10/07/24 13:06:12
トイレに一目散に駆け込む、まるで生まれたばかりのヒヨコを抱えるように大事に紙きれを握りしめて
紙きれは4つに折りたたまれており、自分の名前が印字されている
そこには0から始まる11個もの数字が並べられていた
「え?これだけ・・・?」
あわてて紙きれを裏返す、何も書いていない・・・
トイレの中にいるのにやけに暑い、俺は汗をかいている
書き込まれた11個の数字が何らかの電話番号だと気付いたからだ、しかも携帯電話だ
帰り道のバス、外を流れる景色に目が追いつかない、外を歩く女性がどれもまゆゆに見えて仕方ない
俺は悩んでいた、この番号は誰のなんだ?ひょっとしてまゆゆの?それとも・・・
色んな妄想が頭をよぎる
電話をかけてまゆゆが応答する・・・見知らぬ誰かにかかり、あわてて謝る自分・・・
でも俺は思った、たとえまゆゆじゃなくてもここにかけてみないと何も始まらない、相手がまゆゆである可能性が1%でもいい
少しでも可能性があるのなら俺はそれに全力を投じてみたい
夕飯はとんかつにした、いつもはアニメを見ながらウマいウマいする食事がことのほか味気なかった
そして歯磨きを念入りにする、ブレスケアも噛んでみる
携帯電話を取り出し、紙切れにある番号を打つ
手が震える、足も震えている・・・心臓が飛び出しそうだ
4コール後
「はい、もしもし・・・」
女性の声
「あ、あ、○○××ですが、スイマセン間違えましたっ」
俺は怖くなり電話を切ろうとした、すると
「あ、あの、○○さん?いつもお世話になっている渡辺です」
「え?」
「あ、お、お電話ありがとうございます」
「いえ、どうも・・・」
「中、見ていただいたんですね、私どうしても○○さんと個人的にお話がしたくて・・・」
そして俺たちは互いに住所を教え合い、俺の部屋にまゆゆを招き入れ・・・
という妄想で抜いたことならあるよ