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現在、愛知県下に存在するナンバーは、名古屋、三河、尾張小牧に加えて豊田や豊橋、一宮など7つがある。
筆者がまだ名古屋にいた頃は、愛知県下の車のナンバーは名古屋、三河、尾張小牧の3種類であったから、ずい
ぶんと増えたなぁという印象だ。この車のナンバーというのが、名古屋人という愛知県民にとっては大きな意味
を持つことは、他府県の人からはなかなか想像ができないはずだ。
車が大好きな名古屋人(広義において愛知県民を指す)は、車種やメーカーにこだわるのは当たり前。だが、
そこにナンバーという要素が加わるからやっかいだ。その昔、車道楽の筆者のオヤジが購入したのはアルファロ
メオ。帰省した際に借りて意気揚々と地元の友人と会ったんであるが、その際に友人連中から言われた強烈な一
言は今でも脳裏に焼き付いている。
「おぉ! おめぇ、おこま(尾張小牧ナンバーの略)のくせにアルファメロオか!」
まるで、名古屋ナンバー以外は軽自動車にでも乗ってろと言わんばかりの口調なのだ。
このように名古屋人における車のナンバーには明確なヒエラルキーが存在しており、頂点はもちろん名古屋ナ
ンバーなのだ。では、名古屋に次ぐナンバーはというと、そんなものは存在しない。名古屋ナンバーに非ずは車
に非ず……とでもいった感すらある。ちなみに一昔前は、名古屋ナンバー以外はお互いを罵ることは当たり前。
一昔前の名古屋市内では「ケッ! 三河(ナンバー)は本当に運転が荒いな、たわけ!」と尾張小牧ナンバーの
運転手が車内で悪態をつけば、「おこまナンバーは田舎の山にきゃーてけ(帰っていけ)」と三河ナンバーも悪
態をつく。そんな光景が日常化していたのである。
ちなみに友人の車のディーラーに聞くと、
「まぁ、今でも名古屋ナンバーが一番!みたいなノリはあるわな」
とのことだった。
文/テポドン(本誌)