11/05/05 11:56:27.71
>>405つづき
当時調査に携わったスペイン海洋学研究所の海洋生物学者アンヘル・ゲラ(Angel Guerra)氏は、
「探査船の騒音は頭足類などの海洋生物に悪影響を及ぼす」という仮説を立てた。「当時は証明できなかったが、今回の研究は低周波音が頭足類にダメージを与えることを裏付けてくれた」とゲラ氏はコメントを寄せている。
研究チームは、頭足類4種(イカ類2種、タコ類1種、コウイカ類1種)の計87匹に対して、50~400ヘルツの低周波音を157~175デシベルの強さで2時間暴露させ、影響を調査した。
「実験に使用した周波数と音の強さは、海軍のソナー演習や石油・天然ガス資源の探査など多くの海洋活動で発生する標準的なレベルを想定した」と、カタルーニャ工科大学のアンドレ氏は説明する。
調査チームは、暴露終了直後と最大96時間後に被験動物を絶命させた。暴露直後の個体群では、平衡胞の組織に損傷の兆候が見られた。特に平衡胞の細胞内にある毛髪のような微小構造が損失していた。
頭足類が水中を移動する際、この構造が曲がることによって平衡感覚が保持されるため、ダメージを受けると正常な動作が基本的に不可能となる。
時間をあけてから絶命させた個体では、平衡胞の組織に大きな穴が開くなど、損傷の程度はさらに著しかった。
「実験対象となった頭足類はダイオウイカよりもサイズがはるかに小さいが、起きた現象は同じだと考えられる」とスペイン海洋学研究所のゲラ氏は指摘する。
「この10年間に見つかったダイオウイカの損傷状態は、実験で受けた傷よりもはるかに深刻だった。実験よりも音が強く、騒音源が複数あったせいだと考えられる」。