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656:(名前は掃除されました) :2010/11/08(月) 02:15:13 ID:ipGsw1FC [sage]
こんな夜更けに、闇と風の中に馬を走らせるのは誰だろう。
それは用心棒と越後屋だ。用心棒はおびえる越後屋をひしと抱きかかえている。
用心棒 「越後屋よ、なぜ顔を隠すのだ」
越後屋 「先生には上様が見えないの。ちょんまげを結って、葵の紋付を羽織っている・・・」
用心棒 「あれは貧乏旗本の三男坊だ・・・」
吉宗 「かわいい越後屋、一緒においで。面白い遊びをしよう。お白州にはきれいな桜が咲いているし、石の座布団を私の家老がたくさん用意して待っているよ。」
越後屋 「先生、先生!きこえないの。上様がぼくになにかいうよ。」
用心棒 「落ち着きなさい、新さんがマツケンサンバを踊っているだけだよ。」
吉宗 「いい越後屋だ、私と一緒に行こう。私のお庭番たちがもてなすよ。お前をここちよくゆすぶり、探り、斬り捨てるのだ。」
越後屋 「先生、先生!見えないの、あの暗いところに上様のお庭番が!」
用心棒 「見えるよ。だが、あれは日本じゃあ二番目だよ。」
吉宗 「愛しているよ、越後屋。お前の腹黒い笑いがたまらない。チャーラーラー、チャララチャララチャラチャーチャーチャー!」
越後屋 「先生、先生!上様がぼくをこらしめる!上様がぼくをひどい目にあわせる!」
用心棒はぎょっとして、馬を全力で走らせた。あえぐ越後屋を両腕に抱え、やっとの思いで館に着いた・・・
腕に抱えられた越後屋は成敗されていた。