11/02/13 05:46:41
オーバーリアクションって基本的には「予期しない反応」だから、どういう条件で
それが起こるか、という体系的な理解はない。ただカルボン酸のGrignard試薬による中和は
水溶液中のカルボン酸の中和のように拡散律速で起こる訳じゃない、ということは
知っておいて損のない知識だ。Grignard試薬そのものは、そもそも電離していない。
低温で非極性溶媒の場合は結構遅く、場合によっては求核攻撃との競争反応になる。
そうすればエステルとの反応と同じになり、結果としてはオーバーリアクションになる。
また、Grignard反応では基質によっては一電子移動によるプロセスが支配的になることが
ある。ケチルアニオンを安定化する因子がある場合(安息香酸誘導体とか)では
ラジカル機構での付加物が副生物として得られてくることもあるだろう。
もっとも、定量的に得られてくるとも思えないが。
有機反応ではいろいろな可能性を考えながら反応設計したり解析することがやっぱり大事で、
教科書に載っていないからその反応は行かない的な考え方は褒められたもんじゃないだろう。
もっともここには合成屋と反応屋の埋めきれない溝ってものもあるだろうね。もちろん私は
合成屋だから予期しない反応なんて見慣れているし、どうしてそうなるのかをない知恵絞って
考える習慣が身についているが。