトカトントンの幻聴は、虚無(ニヒル)をさえ打ちこわしてしまうのです。」
「トカトントンの音は、虚無の情熱をさえ打ち倒します。」
216:アセンション携帯用
11/08/11 20:57:34.14
で、「某作家」はその青年に対して「気取った苦悩ですね」と返信する。
「いかなる弁明も成立しない醜態を、君はまだ避けているようですね。」
「真の思想は、叡智よりも勇気を必要とするものです。」
この箇所をショボンが言うように「堕落論」とつなげることができるかもしれないね。
で、26歳の読者と某作家は、どちらも太宰の分身じゃないかな。
この作品で太宰は自問自答してると読んだよ。
217:アセンション携帯用
11/08/11 21:13:25.87
最後の「マタイ十章、二八」からの引用
「身を殺して霊魂をころし得ぬ者ども」と、
「身と霊魂とをゲヘナにて滅し得る者」の対比だけど、
26歳の読者は前者で、安吾的な堕落をも辞さない人は後者だと読んだ。
土台が崩れ去った敗戦後の底なし状態の日本では、
多くの人がトカトントンのようなものを抱えていたんじゃないかと思う。
「堕落論」のラディカルなメッセージ性というのとは異なって
「トカトントン」にはユーモアとアイロニーがあるけれども、
両者は「特殊な状況」によって生まれ、そこに向けた作品だと思うね。
218:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/11 21:26:55.98
>>211
>手紙の信憑性を損なう悪影響をもつと思うのですが
そこのとこぜひ!
手紙を出した青年は文学や絵画が好きだよね。
ゴーゴリ、鏡花、尾形光琳なんかの名前が出てくるところから見ても。
しかも小説を書いたこともある。
だから、この手紙は青年のフィクションとも読めるね。
219:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/11 21:35:34.33
>>216
>で、26歳の読者と某作家は、どちらも太宰の分身じゃないかな。
>この作品で太宰は自問自答してると読んだよ。
私もそうじゃないかなって思いました。どこかで、実際に太宰が受け取った手紙がもとになってるとか聞いたように思うけれど、それは本当かな。
>>217
>最後の「マタイ十章、二八」からの引用
>「身を殺して霊魂をころし得ぬ者ども」と、
>「身と霊魂とをゲヘナにて滅し得る者」の対比だけど、
>26歳の読者は前者で、安吾的な堕落をも辞さない人は後者だと読んだ。
やっぱり、そうですよね。元の意味からはすり替わってるみたいですが、それは気にすること無いのかな。そうするとゲヘナは現世のこと。すごい言いようだなぁ。
>>218
それは面白いですね!
220:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/11 21:56:55.37
>>219
へぇ~そういうエピソードもあるのかあ。
どうも太宰の作り話っぽいけどねw
>そうするとゲヘナは現世のこと。すごい言いようだなぁ。
そうだよね。滅びの谷としての現世。
青年はニヒル(虚無)への情熱をもてないでいるけれど、
徹底的なニヒル(虚無)へと精神も身体も向かえ、と。
221:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/11 23:47:18.20
>>220
ニヒルへの情熱をもてないのに、救いの道はニヒル...なんか、じっさいは救いがないみたいですね。
ちなみに私は虚無を目指すのではなく、醜態を晒す=ゲヘナに滅すると読みました。
222:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/12 10:18:32.75
>>221
たぶん近いと思うんだけど、翻案するとこういう感じかなw
「おめえさんは、そのトカトントンとかいう音について、
虚無の情熱をさえ打ち倒します、なんてぬかしやがるが、
全身全霊で虚無に飛び込むことさえしてねえで何が悩みだ。
ふざけんじゃねえぞ。おめえさんの苦悩なんてのはただのポーズだ。
虚無の中に問答無用で飛び込んで醜態を晒してみろってんだ。
真の思想ってもんに必要なのは、叡智なんてもんじゃなくてな、
虚無の中で生き恥を晒すことも辞さない勇気なんだよ。わかったか小僧。」
223:吾輩は名無しである
11/08/12 10:19:58.73
野狐禅だな
224:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/12 10:21:43.77
ただこう書くと本当に安吾に近くなってしまうけど、
これは一面で、もう一面があるのが太宰だね。
225:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/12 16:00:50.66
>>222
わかりやすい!かつ面白い~
226: 忍法帖【Lv=15,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/12 16:19:28.87
みなさんすごいなー。
私が一番言いたいことは大方触れられてるwww
「ウソばっかり書いた」と手紙の主に書かせる効能について。
一つには、そしてもっとも重要なことには、虚無すらを呑み込む無力感にとりつかれた青年は、決して熱心になってはいけなかった。
無気力な青年が小説じみた体験談をものすことに全力を傾けるのは不自然なことだと、太宰は考えたんじゃないかな。
そしてこの小説に対する姿勢は、太宰の物書きとしての生き方にも通じる。
すなわち、道化師としての太宰。
その表れが、処女作集に題された『晩年』というシニカルな題名だったり、『人間失格』の連載中に恋人と心中するという全く普通ではない人生の幕引きだったりするように思う。
とはいえ「走れメロス」に代表される、旺盛な作家生活の間に生み出した作品群もあるわけで、ここに一貫してニヒルに浸りきれなかった、一途にならざるを得なかった太宰の人間らしさが伺えて、そしてそれが私を惹き付けるわけだ。
また一つには、読者を裏切って衝撃を与える効果をもつと思う。
それまで青年の救いのない悩みを聞いていて、憐れの情を募らせていた読者は手紙の末尾で衝撃を受ける。
青年の純朴なイメージは薄れ、代わりに懐疑の念が深まる。
思えば太宰はこの裏切り方を得意にしている。
長々と自分の考えを述べておいて、「いや、そうではない」と言ったような。
作者の主意を汲み取ろうとして振り回される読者は、うまい言葉じゃ言えないけど、作品に酔わされるんじゃないかな。
なんだかうまくまとまりがつかなくなったけど、私の考えはこんなところですwww
227:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/12 21:00:12.92
なるほど~。
太宰って道化師としての自分をいつも客観視していて、でも道化師になりきることができない。ってイメージがあって、問題となった手紙の末尾で、という訳ではないのですが、青年とかぶるなと私も思いました。
なんか、今ひとつ現在を生きる自己に没頭できないようなところがありますよね。
太宰、中学か高校の時に熱心にほぼ全作品読んだんだけど、随分昔なので間違ってるかも....何か間違ってたら教えて下さ~い。
それはそうと、ショボンさんは太宰好きなのかな。全体的に熱の込もったいい文章ですね!
228: 忍法帖【Lv=15,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/12 22:47:40.63
>>227
よくお気づきでw
太宰大好きでございますwww
229: 忍法帖【Lv=15,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/12 22:49:44.71
してみると、ニッパさんも読書がお好きなんですね。
ほぼ全作品とは、全く敵わない。
230:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/12 23:33:27.77
>>229
単なる凝り性なんです。気にいるとその作家ばかり読む。読書量自体はすごく少ないですよ!
231:アセンション携帯
11/08/13 08:26:18.47
ショボンもニッパも太宰をかなり読んでるみたいだなあ。
例の一節はショボンが言うような意味で虚構性を認識させる効果は大きいんだろうね。
俺は太宰はそんなに読んでないんだけど、この作品は印象深くて記憶に残ってた。
でも堕落論と並べてみるなんて、今回指摘されるまでは思いも寄らなかったよ。
232:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/13 22:55:34.68
ショボンさんセンスいい~
233:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/14 06:26:52.56
太宰の「トカトントン」 読んだよー。
後半部の一節。
「あんまりつまらないから、やけになって、ウソばっかり書いたような気がします。
花江さんなんて女もいないし、デモも見たのじゃないんです。その他の事も、たいがい
ウソのようです。」
なんで、今までの自分の告白を否定するような一節を最後に述べたのか。一部で
問題視されているので、俺なりの解釈を考えてみる。
「トカトントン」の音は、終戦時に聞こえてきたのに始まって、仕事に打ち込もうと
したとき、恋愛へのめり込もうとしたとき、社会運動へ投身しようとしたとき
スポーツマンの努力に感動したとき、いつでも聞こえてくる。手紙の後半になって
くると、「トカトントン」が聞こえてくる頻度は加速して、すべてがフラットに
相対化され、世界が無意味になっていく過程もより加速してくんだな。
世界の無意味性が加速してくと、読者のほうには「トカトントン」を中心にどこまでも
相対化される世界、その中心である「トカトントン」への疑念がより増すんではないかと
手紙の送り手は考えたわけだな。
「トカトントン」の音は、実は毎回聞こえていたわけではなかった、と種明かしするかわりに
女に惚れたとか、社会運動に挺身しようと考えたきっかけになったデモを見たというのも
ウソだったとか、いかにも事実らしくみえた挿話を手紙の作者は虚構化する。それは次に
続く「トカトントンだけはウソではないようです。」という言葉をひきだすための前振りに
見えたな、俺には。
234:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/14 06:42:53.14
で、手紙を受け取った某作家は、マタイからの引用によって、手紙を書いた青年に答えるの
であるけれど、手紙にはキリスト教のすばらしさに感動したとたん、「トカトントン」が
聞こえてきた、という話はないので、つまりこの落ちに落とすために、手紙の内容で
わざと宗教に触れなかったと、俺にはこう見えるな。
マタイからの引用で落ちをつけようとするくらいだから、太宰は結構キリスト教について
関心が強かったのかと思ったね。ところで前回の読書会では、安吾の作品がとりあげられた。
その安吾が、太宰が心中したあとに書いた「不良少年とキリスト」という文中に、太宰と
キリスト教の関係について何かヒントないかと読んでみたが、ほとんどなかったな。
安吾が、芥川と太宰を比較してるのが、気にかかったくらいで。安吾にいわせりゃ
芥川も太宰も不良少年であって、両者のキリストとの関係は同じであったそうな。
>不良少年の中でも、特別、弱虫、泣き虫小僧であったのである。腕力じゃ、勝てない。
>理窟でも、勝てない。そこで、何か、ひきあいを出して、その権威によって、自己主張をする。
>芥川も、太宰も、キリストをひきあいに出した。弱虫の泣き虫小僧の不良少年の手である。
まあ、確かに芥川は「西方の人」書いたし、太宰もキリスト教については関心を抱いていたので
両者の関心の質には似たところがありそうである。
235:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/14 06:57:01.88
「トカトントン」というトンカチの音、何かシンボリックな意味があるのかなこれは。
キリスト教とトンカチといえば、イエスの父親ヨゼフが大工だったという話を
連想するな。トンカチを叩いてるのは、ヨセフなのかな?
236:吾輩は名無しである
11/08/14 07:30:32.37
ならば誕生はどこで暗示されているのだろう
237:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/14 07:36:20.09
誕生? 別に作中にもどこにもキリストの誕生など暗示されてないんじゃない。
それが何か?
238:アセンション携帯
11/08/14 11:07:12.11
太宰とキリスト教の関係ってどうなんだろ
トカトントンだけではつかめないねえ
239:アセンション携帯
11/08/14 11:25:55.10
大工によるトカトントンという音を、俺自身は抽象的なものとして読んでたんだけど、
それを佃煮のように戦後復興の音と考えることもキリスト教との関連で考えることも一応可能だなあ
240:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/14 11:57:54.95
なんか、マタイのは本来の意味と違う気がするんですよね。関心があったという程度かな。駈込み訴えとか読んでみようかな。
241:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/14 12:11:03.92
>>239
トカトントンは戦後復興のシンボルって読みもありかなーとは思ったが
それだと、なんでトカトントン聞くと、なにもかもやる気がなくなるのか
それがちょっと理解できないかなーと、思うね。
242:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/14 12:21:01.05
そう言われてみると、確かに。私は戦争のない日常の音かなって思いました
243:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/14 12:27:41.02
なにか非日常的な情熱をもとうとすると、それに冷や水をあびせかけるように
聞こえてくる、日常に帰れというトカトントンの音か。 しかしまあ、恋愛とか
仕事とかスポーツとかに夢中になれるというのは、むしろ日常性への埋没と
いうようにむしろ思えるね。
244:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/14 12:45:07.38
実は、俺が「トカトントン」について、はじめて知ったのは、出久根達郎の
エッセイでなんだよねー。三島の太宰嫌いは有名だったが、その三島は
実は太宰の影響を強く受けてるんではないかというの。
三島は「喜びの琴」という戯曲を書いてるが、交通整理してる警官の耳に
どこからともなく琴の音が聞こえてくるという設定が、「トカトントン」の影響
受けてるんじゃないかっていうの。 俺はなるほどねー、とおもったねw
245:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/14 12:48:22.09
太宰は、「如是我聞」でも、聖書からの引用ではじめてるし、聖書を読むために
ギリシャ語勉強したこともあるっていうし、やはりかなり関心もってたんだろうな
キリスト教には。それで太宰は芥川も尊敬してたと。 やはり芥川のキリスト教が
太宰のモデルになったのかなぁ。
246:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/14 13:28:30.25
トカトントン、トカトントン…
チントンシャ、コロリンシャン…
247:佃煮マニア ◆I/bnTKgLlU
11/08/14 14:19:20.69
う~ん。幻聴に意味付けするのがそもそも間違っているのかも知れないなあと思えて来ました。
そもそもあれはただのノイズだという学者もいるんですよね。
248:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/14 14:24:39.01
これは太宰の創作で、実際にこういう幻聴聞いた患者がいたってわけじゃないっしょw
この手紙の送り手って実在するのかな。この手紙もやっぱり太宰の創作でしょ。
249:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/14 14:28:21.14
>>243
1度目は日常へ強引に戻された為の白けで、あとはパブロフの犬みたいなものかと思いました。白けると聞こえる。聞こえると白ける。
どの読みもおもしろくていいなと思います。
私は>>194さんの主観主体と客観主体の入れ替わりってやつが好きです。
250:佃煮マニア ◆I/bnTKgLlU
11/08/14 14:31:11.01
>>248
ああ、そうかも知れない。
何かと必死な手紙の主に対する作家の皮肉たっぷりの態度が、いかにも太宰と似ていて笑えるんですよ。
251:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/14 14:50:11.42
>>249
終戦の衝撃も、仕事も恋愛も労働争議もスポーツも、トカトントンのあとでは
すべて同じ価値しかなくなってしまうという意味で、俺は初回のトカトントンと
それ以降のトカトントンに違いがあるようには思えなかった。まあ、それは
ひとそれぞれだろうが。
>>250
某作家というのは、これは太宰本人を意味してるんだろうな。それしか
考えられないが俺にはいまんとこ。
252: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/14 22:10:23.98
トカトントン読みました。太宰治は好きじゃないけど、やっぱり読ませる力が凄いね。
少しづつ読もうと思っていたのに一気に読んでしまいました。
253:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/14 22:22:44.21
まあ安吾が一流の規格外品だとすれば
太宰は最上級の二流品だからな
254:アセンション携帯
11/08/14 23:35:32.49
この作品は鈴木もぐいっと読めると思ってたよw
ムーのはどういう意味?
255:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/14 23:49:34.96
太宰はサービス精神の塊だからね。
そこが物足りないっちゃ物足りない。
トカトントンの感想、ちょっと遅くなるかも知れないけど近々に書きます。そんときにでも改めて
256: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/14 23:55:35.97
そうだね。こういう男はモテるだろうなって太宰治に対して思った。
257: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/14 23:56:56.77
敗戦の雰囲気を知るにはもってこいだね。終戦記念日直前に堕落論とトカトントンを読めて良かったよ。
258:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 00:09:33.28
二流は言い過ぎだったかな。
「右大臣実朝」と「斜陽」はまぎれもない傑作だと思うし。
でも「人間失格」はクソ
259: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:11:20.49
斜陽は安吾が褒めてたんだっけ?不良少年とキリストに出てきた気がする。
260: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:14:18.60
人間失格は最低だよね。それは同感。なんで持て囃されるのかわからない。
あれはなんで自分が人間失格だと思ったんだっけ?その理由にムカついた。
太宰は何人も女を殺したしあれより恥ずかしい事は沢山してるはずなのに。
261:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 00:14:25.24
そうだったかな?
柄谷がどっかで誉めてた記憶はあるけど
262: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:15:39.75
ムーさんも言ってたけど、人間失格より人間廃業のほうが素晴らしい作品だよ。
263: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:22:17.71
太宰治は人殺しでしょう。大岡昇平の俘虜記みたいに「なぜ私はあの女を殺したのか」とか詳細に分析したりしてたら尊敬したけど、とても無理だね。
264:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 00:23:49.03
人間廃業?
それ知らない
265: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:23:57.17
「女が勝手に死んだんだ」って思ってたのか?人として最低でしょう。本人は人として最低だと思ってないのがムカつくわ。
266: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:24:58.68
>>264
ここで梯子を外されるとは思わなんだ!ハメたな?ムーさん!!
267:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 00:26:05.05
いやマジで
ニンゲン合格じゃなくて?
268: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:27:27.77
人間廃業は90年代のアダルトビデオの人気シリーズです。単体女優が大人数の男優とひたすらセックスするという内容だってムーさんに教えて貰った。
269: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:30:14.98
ニンゲン合格は見れてないんだよね。ムーさんにDVD焼いて欲しいなー。
人間廃業をムーさんが褒めてたって言うのは嘘です。でもさすがに知らないとは思わなかったw
270:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 00:31:52.55
知らんわ。
あと映画はフロッピーディスクには焼けんわ
271: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:35:59.08
あらやだ!僕の書き込みなんだか薄ら寒い感じになってて、極限的恥ずかし変異が起きるかも知れない…
>>270
ブルーレイドライブとHDMI端子がついてるPC買えばフルハイビジョン映画鑑賞環境まで手に入りますよ。そういう発想はないの?
272:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 00:39:07.71
それ揃えると俺のDVDコレクションが無駄になってしまう…(涙
あと数年はブルーレイなど存在しないかのように自己暗示を続けないと
273: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:41:58.36
普通に突っ込むけど、無駄にはならないだろ。とりあえず薀蓄垂れると、ブルーレイドライブはDVDも最高の画質で再生出来るんだぜ。
274: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:42:54.58
でもこれ以上はスレ違いだから続きは伊佐坂スレでやりましょう。
275:吾輩は名無しである
11/08/15 00:44:49.74
なんでおまえらはどのスレも糞スレにしてしまうんだ
いいかげんにしろ
276:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 00:47:52.12
いや、アップコンバート時の映像補完技術は確かにそこそこすごいけど
フルHDと比べるとやはりダメだよw
277:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 00:48:46.44
失礼しました♪
278: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:49:14.17
なんか夜中にテンション上がってきてダメだね。こりゃ寝れねえや。睡眠薬でも飲むか。そして不良少年とキリスト読むか。
279: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 00:49:52.91
続きは伊佐坂スレで♪
280:吾輩は名無しである
11/08/15 01:31:14.92
人間廃業なんて知らなかった。
鈴木をAV通として認めよう。
281: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 01:33:24.09
光栄です。しかしそんなに詳しくはないですよ。
282:吾輩は名無しである
11/08/15 01:37:13.13
長瀬愛知ってる?
283: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 01:44:57.66
知ってる。今ね、安吾による太宰の追悼文「不良少年とキリスト」を読んでいるんだよね。タイムリーでしょう。俺睡眠薬飲んでるし。三錠。
284:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/15 01:47:49.02
「不良少年とキリスト」にも、一カ所小林秀雄への言及があるんだよねえ。
安吾も、こんなとこまで、小林秀雄もちだすかとw
まあ、安吾の太宰批判ってのは、小林の芥川批判を下敷きにしてるような
ところがあるね。
285: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 01:52:51.25
そこを抜き出そうか。iPhoneで。
フツカヨイをとり去れば、太宰は健全にして整然たる常識人、つまり、マットウの人間であった。小林秀雄が、そうである。
太宰は小林の常識性を笑っていたが、それはマチガイである。真に正しく整然たる常識人でなければ、まことの文学は、書ける筈がない。
でもさ、安吾は批判はしてなくね?俺は安吾は太宰を友達として、悪いところもいいところも認めた上で真摯に追悼していると感じたな。
286:吾輩は名無しである
11/08/15 01:57:59.41
長瀬愛知ってるとはやはり通だ。可愛かった。
安吾が太宰をどう思ってたのかも鈴木に完全に同意。
287: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 02:01:01.88
>>286
ありがとう。まだ読んでるよー
288:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/15 02:01:30.14
>>285
>悪いところもいいところも認めた上で真摯に追悼していると感じたな。
これはいい感想。 俺も同意。
289:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/15 02:08:34.88
小林にとって芥川は友達じゃなかったが、安吾にとって太宰は友達だった
この違いは大きいな。
290:吾輩は名無しである
11/08/15 02:12:02.79
じつは安吾のほうが太宰より3つ年上なんだよね。それが絶妙な年齢差のような感じもあって、兄が弟を見ているような優しさも感じた。
291: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 02:21:58.55
まず、俺が途中まで読んで思ったこと、不良少年とキリストは歯痛の話から始まる。
やっばり安吾はシャブで歯をやられてたんだなあって思った。俺もひどかったもん。
今は簡単に神経を取ってもらえるから痛みはそれほどないんだが、神経ない歯多い。
292: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 02:22:49.87
あと「借金は陰鬱なる病気也」ってフレーズが身に染みた。、
293: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 02:25:03.16
>>261
不良少年とキリストより
その死が近き頃の作品に於いては「斜陽」が最もすぐれている。然し十年前の「魚服記」は素晴らしい
294:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/15 02:29:55.69
>>290
三つ違いか、まあ微妙だなあ。同年齢の友達というには。
>>291
歯はみんな修理したの? 歯のメンテだけはやっとけーw
>>292
借金は大変だよなー。俺も借金はあんまり抱えたくない。
しかし、世の中には「借金は男の勲章」って考え方もあるらしい。
不思議な考え方だよねw
295: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 02:36:39.06
>>294
歯医者に半年通って治しました。
借金は勲章ってのはバブルの考え方では?w
296:N ◆.a7VUr.VD.
11/08/15 02:39:23.10
>>295
そうだなあ。その言葉を聞いたのは、バブル崩壊しばらくたって
からだったような気がするな。 それもやはりバブリ時代に醸成
された考え方だったのかな。
297:吾輩は名無しである
11/08/15 02:42:15.49
鈴木は抜歯はしなかった?
298: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 11:23:55.75
>>296
俺も低金利ならガンガン借りたいですけどねw
>>297
一本抜歯したよー。ブリッジって工法で治した。保険がきくから。
299: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/15 12:45:51.07
トカトントンの音は私もアセンション同様、抽象的なものと読んだよ。
なんとなくあの冷ややかな音を聞くと、ほとぼりがさめて力が抜ける気がしたね。
鈴木は本当にシャブ中の借金まみれなんだね。
300: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 13:19:09.21
なんだと!?(怒)
301: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 13:20:53.80
キャラじゃないですよ
302:吾輩は名無しである
11/08/15 14:06:16.59
シャブ中犯罪者こわいわあ
303: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 14:32:22.74
シャブは一年半近くやってないよ
304: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 19:54:23.04
もっと生産的な事がしたい。誰か読書会まとめサイトを作らない?それとも俺が別板で人数を勧誘してこようか?
305:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 20:00:07.50
あまり多いと収集がつかなくなるのが難しいとはいえ、確かに、少し人は少ないですよね。
私はサイト作るとかはできないので、後者に賛成です。
306: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 20:11:28.32
>>305
とりあえず「読書」というキーワードで検索して、多くの板の20スレ以上に宣伝してきました。しかし宣伝文が…
青空文庫を中心に、無料で参加できる読書会を開催しております。なるべくコテを付けて参加して下さい。でも名無しもオッケーだよ♪カモンナーウ
【ケンカ乱闘】読書会スレ7【なんでもあり】
スレリンク(book板)
307: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 20:39:56.35
誰も来ないね。でも参加者が増えるといいなーって俺は思ってる。
308:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 20:46:24.60
早い!びっくりした!もう少しほかの参加者の意見待ったほうがよかったかもしれないですね。後の祭りですが。好い人が来るといいですね。
因みに、>>304の言い方だと、真面目にやってるみんなに少し失礼かなと思いますよー。ショボンさんの今回のホストぐっどですし
309:吾輩は名無しである
11/08/15 20:46:36.38
きたぞ
何読むんだ
310:吾輩は名無しである
11/08/15 20:50:00.61
とりあえず誘導されてきてみた
311: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】
11/08/15 20:50:05.33
颯爽と登場
312: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 20:50:19.32
>>308
いや、ごめんなさい。自分の人生の話です「生産的な事がしたい」というのは…
>>309
176 名前:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] :2011/08/08(月) 00:55:31.03
では、今度はショボンのお題による太宰治「トカトントン」で。
URLリンク(www.aozora.gr.jp)
初出=「群像」947(昭和22)年1月号
313: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 20:52:12.80
>>309-311
いらっしゃいませ。今回のお題は終戦記念日という事で戦後派の巨匠、太宰治の「トカトントン」でございます。
176 名前:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] :2011/08/08(月) 00:55:31.03
では、今度はショボンのお題による太宰治「トカトントン」で。
URLリンク(www.aozora.gr.jp)
初出=「群像」947(昭和22)年1月号
314: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 20:53:48.54
当スレは何の縛りもないスーパーフリーな空間ですが、ホストはアセンションです。チェックしといて下さい。
315:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 20:54:16.46
>>312
なるほど!
スレの最初にもありますが、少しルールを設けてあります。良いスレにしましょ~
青空文庫を中心に、誰もが自由に読める短めの作品を共に読むスレ
*自分の感想の書き込みは名無しでもOK。
*感想文を書いた参加者のみ他者へレス(批判含む)できるが、
その場合、名無しの人は自分のレス番号を名前にする。
*他者批判の場合も人格攻撃にならないように。
という感じでヨロシク。
316: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 20:54:45.17
とりあえず読んで思った事を書いとけばいいと思います。喧嘩は仕様ではありませんが、たまに起こります。乱入上等。
317: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 20:55:54.08
ニッパさんの>>315もチェックしとくべき。あと、次のお題を出す権利もあなたたちには与えられています。活用して下さい。
318:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 20:58:55.13
俺の要望としては、鈴木はせめて十行以上の感想を書くように努めて頂きたい。
十行書くと世界変わるよ
319: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 20:59:02.71
ちなみに、次回のお題はこれです。やりましょう!!
武田泰淳 異形の者
URLリンク(www.japanpen.or.jp)
320: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 21:00:08.16
>>318
誰の命令も受けねえぜ!でもアドバイスとして聞き入れておきます。
321: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 21:00:57.95
そろそろアセンションが出て来て何か言って欲しいな。ホストアセンション
322:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 21:01:27.57
>>318
私も同意です。期待してます
323: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 21:01:50.30
でもトカトントンで十行以上?書けるよ。でも書かねえんだ俺は。
324:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 21:01:54.29
アセンションさん抜きで進めちゃって悪かったな....
325: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 21:02:46.75
心ない事は言いたくねえんだ俺は。でもたまに長いの書いてみるのもいいかもね。
326: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 21:03:24.85
>>324
いいでしょ。彼も喜ぶよ。
327: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 21:04:33.24
とりあえず三人くらいプレイヤーが増えて俺は嬉しいな~
328:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 21:05:48.74
十行程度で水増し
329:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 21:05:51.75
>>325
ある程度書いてもらわないと伝わらないもの。心の中にとどめとくなんて、せっかくの読書会がもったいない!鈴木さん読解力あるし、知識もあるし、楽しみにしてます。
330:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 21:07:03.34
>>326
そっかな、私は新参者なのに申し訳ない...
331:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 21:07:46.24
>>325
十行程度ですら、水増ししなきゃ書けないという精神構造はやばいとおもうぞ
332:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 21:08:41.36
あれ誤送信した?
333: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 21:18:25.27
>>328
それが佃煮マニアじゃん。ああはなりたくないね。
>>329
次回はやります。でも、トカトントンでも余白はあるんですよ。
俺の感想に異議がある人が声をあげたら俺は応答しますけどね。
>>330
俺がニッパさんを常任理事コテに任命します。
>>331
いや、書けるよ。水増ししなくても、10行なんていくらでも書けるよ。本当の気持ちでさ。あなたが書いて欲しいなら書くよ。
334: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 21:20:01.61
短いほうがいいじゃんって思ってしまうんだよな。出来るだけシンプルに表現しようとしてる人の作品に感動をおぼえる事あるでしょう?
335:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 21:22:35.91
文章によるコミュニケーションの短文化は真面目に考える価値のある問題だな。
キーポイントはタイムラグだ。
相手に一ヶ月たたないと届かない手紙を書くとすれば、いくらなんでも三行で済ます奴はいないだろう。
自分の意が十分伝わるように、単純な用件を伝えるだけでも、それなりに意を砕くだろうな。
そういうの考えると、こことかツイッターとかどうかと思うよね。
336:吾輩は名無しである
11/08/15 21:23:45.39
AVの話しか出来ないくせに偉そうだなこいつ
337:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 21:24:22.44
>>333
ようし書こうぜい!
338:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 21:26:29.63
つまり言いたいことは、長文書いてもウザがるよな、おまえら!(涙目
339:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/15 21:29:09.92
>>285
太宰とキリスト教との関係を見る上で「不良少年とキリスト」はグッドタイミングだったな。
>>319
一応候補として預かるけど、一応声をかけてみよう。
>>324
そういうのはOK! 鈴木は営業マン向きだなw
感想文の質はもちろん量で決まらないよ。
むしろ一行で多くの人に伝えるのは至難の技で、
それが普通はできないから、言葉を費やしてるわけさ。
340:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 21:43:22.33
いや、短い言葉で意を通じるのが美しいって発想は悪い意味で日本的な島国特有の甘えだと思う。
ここは閉ざされた共同体ではなくて荒野です。海原です。
ワグナーとかどうなるのよ。
ワグナー聞いたことないけど
341:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 21:56:47.19
>>339
>感想文の質はもちろん量で決まらないよ。
>むしろ一行で多くの人に伝えるのは至難の技で、
>それが普通はできないから、言葉を費やしてるわけさ。
読書会に関しては、これに賛成!でも、文章の良し悪しの話になれば、やっぱり短い方が美しいと思います。一つの言葉にかかる重みが増して、奥行きが出るから。
ムーさん長文なの?いつも短く的確なイメージです。
342:氷結レモン ◆IPIl6QDzZ.
11/08/15 21:56:59.26
初参加です
「トカトントン」読みました
最後まで読んだ最初の感想は
○○は嘘、○○なのも嘘
○○だけは本当に嘘
って感じの2ちゃんコピペでした
そして「こんなもん真面目に読んでんじゃねーよw」って感じの著者の渇いた笑い顔
343:アセンション携帯
11/08/15 22:01:06.08
太宰だって芭蕉になれたならトカトントンを書かなかったかもしれないよ
344:アセンション携帯
11/08/15 22:07:35.81
>>342
「本当に嘘」って表現がいいねえ!
345:吾輩は名無しである
11/08/15 22:12:57.32
感想もまともに書けない一番馬鹿の鈴木がえらそうにすんな
346:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 22:21:19.76
ニッパさんとはケンカしづらいなあw
まあいいか(にへらにへら)
347: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 22:25:25.24
>>335
でもムーさんの長文を読む奴は誰もいないと。それも問題だな。
>>339
ありがとう。でも異形の者はガチだよ。俺の感想文はそうでもないけどね。30秒で浮かぶイメージしか信じてないんだな。
>>340
ムーさんは短文で伝える自身があるんだな。じゃあやってみればいい。俺が未だに到達できない地点へ。
>>341
俺は長いほうが偉いと思ってるよw
>>342
そうだね。基本的に否定形なんだよ太宰治は。その意味で俺は坂口安吾の堕落論に痺れるんだなー。
>>345
確かに…
348: 忍法帖【Lv=20,xxxPT】 マグナ ◆i.K3ZM.pZo
11/08/15 22:27:04.40
川俣ペースで進みすぎだな。「堕落論」あたりからそういう傾向が現れてきたので書く気力がなかったのもあるが離れていた。
349:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 22:28:00.46
?
俺は短文で伝える自信ないよ?
誤読?
350:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 22:30:12.28
>>342
はじめまして。
>○○は嘘、○○なのも嘘
>○○だけは本当に嘘
>って感じの2ちゃんコピペでした
っていうコピペは、2ちゃん詳しくないのでよくわからないのですが、確かにそんなところあるような気がします。
>そして「こんなもん真面目に読んでんじゃねーよw」って感じの著者の渇いた笑い顔
は上手いな!と思いました。自嘲が得意ですよねー
351: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 22:32:05.97
>>348
でも俺は俺のペースで進めたいなんてこれっぽっちも思ってないよ。俺が他の板に周知したのが気に入らないのか?
>>349
まあ、確かに言葉を素直に取ればそうだけど、長文の正当性を説得力もって語れるのは短文も書ける奴でしょ?
352:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 22:33:10.08
そんなこたーないw
353:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 22:33:19.59
>>347
>俺は長いほうが偉いと思ってるよw
それは、長く書かねば伝わらないほど厚みのある内容がある文章なんだと思いますよ~。
>>346
私も言う時は言うので、遠慮なく!
354:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 22:34:31.28
長距離ランナーは短距離も得意でしょってどうよw
355: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 22:34:42.44
>>353
でも俺の文章なんて、という否定が最初にあるからな。太宰治だね。だから誰かの批評を発展させて語るとかそういう方法論とるしかないの俺は。
356:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/15 22:35:07.69
「トカトントン」では[Aは嘘、Bも嘘、Cだけは本当]とあったけど
実際には[Aは嘘、Bも嘘、Cだけは本当に嘘]だと氷結レモンは読んだわけだよね。
つまり26歳の青年の手紙のほうは(2ちゃん的ともいえる)虚構にまみれてるとw
じゃあ「某作家」のほうの返信は信用に足るのだろうか? みんなはどう?
357: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 22:35:43.26
>>354
そうとは言えないよ。体力が自慢のスポーツマンが足が遅かったら幻滅でしょ?そういう事ですよ。
358:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/15 22:36:56.33
>>355
朝ナマの田原じゃないんだからw
359: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 22:37:22.08
>>356
返信か。あれは太宰治の言い訳のように聞こえたけど、どうなのかな?つまり文学者としての建前を述べてるように感じた。
360:吾輩は名無しである
11/08/15 22:37:28.69
俺天然パーマなんだけど先週の日曜日の話。
最近俺が彼女と別れたのを知ってか知らずか友達が
男2女2(友達・友達の彼女・彼女の友達・俺)で遊園地行こうと言い出した。
俺はそんなに気が乗らなかったが仕事始まってから友達に全然会ってなかったし、
気分転換になるかもと思って遊びに行くことに。
遊園地に着いて遊んでると、友達が別行動にしようと言い出した。
知らない子なので最初は気まずかったけどそのうち気軽に話せるようになり、
だんだん楽しいと感じるようになった。
話してるうちにその女の子とは思ってたより気が合うし可愛いし付き合ってもいいと思った。
いや、正直付き合いたいと思った。
3時くらいになって遊園地が物凄く混んできたので
俺はその女の子に「(はぐれないように)手繋ごっか?」と言った。
彼女は男と付き合ったりした事が無いらしく俺がそう言うと何だか恥ずかしそうにしてた。
でもここで2人モジモジしてはぐれても困るので俺から彼女の手を繋いだら爆発した。
まぁさすがに爆発したのは嘘だけど、手繋いだのはガチで嘘。
でも4人で遊びに行った事だけは本当に嘘。
ただ昔彼女がいたってのはマジで嘘。
俺が天パーなのは本当。
誰か助けてくれ。
361:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 22:39:02.92
>>356
そういうことなのか!良くわかりました!!私は返信も嘘、と思います。何せ無残にも無学無思想ですから。
362: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 22:39:14.95
>>358
だから、それを最初にもって臨んだのが堕落論の感想文なわけだけどね、俺の場合。
363:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/15 22:42:29.92
>>360
そうそう、その構造w
364: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 22:42:44.81
>>360
なんかお前嘘つきだな!でもちゃんと嘘だと報告する点は好感が持てるぜ。
365:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 22:44:16.07
>>360
上手いですね!
366: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/15 22:50:29.68
私はトカトントンだけは真の意味で本当と読んだね。
だから某作家も真摯に返信しなくてはいけない。
けれども返信の方は、「僕は、あまり同情してはいないんですよ」という部分を見てみると、信用に足るかと言われたらノーだな。
氷結は、トカトントンの読者を徹底的に裏切る展開から、その2ちゃんのコピペを思い出したというだけで、構成まで完全に一致してるとは思ってないんじゃないかい?
367:吾輩は名無しである
11/08/15 22:52:36.45
某作家に”トカトントン”に類する体験が手紙以前にあったと解釈するのが妥当でしょう?
だからこそ聖書の引用文を書いた
368:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/15 22:54:39.04
>>361
なるほど。まあ「無学無思想」というのは謙遜的アイロニーとも読めるけど、
あの返信に太宰の本音が出てるのか、それともマイ・コメディアンとしての
これまた虚構性がにじんでいる返信なのかは、ちょっと判別しにくい感じはあるね。
369:吾輩は名無しである
11/08/15 22:56:03.05
韜晦という言葉を覚えましょう
370:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 22:57:33.87
>>368
うーん、厳密に言えば、嘘というより、そういう逃げ道を作っているように感じます。誰かに真っ向から否定されるのは耐えられないんだと思うんです、太宰は。
371: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 22:59:25.27
>>366
でもさあ、手紙を書いた奴も太宰の人格の一部だぜ!?
>>368
俺は返信に太宰の本音はないと見たね。むしろ手紙を書いた奴の文章のほうが本音だろう。
>>369
そんな難しい言葉は嫌いだね!!
372:(@∀@) 株価【E】 ◆ANOSADJXD6
11/08/15 23:27:07.57 BE:209923564-PLT(13334) 株優プチ(book)
やけにkamomeが重いと思ったら今日はいくさに負けた日でしたか。
373: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 23:27:50.88
>>372
えっ?終戦記念日と関係あるの?
374: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/15 23:31:07.77
そうだなぁ…
たしかにこの小説全部を引っくるめて太宰の表現したかったことだからなぁ。
信用するもなにも、書かれたものをそのまま受けとるしかないのかもね。
とはいえ、そもそも小説は解釈に幅をもたせたものだから、書かれたことをそのまま受け止めるにしても個々人で解釈に差が出るんだよね。
良い文学ってのは、>>369じゃないけど、難しくてこまっしゃくれた言い回しをしてるもんなのかな。
375:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 23:32:05.38
>>369
太宰は韜晦じゃなくて、自嘲だと思うな
376:吾輩は名無しである
11/08/15 23:34:47.03
謙遜敵アイロニーは衒学的でないのに韜晦は衒学的なのか
377:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/15 23:35:12.86
ふむふむ。いろいろ解釈できるよね。
青年も作家も虚構、青年が虚構で作家が本音、青年が本音で作家が虚構、
あるいは…
378: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 23:35:41.92
>>374
>良い文学ってのは、>>369じゃないけど、難しくてこまっしゃくれた言い回しをしてるもんなのかな。
俺はそんな事ないと思うよ。魂をぶつけてる文章ってものは常に見た目がいいもんじゃない。
>>375
俺はそこが好きじゃないんだな。そこにリアリティーを感じる人がいるのはわかるよ。でも俺は文学として好きじゃないんだ。
379:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 23:38:47.61
>>376
どっちも衒学的じゃないかな。でも私は太宰は衒学的じゃないと思います。そして、あなたは衒学的ですねっ
380: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/15 23:40:00.27
>>379
漢字の読み方がわからないw
381:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/15 23:43:17.13
>>378
私もそう思うな。かっこいい言葉並べても意味がわからないものはわからないし、面白くないものは面白くないです。
太宰の自嘲は、逃げ道なんだと思うんです。否定されたとしても、自分は最初からそう言ってたじゃん!ていえるじゃないですか。
私は鈴木さんみたいに飾らない人間じゃないので、太宰のそういうところに共感したのだろうなと思います
382:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/15 23:54:40.40
自嘲的、という言葉はしっくりくるね。
青年の手紙も作家の返信も、虚構でありかつ本音でもあるとしたら…
383:吾輩は名無しである
11/08/15 23:56:15.17
太宰を色で染めるなよ
384: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/15 23:57:26.08
>>381
難しい言葉や表現だらけの文学はそりゃつまらないだろうね。
ただ太宰の文学は少なくとも難しい言葉や表現だらけではないよね。
でもここぞというときにそういう言葉やら表現がある気がする。
逆に難解な部分の一切ない文学は良い文学になりうるんだろうか?
>>378
鈴木は、太宰がうじうじと自らを嘲って、その卑劣な過去を並べ立てて悦に入っているのが鼻持ちならないのかな?
たしかにそれは分かるんだけど、私は『人間失格』を読んだときに、「これが文学だ」と思ってしまったんだよね。
それは強烈な引力だったよ。
385:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/15 23:59:12.48
>>383
人それぞれの読み方によっていろいろ色づけしたって悪くはないさ。
むしろどんな色にも染めないで論じるのはかなり困難だよ。
386:吾輩は名無しである
11/08/16 00:04:23.20
色即是空
繰り返す
色で染めるな
それはニヒリズムだ
そんなもので染めるな
387:吾輩は名無しである
11/08/16 00:08:19.05
誘導されてきた
エロ小説があるのはここか
388: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/16 00:10:34.74
>>381
いや、俺は太宰治に対して同族嫌悪を抱いているのだろうという自覚はあります。共感はできるのです。
>>382
作家の返信は本音ですかね?俺はそうは思わなかったな。
>>384
なりうるでしょう。太宰はいい線いってると思いますよ。一流と言ってもいい。
なんていうか、わからないけど、俺は太宰が嫌いだって言ったけど、本当は好きだけど何か足りないって言ったほうがいいと思う。
太宰を嫌っていたという三島だって、本当は好きだったんだと思うな。でも太宰になりたくはないんだよ俺は。
389: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/16 00:11:10.65
>>387
エロはないよ。今回のお題はこれです。
176 名前:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] :2011/08/08(月) 00:55:31.03
では、今度はショボンのお題による太宰治「トカトントン」で。
URLリンク(www.aozora.gr.jp)
初出=「群像」947(昭和22)年1月号
390: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/16 00:12:14.74
でもエロ小説をお題にあげるのもやぶさかではない。ちなみに先ほどまた20スレくらいに宣伝してきました。また人増えるよw
391:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7
11/08/16 00:16:59.08
>>386
空即是色でもあるぜw
392: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/16 00:31:39.50
鈴木のお友だちもトカトントンの感想書いておくれ。
どんなことだっていいさ。
こういう私も鈴木に誘導されてここに来たのです。
393: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/16 00:38:33.64
そう。今晩俺は50スレくらいに人を集めに行ったぜ。
394: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/16 00:42:35.20
俺の呼びかけ文がだめだったのかなあ…どういう趣旨の読書会かアセンションが語って下さいよ。
395:吾輩は名無しである
11/08/16 00:45:00.32
なんなんだよこの手紙長すぎる長すぎるよ
ちゃんと読む人のこと考えてよ
トカトントン聞こえてるくせにこの長文とかトカトントンの威力弱すぎだろ
せめてエロ入れてよ
女中は下の口で男の口封じしろよ
そこは空気嫁よ
この小説は結局の所何が言いたいの
最後の数行言いたいがためにトカトントンさんは噛ませ犬になってんじゃないの
ライ麦畑もそんな感じがしたよ
でも確かに恥じも外聞も捨てたやつは強いよね
396: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/16 00:47:25.61
>>395
トカトントン強すぎじゃね?でもトカトントンで白けるって精神構造がわからないよな。
397: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/16 01:00:48.47
新規参入の皆様はじめまして。ここのホストはアセンションです。わからない事があったら彼に聞いて。
1-2週間毎にお題が出されるから、それを読んで感想文を書きます。今回はこれです。気軽にご参加下さい。
176 名前:アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] :2011/08/08(月) 00:55:31.03
では、今度はショボンのお題による太宰治「トカトントン」で。
URLリンク(www.aozora.gr.jp)
初出=「群像」947(昭和22)年1月号
398: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/16 01:02:11.69
だいたい短編が多いので、気軽に読めると重いますよ。
399:吾輩は名無しである
11/08/16 01:02:23.47
>>395
せやおまへんがな
これはアレや。賢者タイムでんがな。
ああなんか宇宙広いしどうでもええわーって感じですがな
せやから手紙やとか大層な事言うてるけどオナニーの告白でんねや
400: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/16 01:03:21.62
トカトントンじゃなくてキコキコキンでもよかったな
401:395
11/08/16 01:03:39.49
>>396
トカトントンはきっと枕につっぷして足ばたばたしたくなる黒歴史なんだ
なんの感慨もないとかいうのも嘘なんだ
きっと死ぬこと考えて薄気味悪い森を見ていたらおしっこちびっちゃったんだな
そのときトカトントンが聞こえて我に返り泣きながら走って帰ったんだ
それでトカトントンは黒歴史を思い出す鍵となってしまったわけだ
402: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/16 01:06:37.82
>>401
黒歴史かあ。つまり恥という感情と繋がっていると?
403:395
11/08/16 01:14:04.93
>>402
そやね
最後にまとめてる作者が醜態と言ってるからきっとそういうことなんでしょう
404:アセンション携帯
11/08/16 01:23:10.25
黒歴史か
黒い時計の旅のスティーヴ・エリクソンを思い出したw
405:吾輩は名無しである
11/08/16 01:53:57.92
ここはトカトントンをおもしろ解釈するスレ?
406:記憶喪失した男
11/08/16 02:00:29.76 BE:1847756939-2BP(0)
「トカトントン」感想。
わけがわからなかった。そもそも、語り手のいいたい主題がわからない。
とある作家の小説を読んだら、トカトントンと音がしたというのだが、
それだけでは怪談にもならないし、幻想文学にもならない。
トカトントンいいたいだけちゃうんかと思った。
この作品に奥深い思想は皆無である。
407:吾輩は名無しである
11/08/16 02:04:13.16
んじゃ俺解釈 手紙書いている男は太宰のニートな部分(小説家として 基本太宰はニートだけど)
何をやるにも無感動で足踏みしている太宰(勇気がないからと返信太宰は言うけど、ただの怠惰かも?)
んで、返信太宰がそれにハッパかけてる それにしても太宰の話に出てくる女の子はかわいいね
408:407
11/08/16 02:08:07.15
もしくは敗戦後の世の中で無気力化している若者を表現しようとしているのかな
俺が俺がの太宰ちゃんが社会風刺を書くかは知らないけど
409:407
11/08/16 02:13:32.35
いずれにせよ、男の、手紙の最後にある「書いたことは嘘ばかりだけど、トカトントンだけは本当なのです。ってのは
太宰お得意の読者に対する「僕だけの話じゃない。君だって、そうだろう?」という問いかけの技法だろうとおもう
410:記憶喪失した男
11/08/16 02:33:54.14 BE:2053062465-2BP(0)
「異形の者」感想。
宗教話を真面目に語っているところが面白かった。好みな題材である。
宗教が死後の幸せをうたうのに疑問を感じるのはおれもであり、
共感を感じる。空海やアミダ如来などが登場するのも、なんか、偶像蔑視しているようで
気持ちがいい。
オチがガンジーというのも、真剣に悩めるものの出した真面目な解答だという気がする。
だが、全体を通してみて、これといって、世界の第一線に立つ文章はなく、
いささか、思想の踏み込みにあまさを感じずにはいられない。
411: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 (´・ω・`) ◆hesl6eItdY
11/08/16 03:19:50.06
>>409
なるへそ(´・ω・`)
青年の手紙の最後の部分が意味するのは「僕だけの話じゃない」ということだとする読みは面白いね。
太宰お得意ってことは他にもあるんだよね?
どんな作品がそれに該当するんだい?
412:409
11/08/16 03:44:11.49
>>411
えーとね、本を無くしちゃったんだけど
たしか晩年かな? 晩年のなかにいくつか短編が載っていて、その後ろの方
そのなかで太宰が他人の奥さんといいところまで行ったぜゲヘヘ、って自慢する話があって
それは架空の「君」に対して語られる形で書かれていて、そのなかで「僕だけじゃないさ、君もだ
って文があった 晩年のなかの違う話かもしれない 曖昧でゴメン
太宰は読者に問いかけや同意を求めるようなメタ的な表現が多いよね
それで自分は太宰とよく似ている、と感じる読者が多いわけで
トカトントンの場合、「僕の場合トカトントンと聞こえて、こんな有様だけど、
誰にだって、こんな状態になっちまうことは起こりうるんだ。どうだ?君には分かるだろう。と
>>400の言葉は実は深いなあ、と感じていたりした
413:吾輩は名無しである
11/08/16 07:54:45.42
誘導されてきました
トカトントンの俺の解釈です。
戦争が終わり張り詰めた世相が一転、自由な世の中になりましたが、精神を病んでしまいました。
躁または鬱な気分になるとトカトントンという音が聞こえ、気分が落ち着きます。
トカトントンという幻聴は心臓の鼓動の象徴として聞こえているのだと思います。
興奮すると鼓動が早くなります。
それを落ち着かせるためにトカトントンという単調な音、つまり平時の鼓動が精神安定剤の役割をしているのだと思いますます。
414:吾輩は名無しである
11/08/16 08:11:08.38
しかし本人は自分が異常だと思っています。
かなり危機感があるから手紙を出したんだと思います。
嘘を混ぜたというのは自分に対し平常心を取り戻す為のごまかしです。
返信は、例え傷つこうが落ちこもうがこわがらないで、一度きりの人生楽しめ。
神様ほど畏怖すべき存在はいないのだから。
と解釈しました。
415: 忍法帖【Lv=1,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo
11/08/16 08:19:41.69
>>413
なるほどー。俺はトカトントンは情熱を失わせる悪しき呪文?幻聴?だと思って否定的に捉えてたんだけど、精神安定剤としてこトカトントンかあ。
416:413
11/08/16 08:41:09.29
>>415
元々は感動しやすく、周りに流され易い人だとおもいます。
その為に玉音放送後の雰囲気に呑まれ、自決しそうな気持ちを抑える為に幻聴が聞こえるようになったと思いました。
防衛本能というか生存本能なんでしょうね。
それが長く続いた為、社会の変化から、私生活に渡る全てに無気力、無関心になり危機感を覚えたんだと思います。
417:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/16 08:42:14.08
>>413
新しい解釈ですね。面白いです!確かに、白けるって平常心を取り戻しているからこそですよね。思いもよらなかったな。やっぱりみんなで読むと面白いなぁ
418:ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk
11/08/16 08:43:36.42
>>416
>元々は感動しやすく、周りに流され易い人だとおもいます。
>その為に玉音放送後の雰囲気に呑まれ、自決しそうな気持ちを抑える為に幻聴が聞こえるようになったと思いました。
これって太宰本人のイメージそのものだと思います。
419:413
11/08/16 09:50:12.43
さっき気がつきましたが、ここって文学板だったんですね。
はじめて来ました。
返信については、戦争、敗戦、社会運動、恋愛等の私生活などは人の営みです。
キリスト教の神はそれらから超越した存在です。
ですから常に精神安定剤を飲んで心の平安を保つ必要はないよ。
所詮は人の営みなんて神からしたら些細な事だから、情熱を持って生きなさいというメッセージなんだと思いました。
420:ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2
11/08/16 09:54:18.31
トカトントンの感想。
「トカトントン」という音は、一言でいえば「世界が持続する音」だと思うな。
それ自体はなんら心理的な意味も、社会的な意味もない、宇宙の持続の音。
それがなぜ主人公を打ちのめすかと言えば、これまでも、これからも、世界はなんら変わらぬ姿で持続し続けるのであり、
そこには何かの「終わり」もなければ、何かの「始まり」もないという真実が突き付けられるからだと思う。
だから、そこでは「終戦」という大がかりな「終わり」の物語も、「戦後民主主義」という「始まり」の物語も、あるいは労働や恋愛といった「個人的」なフィクションも無効化されてしまう。
主人公が、全てが嘘かも知れないが、「トカトントン」という音だけはリアルなんだと最後に告白しているのも、
そうした事態を素直に述べているのに過ぎない。
つまり、太宰は終戦はフィクションに過ぎないと言っているのだ。
作者の最後の付けたりは、照れ隠しでもなんでもなく太宰の本音だろう。
ここで、太宰は太宰なりの言葉で、踏み止まるな、「堕落」せよ、という明白なメッセージを発している。
堕落とは、人生を支える諸々のフィクションが無効化された後、世界そのものの持続を見ることに他ならない。
そのとき「トカトントン」は曖昧な幻聴=予感であることをやめ、本来あるべき姿で現れるはずなのだ。
これは太宰のフィクション論ですな。
以上